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クラス1の美少女に嘘告白された帰り道、ナンパされていた絶世の美少女を助けたら、まさかのその日に義妹になった  作者: 白金豪


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第18話 義妹は不思議に思う

 次の休み時間だった。


「あ、里見先輩!」


 聞き慣れた声が教室に響く。


 振り返るまでもない。


 義妹だった。


 星奈が嬉しそうな顔で教室へ入ってくる。


 そして。


 1直線だった。


 迷いなく俺の席までやってくる。


「来ました!」


「見れば分かる」


「ひどいです」


 口ではそう言いながらも、星奈は楽しそうだった。


 むしろ機嫌がいい。


 隣に立ったまま、にこにこしている。


「何してたんですか?」


「授業」


「それは知ってます」


「じゃあ聞くなよ」


「会話です」


「便利な言葉だな」


 そんなやり取りをしていると。


「……」


 ふと違和感を覚えた。


 いつもなら。


 絶対に絡んでくる奴がいる。


 坂田だ。


 だが今日は違った。


「……」


 教室の後ろ。


 坂田は友人たちと話していた。


 いや。


 話してはいる。


 話してはいるのだが。


 明らかに落ち着きがない。


 何度もこちらをチラチラ見ている。


 来たい。


 たぶん来たい。


 星奈と関わりたいのだろう。


 顔にそう書いてある。


 だけど来ない。


 いや。


 来られないのかもしれない。


「……」


 視線が合う。


 坂田は一瞬だけ固まった。


 そして何事もなかったみたいに友人との会話へ戻る。


 無理矢理戻った感じだった。


 分かりやすい。


「?」


 星奈が首を傾げた。


「何かありました?」


 不思議そうに尋ねる。


「ああ」


 俺は小さく頷く。


「ちょっとな」


「ちょっと?」


「次の休み時間の時に話す」


「え?」


 星奈の目が少しだけ大きくなる。


「今じゃダメなんですか?」


「ダメってわけじゃないけど」


「じゃあ今で」


「次の休み時間だ」


「むぅ」


 頬を膨らませる。


 だがすぐに。


「分かりました」


 星奈は素直に引き下がった。


 そして。


「楽しみにしてます」


 意味深な笑みを浮かべる。


「そんな大した話じゃないぞ」


「それは聞いてから決めます」


 なんだその自信は。


 思わず苦笑する。


 その時だった。


「……」


 妙な視線を感じた。


 坂田じゃない。


 もっと静かな視線。


 どこか気になってしまう視線だった。


 俺はゆっくりと顔を上げる。


「……」


 三上さんだった。


 窓際の席に座っている。


 友達と話しているわけでもない。


 スマホを見ているわけでもない。


 ただ。


 こっちを見ていた。


 いや。


 正確には。


 俺を見ていた。


「……」


 一瞬だけ目が合う。


「あ……」


 三上さんの唇が小さく動いた気がした。


 次の瞬間。


 肩がぴくりと震える。


 そして。


 慌てるように視線を逸らした。


 まるで逃げるみたいに。


 見ていたことを知られたくないみたいに。


「……」


 なんだ?


 そう思った時だった。


 三上さんがまたこっちを見る。


 だが。


 今度は目が合う前に逸らした。


 窓の外を見る。


 机を見る。


 教科書を見る。


 落ち着かない様子だった。


 それなのに。


 少しするとまたこっちを見ている。


「……」


 目が合いそうになる。


 逸らされる。


 少し経つ。


 また見ている。


 それの繰り返しだった。


「先輩?」


 星奈が不思議そうな顔をする。


「どうしました?」


「いや」


 俺は視線を外した。


「別に」


「そうですか?」


 星奈は首を傾げる。


 だが。


 俺が前を向いた直後。


「……」


 三上さんの視線はまた戻っていた。


 今度は少しだけ長かった。


 何か言いたそうな顔。


 何か聞きたそうな顔。


 だけど。


 結局何も言えない。


 そんな顔だった。


 俺は何も言わなかった。


 三上さんも何も言わない。


 ただ。


 あの視線だけは妙に気になった。


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