その7
大変お待たせしました。続きになります。よろしくお願いします
「やれやれ、ランチ以上の出費だ…」
俺は減少した財布を眺め、ため息を吐いた。ファミレスでコーヒーを巻き上げたあと、俺たちは濡れた服を乾かすか着替えるかを考え、こんな時ラノベならラ、ラ、ラブホ……とか入ったりするよなぁ……なんて話していたが本当に行くわけじゃない。
今の上野ならバグり過ぎて本当に入りかねないし、俺は服を着替える方を選んでしまった。このヘタレめ
俺はみんな大好きウニクロでそれっぽい服を見つけると、そさくさと購入し着替えた。
上野はと言うと、色々と迷っているらしい……チラチラと服を眺めてはうーむと唸っている。
全身コーヒー臭いの忘れたのかな?
「おーい、上野、決まったか?」
「うぅ……今、まよってて……服選ぶのって始めてだから……」
「ん?」
「な、何よ!仕方ないじゃない!昔からメイドに着せてもらってたんだから」
「ふーん、さすがお嬢様」
「お、お嬢様言うな!」
上野はふくれっ面で、服を眺めてからこっちに走ってきた。
目線を合わせては外し、頬を赤らめさせている。
なんなんだ?
「なんだよ?」
「えっと、その……」
「ん?」
「誠くんは、どんな服を着てる私が好みなのかしら?」
「は?」
「だから!誠くんの好みの服を着てあげるって言っているのよ!」
ありゃー、困ったな
そう来たか
「なんで俺なんだよ。あと、誠じゃなくて誠な?」
「それは…その…この場にはあなたしかいないじゃない!」
ご最もである。
「俺に言われてもなぁ……」
俺は頭をひねる。最近まで服やら身だしなみを気にしたことなんてなかった。本当に上野のことはバカにできない。
今日も妹に頼んで着せてもらったコーディネートだ。そんな俺に女の子の服を選べなんてキツすぎるだろぉ!
俺は店内を見渡した。服を選ぶのは難しいがマネキンが着ている服ならこれ!って言えると思ったからだ。
「じぁ、これは?」
俺は近くのマネキンを指さした。
今どきの女の子が原宿だの新大久保で着てそうな服装を想像してくれればいい。
「こ、これ…」
上野は俺をじーと見つめる。
「ナンデスカ?」
「私にこんな頭の悪い陽キャが着ていそうな服装をさせるつもり?」
「そ、それは、陽キャに失礼だろぉ!!謝れや!」
「嫌よ、それに私が聞いたのは流行りの服ではないわ。あなたの好みの服を聞いたのよ?」
上野は不機嫌そうにそっぽを向きながら言う。だが、その頬は赤い。
「そう照れるなよ。今探してやるから」
「う、うっさい!!早くしないと怒るわよ!」
今度は本当に不機嫌になってしまったようなので真剣に選ぶことにした。と言っても、本当に服というものが分からない。ライトノベルで見るようなヒロインの服装しか頭に浮かばない。もう、それでいいか
「お待たせ、上野。これでどうだ?」
俺は駆け足で上野に近づき、カゴにつめた服を渡す。
上野はそれを手にとると、再びじーとこちらを見つめる。
「な、ナンデスカ?」
「今度はラノベヒロインのような服装ね。」
「あ、当たり前だ。俺の好みはラノベヒロインだからな」
俺は恥ずかしさから、視線を逸らしながら言う。だってそうだろ?知り合って1週間ちょいの女子に自分の趣味(性癖?)を晒すようなもんだからな。
いや、本当に恥ずい。
「分かったわよ、これにするわ。買ってくるからちょっと待ってなさい!」
「え、ちょ……!」
呼び止めようとした俺には目もくれず、上野は小走りでレジに向かい、素早く会計を済ませる。支払い時に金持ちしか持てないようなカードが見えたが、とりあえずツッコまずにいよう。
ていうか、試着もしないで決めるとはな。サイズは一応確認してたみたいだけど……
真っ赤なお顔の上野さんは店員から服を受け取ると、これまた俺には目もくれず、ビニール袋を片手に近くのトイレに駆け込んで行った。俺と同様、トイレで着替えるようだ。
あの可愛い服を着た上野を想像しながら…いや、ちょっとしかしてないけど!期待しつつしばらく待っていると、モジモジしながら恥ずかしそうに戻ってきた。
「あ、あの……その……着たわよ……」
目の前にはラノベヒロインがいた。
頬を朱に染め、毛先をを指でいじりながら小声で話しかけてくる少女はライトノベルのヒロインそのものだった。
華奢な肩は少し震えているように見える。余程恥ずかしいんだろうな
「ど、どう……かしら……?」
上野はこちらを覗き込むようにチラチラと見ては目線を逸らしている。うん。仕草もヒロインそのものだ。
「うん……なんて言うか、その……かなり可愛いと思うぞ。想像のかなり上をいっていたというか、いや!想像はしてないんだけど!えっと……その似合っていると思う」
俺は感想を言おうと一生懸命に言葉を紡ぐ。女の子の服の感想なんて言ったことがないため、かなりドギマギしてしまう。
キュウべえと契約して魔法少女になっちゃう。あ、それはま○マギか。
「そ、そっか…ありがと…」
「い、いや、こちらこそ…」
その時、近くで腹の虫がなる音がした。目の前の人物から音がしたため考えることもなく分かる。明らかに上野だ。
「そういえば、昼ご飯まだだったな」
「そ、そうね……誰かさんがお腹を鳴らしたみたいだし……」
誰かさんって……明らかにお前だよな……?流石に、そこまでデリカシーがない訳では無いので言わないが。
「あっはは、そうだな。コンビニでも探すか」
「な、何笑ってるのよ!別に私じゃないんだからね!」
「私じゃない?別に上野の事を疑ってるわけじゃないんだけどなぁー」
「またそうやって!ほら!さっさと行くわよ」
上野は俺に背を向け、足早に歩き出した。どうやらかなりお腹減ってるようだな。
「待てよ、上野~!」
俺は人混みを避けながら上野を追いかけるのだった。
今回はかなり友人に助けられてここまで書くことが出来ました。ありがとうございます
次回は早めに投稿できるよう頑張ります
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