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2話 三つ星のように完璧な父上
完璧な父上は、炊事もこなす。
私が小学校一年生に上がるタイミングで、父上は6LDKの家を建て、その後単身赴任となった。
常にピッカピカでいないと気が済まない性格。
それが、無敵な男、父上だった。
ベッドのシーツは、しわ一つない。
完璧に整えられたベッドメイク。
父上はダ○キンさんやホテルマンだったら、きっと無敵の三つ星の店員だったに違いない。
朝は決まった時間に家を出る。
無駄な時間を嫌う、そんな人だった。
車も常にピッカピカ。
小さい頃、泥のついた靴で乗ろうとすると、
「靴をパンパンとして、汚れを落として」
何度言われたか分からない。
父上が単身赴任先から月に一度帰省する前には、母と一緒に大掃除をした。
「パパが来週帰ってくるから、掃除をして」
そう言われ、私は一生懸命に掃除をした。
ほこり一つない家で迎えるのが、我が家の当たり前だった。
完璧主義で、仕事ができる。
中途半端なことを嫌う父上。
そして毎月、父上は単身赴任先で料理の練習をしていたらしい。
それが無敵な料理だとは、
その時の私は、まだ知らなかった。




