第二部への扉
長らくお待たせいたしました。
第一部を読んでくださった皆様へ、第二部へ続くプレプロローグをお届けします。
ここから新しい物語が始まります。
王立魔術師団 団長執務室
「どういうことだ、状況を説明しろ」
銀髪が揺れる。
選ばれた者だけだけが持つ、蒼金の瞳、が部下を見据える。
「申し訳ございません、師団長」
王立魔術師団師団長ヴァンドール・ド・グラサージュは副師団長アルタスに問うた。
「後方支援の治癒師がなぜ全滅したのだ」
「……申し訳…」
「謝っても治癒師は還らぬ」
「師団長殿、お怒りはごもっとも、しかし今回のダークミストはこれまでとは違い我々の力では」
「第二魔術師団でも手に負えないと?」
「魔獣は八割方討伐しました。ですが、ダークミストはまた現れるのです」
「また現れる?」
「はい」
「では殲滅できていないということだな」
「その通りです。我々の怪我から現れて」
「怪我から? 意味がわからん」
「治癒師が治療を始めると、我々魔術師の傷口から瘴気が顕現し治癒師を飲み込むように…」
「傷口からダークミストが現れる?それで治癒師が命を落としたのか、なのにそなたらは傷だけで済んだのか」
「傷は残ります、しかし傷の中にあったダークミストだけが消えるのです」
ヴァンドールは思考を巡らせた。
魔術師になく、治癒師だけが持つ属性は《光》。
この国でダークミストの動きが活発になったのは十数年前。
ダークミスト、つまり瘴気は闇属性。だから光で殲滅できる。
このところ、各地で治癒師が行方不明になり、調査を進めていたところだった。
だが今日の討伐では、ダークミストが治癒師に襲い掛かり光を吸収し命を奪った。
そんなことがあるのか。
アルタスは嘘を言う男ではない。
しかし。
魔術師団に同行する治癒師は魔力量も多く、優秀な者ばかり。
簡単にダークミストに飲み込まれるのか。
何が起きている?
「アルタス副師団長」
「はっ」
「其方は第三魔術師団を率い、王立治癒院の警護に当たれ。次の討伐に参加する治癒師の確保も急げ」
「師団長殿は」
「私は王宮の禁書庫で文献を探す」
ヴァンドール・ド・グラサージュは、
王宮図書館の特別棟にある禁書庫へ急いだ。
お読みいただき、ありがとうございました。
このプレプロローグは、
お人好し令嬢異世界婚活記2『最後の転生そして魂の約束』へ続く物語の始まりです。
第二部はシリーズとして、新しいタイトルで新作品となります。このページタイトルからリンクしています。
現在、第二部を執筆準備中。
初回投稿予定日 8月26日ごろを予定。
皆様にお届けできる日を目指して頑張りますので、その際はまたお付き合いいただけましたら嬉しいです。




