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28、リリエルの覚悟

いつも読んでいただきありがとうございます。昨日の投稿予定の設定を間違えてしまい投稿できておりませんでした。楽しみに待ってくださっている皆様、申し訳ありませんでした。23日投稿予定の分を投稿いたします。

リリエルが会議室の扉をノックする少し前、智天使ケルビムは王太子妃見習・リリエルの部屋に出現していた。


「ケルビム様、やはり何か起きているのですね。」


挨拶も早々に、リリエルはケルビムに問いかけた。


「気がついていたか。」


「なんとなくですが、聖女としての感というか、邪悪なものがこの世界を囲むようにあらゆる場所から現れようとしているように感じます。それも魔物より醜悪な感じがして。ケルビム様をお呼びした方が良いのではないかと考えておりました。」


「リリエルも成人の十六歳に近づき聖女の力が増しているのだな。お前のいう通りだ。実は、、、、」


智天使ケルビムは天界の天使が堕天使となり反乱を起こそうとしていること、リリエルを拐って地獄のルシファーに差し出そうとしていること、ウィンザー世界をアンデッドの地獄世界にしようと企んでいることを伝えた。


「問題はウィンザー国だけではなく、このウィンザーが存在する世界全てが邪悪なモノに侵略されようとしている、ということなのですね。ケルビム様、それを防ぐにはどうしたら?」


「まず言っておく。お前が人身御供つまり生贄になるのが一番まずい。人間の世界を守るためには、お前をルシファーに渡すわけにいかん。」


「でも私が死ねば、敵はこの国を攻める意味がなくなります。」


「そうでもないのだ。滅びたロマイエの邪悪は、闇から出た醜悪な魔物が人間化したものと、地獄にいたものが人間界に出てきて悪さをしていたものが一緒になっていた。十五年前、妖精王たちの魔力で殲滅されたはずだったが一部がすり抜けて地獄に逃げ帰ったらしい。そこで怨念を増幅させ仲間を増やした、それがルシファーの目に止まり、そして堕天使たちアジズがルシファーを煽って憎悪が膨れ上がり地獄のゲートが開くエネルギーを作り出してしまった、ということだ。」


「では十五年前にそれらのほとんどを抑えた妖精王様の力は凄いものだったのですね。」


「シェルブーレはもともと天界の飛地、いわゆるエデンの園のような豊かなところだった。古くからブーレ湖には天界と繋がる門と神殿があり、妖精王は当時は天界の戦天使でブーレ神殿の担当者だった。だが数千年前にもシェルブーレを妬んだ堕天使の大群が押し寄せたことがあり、シェルブーレ国を守るために戦って翼を失ってしまった。その時それを助け妻となったのがシェルブーレの女神だった王女だ。」


「、、だから、シェルブーレの王女は百年ごとに妖精王と結婚していたのですか?」


「シェルブーレの歴代の女神は、全て最初に妖精王の妻になった女性の生まれ変わりだった。だからお前の母ユーリアは女神だったが妖精王の妻にはならなかっただろう?ユーリアには夫のバサラがいたから、天界はそんな阿漕な真似はしない。あの二人の愛は永遠だ。話は元に戻るが、天使は翼を失うとパワーが半減する。それで天界との門を閉ざし、シェルブーレは神国ではなく慈悲深い人間国として繁栄したが、その後ロマイエがシェルブーレを滅ぼした。」


「ケルビム様、さっきからお話を聞いていると堕天使ってなんか悪魔より酷くないですか。だって天界で生まれて神様のもとで光り輝いているのに、嫉妬だとか恨みつらみとか、天使様って天使でしょう?」


「まあそう言うな。神に近いところにいるものは光と慈悲の塊だし、人間の守護天使になっているものも、人間を良き道に導きたくてうずうずしている天使が多いので問題はないのだが、地獄担当の天使が、えてして引き摺られて堕天使になりやすい。」


「それって、麻薬の囮捜査で麻薬カルテルに潜り込んだ捜査官がはまってしまう、みたいな?」


「リリエル、それは百合香の時代の海外映画の受け売りではないか。まあそう言われればそうだが。地獄は誘惑の塊だから、担当になる天使は聡明で力量があるもの、つまり神の信頼が高いものが選ばれる。しかし慈悲深い天使でも地獄の担当をしていると、能力の高さから嫉妬や妬みや高慢の世界へ引き摺り込まれやすくなる。今回は天界きっての切れ者だったアジズという中位天使が堕ち、ついでに二十人もの部下を連れて行ってしまった。」


「そんなにたくさん?それって酷い裏切り行為ですよね。」


「堕ちたものは仕方がない。で、最初の話に戻るが、アジズはルシファーへの手土産に天使なみの光を持つ人間のお前を選んだ。」


「、、、、はぁぁ、、、なんだか、、嫌ですね、、、気分悪いです。」


「で、天界も指を咥えて眺めている気はないので、天使軍が三軍も遣わされた。」


「ではすぐに殲滅できるのですか。」


「そういうわけにもいかない。人間がいないところの戦いなら天使軍の方が圧倒的に強いが、人間を保護しながら戦うとなると天使の力は半減する。悪魔は人間を盾に取る、そうなると天使は攻撃できなくなる。」


「うーん、、あの、人間だけ結界って張れませんか?」


「、、、そうか、おまえならできる。」


「ではルベール様(王太子殿下)にお話ししに行きましょう。」


いつも読んでいただき、ありがとうございます。

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