親心
親心が泣けてくる歳。
レイとミルのご両親は、私と同じくらいの歳だけれど、とても落ち着いている。
今は、不安そうにしているけれど、普段は、とても愛想も良くて、しっかり者として評判。
「あの子たちが、ご迷惑をおかけして、申し訳ありません、、、」
お父さんが小さくなりながら、謝ってくる。
お母さんも、更に小さくなって、ひたすらに謝罪される。
「今度は、食堂でクッキーを売らせてもらいたいって言い始めたんです」
「子供の作った物が売れるはずないって言ったのに、私達の言うことは聞かないんです。ニーナさん達が褒めてくれたって騒いで、、、」
ご両親の困り具合が、伝わってくる。
「もう、僕達はニーナ食堂で働かせてもらうんだ!お父さん達には関係ない!って飛び出してしまったんです」
「もう、心配で心配で、、、」
お母さん、泣かないでー。
「あー、えーっと、責任の一端は私にあります。すみません」
ひとまず私も謝罪する。
「レイとミルが食堂を手伝ってくれると売り上げも上がりますし、私達もすごく助かっていたんです。それは本当です。それに、あのクッキーは絶対に売れると私は思います」
私の言葉に、ご両親は戸惑っている。
「しかし、子供の遊びでニーナさん達を煩わせる訳には、、、」
「あの子達は、一度も仕事中に遊んだことはありません」
そこは、きっぱりと断言する。
「確かにまだ子供ですが、あと5年で成人するから、その為に経験を積みたいと言っていました。きちんと将来のことを考えて行動出来ている立派な子供達じゃないですか」
なんだろ、涙ぐんできた。
「羨ましいですよ、あんな立派に子供を育てることが出来て。私なんて、まだ結婚もしてないですし」
アハハ、と自虐ネタも交えて涙を隠す。
ご両親は、笑ってないけど。
「こちらで働いてもらうことは、私として問題ありません。その代わり2人には、これまで以上に真剣に働いてもらいます。もちろん、相応の給料は払います。それをどうするかは、ご両親と子供達でしっかり話し合って決めて下さい」
戸惑いながらも、子供を褒められるのは嬉しいらしく、はにかんでいる様子が、なんだか微笑ましい。
ご両親を見送る際、ふとお父さんが振り返る。
「そう言えば、ガイさんと結婚してると聞きましたけど?」
え?
もはや、子供目線より、親目線。




