44/53
順風満帆
専属配達員、ガイ
ニーナ食堂を開店して、早4年が経った。
私も31才。
結婚しないのか、と時々、お客さんから聞かれたりするけれど。
私は、今の暮らしが気に入っている。
忙しく料理をして、食堂に来るお客さん達とのやり取り。
村のみんなと食べて笑って、楽しく暮らす。
美味しいご飯も食べられて、必要な物は、もう揃っている。
あの最低最悪だと思っていたガイは、今ではニーナ食堂専属の配達員をやってくれている。
それなりの代金も支払っているから、薬屋をやらなくても生活出来るだろうけど、合間には街で、ちゃんと薬屋もやってるらしい。
えらいなあ、と見直した。
「しかし、一方通行じゃなぁ」
村長さんは、変わらずふにゃふにゃ笑ってる。
街に、また行っても良いんじゃないか、と周りから言われることもあるけれど。
何だか、私には街は合わないと思った。
周りの冷たさが、トラウマなのだ。
休暇は、時々、取っている。
モル&ハルサには、いつでも食堂を任せられるから、気分が向いたら、海へ行ったり、プラプラと近くを散歩したり、空いている宿屋の部屋を借りて泊まったり。
砂浜で貝殻を拾って一日過ごすこともある。
こんな生活が、いつまでも続けばいいと思った。
でも、よく考えてみれば、無理な話なのだ。
この村のみんなは、お年寄りなのだから。
他の村人は、気付いています。




