薬屋
前向き筋肉。
目覚めると、そこはあのバカの薬屋だった。
最悪な目覚めだ。
出来ることなら、宿屋で目覚めたかったし、どうせなら、全て夢として、村で目覚めたかった。
「起きたか」
やっぱり登場。
少し私の顔色を伺ってるようだけど、許せないバカの顔。
ひとまず無視する。
「あのお金は、返す」
パッと振り返る私。
単純だな、私も。
「ちゃんとした説明をしなかったことは、謝る。宿屋の奴らからも、叱られた。同じような目に合ってる人の苦情も聞いたことがあるって。俺は知らなかったんだ。まさか俺の説明が足りていなかったなんて。昨日も、きちんと説明したつもりだったし、ちゃんと伝わってると思っていたから」
「あんたが説明してたのは、薬湯のことでしょ。私の治療だなんて、一言も言ってないわよ」
すかさず、口を挟む。
項垂れるムキムキを見ると、少しスッキリする。
「でも、お金を返してくれるならいいわ。とにかく、もう出来るだけ早く村には帰るから、早く返してくれる?」
「俺も行く」
幻聴が聞こえる。
「俺も行って、お前の家族に謝る」
「俺がいれば、途中で病気にもならないし、美味しい薬湯も飲める。最高だろ?」
「馬車も用意してある。旅費も、俺が持つ。こんな優しい人間は、この国を探しても俺だけだな」
これは、幻聴として処理しよう。
全てまるっと無視して、早く、と手を出す。
ムキムキバカは、私の手を握ってくる。
「そうか、やっぱり慣れない旅は1人じゃ不安だったか。俺に任せろ。よろしくな!」
うぜぇぇぇぇぇーーーー!!!
殴りたくなるキャラ、それがガイ。




