ムキムキ改め
実はいいやつ、というギャップが好きです。
俺はガイ。
腕の良い薬屋だ。
俺は、職業柄、具合の悪い奴は直ぐに分かる。
特に最近は、旅行の携帯食糧として質の悪い薬湯が流行っていて、それを長く飲んでると顔色が、段々と灰色っぽくなってくる。
それを中和する薬湯もあるが、それを知らないで具合を悪くする奴も多い。
大抵は、旅の初心者だ。
今日も、街のパトロールをしていると、顔色の悪い奴を発見した。
髪が黒い奴は、生まれて初めて見た。
神の色とされる黒は、この世界には生まれないって聞いたけどな。
めちゃくちゃ目立ってるな、あいつ。
それは良いとして、串焼き屋にぼったくられてる。
あのピンク頭は旅行慣れしてない相手には、必ずぼったくるんだ。
間に入って値下げしてやったが、黒髪は元気が無い。
やはり、具合悪いな、しかも、かなり重度か。
1人じゃ嫌だろうから俺も串焼きを買って、そいつが串焼きを食べ終わるのを待って、俺の薬屋に連れてってやる。
中和する薬湯を飲ませるが、なかなか改善しない。
顔色は良くなって来てるのに、冷や汗や脂汗が滲んでるし、何より挙動不審だ。
涙も出てる。
まさか、流行病にでもかかったか?
俺は、とっておきの薬を探しに奥の部屋へ行った。
これは、万病に効果のある薬湯で、この街では、俺の店にしかない。
貴重だが、人の命には換えられない。
そう決意して、あいつのところへ戻ると、姿が消えて、小銀貨1枚が残されていた。
まさか、更に悪化して、錯乱して財布の中身を散らばせながら店から飛び出したのか?!
なんてこった!俺は、間に合わなかったのか!
顔は怖いけど、いい人って、倍くらい良く見えますよね。私だけかな。




