薬湯
どうなりますやら。
「おいしいです、、、」
今の私の状況を説明する言葉は、持ち合わせていない。
私は、とりあえず、ムキムキアニキのお店で、薬湯を飲んでます。
なぜ?
それは、私が聞きたい。
いつの間にか、私はこの店にいて、いつの間にか、薬湯を飲まされていたのだから。
NOと言えない日本人。
「美味いか」
ムキムキアニキは、何故かご満悦。
あれこれと、薬湯の説明と、試飲をさせてくれてる。
ギャップ?萌え?とかしないから。
顔面凶器が凄すぎて、ギャップまで至らないわ。
「えーっと、体はもう大丈夫ですので、私はこのあたりで、、、」
アニキの眼光が鋭くなる。
「あ”?まだ説明終わってねーだろがよ」
「ーーーっですよねー!」
無駄に笑顔で返答してしまう自分が情けない。
もう涙が出ちゃうよ、女の子だもん。
「なんだ、お前、泣いてんのか」
アニキ、すぐ言うー!
「目が痛くなっちゃって、宿屋で寝れば治ると思うので、ちょっとここらで、、、」
「待ってろ」
アニキは、奥の部屋に何かを取りに行った。
これはチャンス!
アニキに聞こえない位の小声で
「失礼しましたー」
一応、薬湯のお代として、小銀貨1枚を置いていく。
かなり薬湯飲ませてもらったから、お腹がたぷたぷ。
そっとお店から出て、一目散に宿屋へ向かって走る。
重くなったお腹が辛いけど、捕まる訳にはいかない。
必死に走って走って、走って。
ようやく宿屋に着いた時には、ヨロヨロになっていた。
すっかり辺りは薄暗くなっていて。
もう食欲も無いから、休ませてもらう。
「あー、散々な1日だったー」
ため息しか出ない。
それもこれも、あのムキムキのせいだ。
明日こそは、美味しいものをたらふく食べて、いろんな物を見て回ろう。
村に持ち帰りたい物も、たくさんあるだろう。
そう考えながら、眠りについた。
しばらく、この休暇は続きます。




