アニキ
恋愛には、ならないと思うのですが、分かりません。
串焼きを、近くのベンチに腰掛けながら食べる。
が、なぜか、、、隣にムキムキアニキ。
食いずれぇーーー!
「あのぅ、、、、なにか?」
「あ”ぁ?」
ひぃっこわーーっ
「ナンデモゴザイマセン」
下を向いて、とにかく出来るだけ早く肉を咀嚼して飲み込む。
味なんて、もう分からない。
「うめーな」
え?どこからか、声が聞こえた。
あれ、幻聴かな?
現状にパニックになり過ぎて、幻聴かな?
「おい、きーてんのか」
「あれ?また、なんか聞こえたような?」
辺りを見渡すが、特に話しかけて来る人はいない。
「シカトしてんじゃねえぞ、こら」
後頭部に衝撃が走る。
冷や汗が、ダラダラ流れる。
やべー、これ、隣のアニキからの衝撃じゃない?
もしかして、私に話しかけてたのって、このアニキ?
そして、幻聴と思って無視した結果、怒らせた?
え、死?
脂汗まで出てくる。
「おい?お前、大丈夫か?」
心配してくれてるのか、下から顔を覗いてくる。
その顔面凶器なり。
眼力だけで、小動物なら死にます。
「でぃ、だ、大丈夫っす」
噛んだのか、ヤンキーっぽくしたかったのか、自分でも分からない。
ふぅん、と一応納得したのか、引いてくれた。
私は、どうにか串焼きを飲み込んで、急いでその場を離れようとしたが、なんと、アニキは私より先に食べ終わっていた。
食べ終わったのに、隣に座ったまま、私をジロジロ見てる。
「、、、さーって、と買い物行かなきゃなぁー」
精一杯のさり気なさを装って立ち上がる。
膝が震えている。
「あんた、具合悪いんじゃねーの?」
アニキは、案外細かい所に気がつく。
喧嘩に勝つには、そういうところも大事なのかもしれない。
いや、このお方なら、喧嘩じゃなくて、命のやり取りと言うべきか。
「イエ、オキヅカイナク、ソレデハ」
ギギ、と頭をどうにか動かして挨拶をする。
「待ちな」
掴まれたー!しかも、頭を掴まれた!
えっ?これ、死ぬ?私、ただの休暇に来ただけなのに、死ぬの?
助けてーーー!!モル!ハルサ!そんちょーーーーっ!!!!
その場の流れで、勝手に話が進んでゆくのです。




