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皇宮呪師は護りたい!⑪聖皇国列伝秘聞~盤上《たびじ》で踏割《おど》る薄氷の檻枷《えにし》~  作者: norito&mikoto
第8章 創作ランチと報告会

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第7話・騎士団長からの尋問~表層を報告し~

第8章 創作ランチと報告会



       第7話・騎士団長からの尋問~表層を報告し~



 給仕係が注文した飲み物をそれぞれの前に置き、一礼して個室を出て行く。



「……それで? お話とは……?」



 折角運ばれてきたお茶に手を付けることもなく、インスが一切笑っていない微笑を浮かべて口を開いた。



「とぼけるな! 今朝がたの朝帰りの件。報告を受けていないぞ?」


「……ステールさん?」


「……インス(おまえ)から聞いてくれと言ってある」



 声を潜め気味にして、けれども表情を険しくしたファンの尋問に、インスはちらりとステールを見る。


 視線を受けたステールは、ファンに答えたことをそのままインスに伝えた。



(……面倒な……。いえ……全部を話されていても困りますか……)



 微かに眉を顰めたインスは、けれどすぐにそう判断し、そっと息を吐く。



「……まず、昨夜の外出は人に呼び出された結果です……少し、調査をお願いした方からお話を伺う予定でした」


「調査だと……?」


「……一言で言えば、薬剤に関することですね……警備隊の方からも伺ったのですが、どうやら違法な薬が出回っているらしく、行商の方からお話を伺うはずでした」



 淡々と語り始めたインスに、ファンはますます眉を顰める。


 聞くうちに、難しい顔で腕を組んだ。



「……今のこの状況で、そのようなことに関わっていたのか……」


「……私も被害を受けたからに決まっているでしょう……?」



 お前も余計なことに首を突っ込んでいるではないか? とでも言いたそうなファンに対し、インスは何を言っているのかとばかりに肩を竦めた。



「…………は?」



 目を丸くしたファンが、唖然としてインスを見つめる。



「……ブルンに到着した初日、街の方に絡まれて、妙な薬を飲まされました……私には効き目のない薬でしたが、女性には危険な薬です……」


「な……っ!?」


「は? お前、アレが何の薬だかわかってたのか?」



 軽く顔を顰めたインスの説明に、ファンはギョッとし、ステールも思わず口を挟む。



「……当然でしょう……? ただ、流石に……自分には影響のない薬でしたから、即座には判断できませんでしたが……」



 嫌そうな表情を隠しもしないインスの様子に、ファンもステールも絶句する。



「……女性には危険だと、そう言ったな……?」


「そうですね……? ですから、調査が必要だと判断しました……それと、この薬の存在を皇女殿下(あのかた)に聞かせるわけにもいかない、と……」



 ごくりと喉を鳴らし、緊張感を高めたファンにインスはあっさりと頷く。



 そう言われてしまえば、自分は殆どジャンヌの傍にいて、インスから話を聞く暇など今の今まで作らなかったことにも思い至る。


 しかし、同時にふと気づく。


 インスは話を聞く予定であった、としか言っていない。



「……もしや、話を聞けなかったのか……?」



 そうとしか思えない言葉選びに追求すれば、軽く肩を竦めたインスが話を続ける。



「……待ち合わせの場所でちょっとしたトラブルに巻き込まれまして……残念ながら、お話を聞くことはできませんでした……」



 トラブルがあった、という報告に、ファンがまた眉間の皺を増やす。



「……女性に対して危険な薬と、トラブルか……」


「薬の方は、まあ、経口摂取さえしなければ問題ないでしょう……昨夜のトラブルに関して言えば、現場に居た犯人は警備隊に連行されています」


「……なるほど……」



 ムっ……と、口をへの字にしたファンが呟くように言えば、インスは注意すべき点と、昨夜の結末を簡単に伝える。



「……それで? 先ほど言っていた、皇都の下町で毒見もせずに召し上がっていた件は、どう責任を取るつもりだ……?」


「……は……?」



 睨むようにインスを見据えて問い詰めるファンに、インスは軽く目を見開く。



 いきなり何の話だろうかと内心で首を傾げた。



「とぼけるな!! 貴様! ひ……お嬢様がどこの誰とも知らぬ者から、何が使われているかもしれない代物を直接手渡しで受け取って召し上がっていたと言っていたではないか!!」



 ガン! とテーブルに拳を叩きつけたファンが怒鳴る。


 大きな音がして、部屋の外で驚いたような声が上がった。



「……お静かに願えますか……?」



 眉を顰めたインスが咎めれば、ファンは舌打ちしてむっつりと黙り込む。



「……あの、お客様……何かございましたでしょうか……? 少々お声が……」



 軽く扉がノックされ、従業員が外から声をかけてきた。



「申し訳ありません。お騒がせしました……大丈夫ですので、皆様にも謝罪を……」



 インスが一旦立ち上がり、扉を開いて従業員に答える。


 軽く周囲の客にも会釈して、騒いだことを謝った。



 無言のまま、周囲の客らも会釈を返し、インスはそっと従業員の手に何かを握らせる。



「……かしこまりました……」



 ほんの僅かに目を見開いた従業員は一礼すると下がって行った。


第7話をお読みいただきありがとうございます。


今回は、ファンからの尋問と、インスによる昨夜の出来事の報告会!


違法な薬の話や、昨夜巻き込まれたトラブルについて説明していたはずなのですが……(;^ω^)


どういうわけか話題は別の方向へ転がり、気づけばファンの怒りが再燃することにWW


そして最後には、やっぱり周囲への謝罪と後始末をするインス。


こういうところでも、何だかんだ一番冷静なのかもしれませんねWW


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「断片を組み合わせてそれらしく報告WW」「むしろファンの関心は皇都でのことWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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