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皇宮呪師は護りたい!⑪聖皇国列伝秘聞~盤上《たびじ》で踏割《おど》る薄氷の檻枷《えにし》~  作者: norito&mikoto
第8章 創作ランチと報告会

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第5話・護衛官の職務規定~優先順位と許容する~

第8章 創作ランチと報告会



       第5話・護衛官の職務規定~優先順位と許容する~



 護衛官とは、呪師の護衛を兼ねた監視役。



 人間では唯一魔法の使い方を知っている呪師を守ると同時に、その魔法を悪用したり、管理下から逃亡しようとしたり……何らかの理由で暴走した際には、処分することすら許されている、騎兵の最高峰の実力者。



 クロードとステールは護衛官だ。



 一応、クロードはジャンヌの専属護衛騎士団にも籍は置いているが、任務の優先順位は護衛官として、となっている。



 今回、この討伐隊には呪師が二人。


 クロードはアインの、ステールはインスの護衛官としての同行。


 その上で、クロードはジャンヌの専属護衛騎士団の一員として、ステールは御者を兼ねた案内役としても協力している、という形。



 つまり……



「……お忘れかもしれませんが、お二人は私とアイン君の護衛が優先されます……」


「……何を言って……っ!?」



 ジトっとした視線を向けたインスが口を開けば、不機嫌そうに眉間に皺を寄せたファンは言いかけてハッと言葉を切る。



 どうやら、漸く気が付いたようだ。



 護衛官としての任務は皇族の護衛より優先される、ということに……



(冗談ではありません。アイン君も私も、万全とは言えない体調ですよ? それなのに、護衛官を二人とも連れだす? 無理に決まっているでしょう……!?)



 どちらか片方であるのなら、まだ何とか出来る。


 自分(インス)もアインも、部屋に閉じ籠って出なければ、ステールかクロード、どちらかが残ることで護衛と監視が成立している、とみなすことができるからだ。



「…………お分かりいただけましたか………?」



 グッと顔を顰めたファンを冷ややかに見つめて言い放てば、ファンはますます苦虫を潰したような顔でインスを睨みつけた。



(ですから、連れ出すならどちらか片方にしてください。私もアイン君も、こんな寒空の下を歩き回るつもりはありません!!)



 心の中で脳筋すぎる騎士団長を罵倒する。


 ファンからしても、インスやアインが付いてきたところで邪魔になるだけだろう。


 だから、それが正解なのだ。



 だというのに……



「………………致し方ない……貴様らも来い」


「はい?」


「……ぇ……?」



 唸るように声を絞り出したファンのその結論に、流石にインスもアインも驚いて目を丸くする。



(……は……? 何を、言っているのですか――!?)



 たった今、二人ともを連れ出すことはできないと、示したばかりだというのに。


 護衛に二人を連れ出すためだけに、護衛対象を増やす?



(……馬鹿なのですか……? それとも、本当に理解なさっていらっしゃらない……?)



 呆れ果てて声も出ないインスが絶句する中で。



「……おいおい。マジかよ……?」


「みんなで散策になるの? 楽しそうね!」



 若干顔を引きつらせたリオンは分かっているのだろう、それがどれだけ愚かな決断なのか。


 ただ一人楽しそうなのはジャンヌだけだ。



 来い、と言い出したファン自身も、来い、と言われたインスとアインも。


 そして、護衛しなければいけない対象が一気に三倍になったステールとクロードも。


 全員が全員、何とも言えない表情で押し黙る。



「あら? そう考えると、みんなで散策に行くのは正解ね!」



 楽しそうなジャンヌが何を考えたのか分からない。


 分からないが、間違いなく『正解』ではない。



 ……このままここで顔を突き合わせていたらまずい気がしてきた……


 感情を抑えきれずに爆発させてしまったら、どんな惨事が起きるかわからない。



「……とりあえず、いったん部屋に戻っても……?」


「そうね! 一時間後にレセプションの前に集合ね!」



 そっと溜め息を吐いて怒りを逃がしたインスは、何とか表情を取り繕う。


 穏やかに微笑んで告げれば、決定とばかりに、ジャンヌに集合時間と場所を指定される。



 もう一度、こっそりと息を吐いて、インスは戸惑った様子で周囲の顔色を窺うアインを抱いて立ち上がった。



「……では、お嬢様も一旦お部屋にお戻りください。……リオン、同行しろ」


「は? オレも……?」


「……そうだ……」



 同じく、席を立ったファンがジャンヌを促し、リオンに声をかける。


 なんでわざわざ……と眉を顰めるリオンに詳しい説明をすることなく、ファンはジャンヌをエスコートして歩き出す。



「ちょ……! 説明ぐらいしろよ!!」



 文句をつけつつも、慌てて立ち上がったリオンが後に続く。



(……これは……来(・)ま(・)す(・)かね……?)



 その様子を見送って、インスはまた、そっと溜め息を吐いた。

第5話をお読みいただきありがとうございます。


今回は、護衛官という役職の任務と、その優先順位についてのお話です(;^ω^)


本来であれば、誰を優先して守るべきなのかは明確なはずなのですが……


なぜか話し合いの結果、護衛する側も、護衛される側も、全員まとめて散策へ行くことになりましたWW


果たしてこれは、本当に正しい判断なのか!?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「脳筋騎士団長のパワープレイWW」「本気で嫌がっているインスWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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