↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇宮呪師は護りたい!⑪聖皇国列伝秘聞~盤上《たびじ》で踏割《おど》る薄氷の檻枷《えにし》~  作者: norito&mikoto
第8章 創作ランチと報告会

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/78

第4話・用事を終えて相談し~留まることなき好奇心~

第8章 創作ランチと報告会



       第4話・用事を終えて相談し~留まることなき好奇心~



 食事の締めとなるデザートは冬の赤く甘い木の実であるシェーヴォをコンポートにし、それを凍らせて、薄く、細かく削りだした淡雪氷菓子(ソルヴェッティ)。



 濃厚な味付けの料理はしっかりと食べた満足感を与え、するりと溶けて消える氷菓子は、食後の口内をさっぱりとさせてくれる。



(よし、インスもアインも、提供された分はちゃんと食べきったな……! 思ったよりも食えてたようでよかった……)



 小食気味のインスも、まだ幼いアインもしっかりと完食しているのを見て、ステールが密かに満足げな頷きを繰り返す。



「……ああ、そうでした……」



 そんなステールの様子に内心眉を顰めながら、インスが口を開く。



 食後の香茶は、消化を助け、胃もたれを和らげる爽やかな香草が使われている。


 ……いくら薬で修復したからと言って、即座に正常化するわけではないので、薬効のある野草を使ったお茶の摂取は重要だ。



 しかし……



(……どうして私が口を開いただけでそこまで警戒なさるのでしょうかね……)



 途端に、ファンとリオンが強張るのを感じて、困ったように微笑んで見せる。


 実際のところ不満しかないが、まあ、それを表に出したところで意味はない。



「何? 何かあったの?」


「……いえ。ただ単に、私の方の予定はとりあえず終わりましたので、今後はどうなさるおつもりなのかを確認しようと思っただけです」



 気にもせずに先を促したのはジャンヌ。


 それに対して、ファンやリオンの警戒を嘲笑うかのようにインスはあっさりと告げる。



 そうして、ミルクティーの入ったカップを傾けるジャンヌを見た。



(……一体どこまで、首を突っ込むおつもりなのでしょうかね? そして、このまま皇都に引き返して下さるのかどうか……)



 皆が皆、インスと同じようなことを考えながらも、黙ってジャンヌの返事を待つ。



「う~ん。……セージとリリー(あのふたり)のことは気になるけど、障害が無くなったのなら、きっと大丈夫よね? なら、わたしたちはわたしたちの目的を果たさなくちゃね!」



 カップを置き、ふんす、と気合を入れるジャンヌの様子に絶句。



(……これだけ、申し上げているのに、まだ、西に進むおつもりですか……??)


(……やはり、姫様を諦めさせるのは至難の業か……しかし、陛下からの密命が……)


(おいおい……まだ西に進むつもりかよ……この先って、どうなってるんだ……??)



 インスが、ファンが、リオンが……そしてクロードやステール、アインも……絶望的なまでに前向きすぎるジャンヌの返答に無言で頭を抱えた。



「じゃあ! 午後は散策に行きましょう! 早ければ明日には出発になっちゃうから、その前に少しくらいは散策したいわ!」



 そうかと思えば、トンと、両掌をテーブルにつけて、身を乗り出したジャンヌがキラキラした笑顔で言い出す。



「なっ!?」


「えっ!?」


「……は……?」



 ファンとリオンが目を見張って絶句し、流石にインスも微かに目を丸くする。


 ステールは顔が引きつるのを必死に堪え、クロードは無言。


 アインは声もなく大きな瞳を見開いて口をポカンと開けた。



 確かに、予想はしていた。


 予想はしていたが、まさか本当に言い出すとは……



 ファンが一瞬の絶句から、すぐにダメだと言い出すが、ジャンヌは全く納得する様子がない。



 言い合う二人の様子に、インスたちはファンが押し切られるであろうことを確信する。



(……同じタイミングで、食事にしなければよかったですね……)



 ジャンヌたちが食事を終わらせる頃に、入れ替わりで食事をするようにしておけば、確実に外出を阻止できただろう。



 食堂の前で顔を合わせた時に個室を手配した判断をインスは悔いる。


 内心で溜め息を漏らすインスは冷めた目で決着がつくのを一応待った。



「……分かりました……」



 押し問答の末、致し方なく、本当に仕方なく、苦渋の思いで頷く……といった様子のファンを、インスは冷ややかに見つめる。



(……『分かりました。』ではないでしょう……)



 楽し気に段取りを語るジャンヌと、渋面でジャンヌを見るファンに呆れるしかない。



 しかし……



「……クロード、ステール……お前たちにも同行してもらう……」


「「……え……?」」



 重い重い溜め息を吐いたファンのその言葉に、インスとステールが軽く目を見開いた。



(……は……? 何を言い出すのですか? この脳筋騎士団長様は……!?)



 まさか、忘れているのか? と唖然とするインスがファンを凝視する。



「……………………」



 クロードも無言のまま、極僅かに驚きを見せ、アインも、大きな瞳を更に大きく見開いていた。


 神殿護衛官と見習い呪師であるこの二人にも、当然理解できている。



「え? ……それって……?」


「……? 何だ?」



 そしてもう一人。


 どうやら、リオンも理解しているらしく、ぼそっと呟けば、それを聞きとがめたファンが眉を顰めて不機嫌そうに睨む。



 リオンが困惑気味に口籠るが、明確には答えず、視線だけがクロードとステールを行ったり来たりしている。



「……その、俺……私とクロードも、ですか……?」



 だから、念のため、一応念のためと、戸惑いながらステールが確認の言葉を口にした。



「当然だろう。お嬢様に万一があっては困る。ここは皇都ではないのだ。護衛の人数は多い方がよい」



 それに対して、さも当然そうにファンはそう答える。



 だが、ちょっと待ってほしい。



「……インスとアインも……?」


「? なぜ?」



 自分とステールも同行しなければいけないのなら、とクロードが聞けば、今度はファンは意味が分からないと言いたげ。



 そして、その返答で、ジャンヌとファンを除く全員が察してしまう。



 どうやら、ファンは本当にわかっていないようだ、ということに。

第4話をお読みいただきありがとうございます。


今回は、創作ランチの締めと、今後の予定についてのお話です(;^ω^)


食事も無事に終わり、そろそろ落ち着いて次の予定を……と思いきや、ジャンヌの好奇心はまだまだ止まらないようですWW


そして、散策の話からなぜか少しずつ噛み合わなくなっていく一同。


どうやら、誰かが大事なことを忘れているようですが……?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「インスが口を開く=ファンとリオンが緊張WW」「ジャンヌが口を開く=話が一気に飛躍するWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。