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皇宮呪師は護りたい!⑪聖皇国列伝秘聞~盤上《たびじ》で踏割《おど》る薄氷の檻枷《えにし》~  作者: norito&mikoto
第7章 暴走皇女の我儘を

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第7話・見かけた背中に意識を巡らせ~すれ違いは埋まらない~

第7章 暴走皇女の我儘を



    第7話・見かけた背中に意識を巡らせ~すれ違いは埋まらない~



 クロードが部屋に戻って来たのでアインを任せ、インスとステールは宿の従業員から来(・)客(・)を知らされて移動する。


 リオンは余程疲れていたのか、部屋に戻った直後にベッドに潜り込んで以来、起きる様子はない。



「……大丈夫ですよ。少し、お話をしてくるだけです……」


「……はい……」



 心配したのか、アインがインスの服の裾を掴むので、インスはふわりと微笑んで告げる。


 不安そうな顔をしながらも、素直に頷いたアインの手をそっと離させたインスは、チラリとクロードに視線を向けた。



「……………」



 無言のまま、クロードは片手でアインを抱き上げ、頷く。



「……すぐに戻ります……お願いしますね……?」


「……ん……」


「……インス様、ステール様……いってらっしゃい……」


「はい、行ってきます」


「おう」



 口に出して伝えれば、クロードは短く頷き、アインが見送る。


 インスとステールはそれぞれに返事をして部屋を出た。



「「………………」」



 部屋を出て、扉を閉めたところで二人揃ってそっと息を吐く。


 それから、宿の従業員に伝えられた部屋へと向かった。



 移動の途中、ふと、窓から外を見ると、門の所へ向かうセージの姿が見えた。



(……セージさんは今からお仕事でしょうか……? あのお二人がまた呼び出したりなどされなければいいですが……)



 伝えるだけは伝えたが、ジャンヌが我慢しきれずに突撃したり、呼び出そうとする可能性は否定できない。


 せめて、大人しく茶室(ラウンジ)の窓際から眺めるだけで済ませてくれればいいが……



(……念のため、宿の方に呼び出しに応じなくてもよい、とお伝えしておくべきでしょうか……?)



 そっと溜め息を漏らしたインスの様子に首を傾げて、ステールもその視線の先を追う。



「……あ~~……」



 視線の先にセージの姿を見つけて、ステールも何とも言えない声を漏らした。



「……流石に、大丈夫じゃないか……?」


「…………何を根拠に仰っているのですか……?」


「……………………」



 インスが何を心配しているのかがよくわかって、一応、とばかりにステールは宥める。


 が、反論してきたインスの言葉を否定する術を思いつかなかった。



 再びインスの唇から憂うような息が零れる。



「……やはり、宿の方にお伝えしておきましょう……」


「……だな……」



 不安に思うくらいなら、できる手は事前に打った方がよい。


 呟くようなインスの言葉にステールもちょっと遠い目をして頷く。



 指定された場所に着くと、宿の主人が待っていた。


 軽く挨拶を交わし、ジャンヌたちが従業員を、その職務に関係のない用件、あるいは、理由の分からない用件で呼び出すようなことがあっても、今後一切応じる必要はない、と伝えておく。



「……しかし……」


「何かあれば、私からお伝えします。ですから、声をかけられた際には、私に確認するように言われている、とお答えください」



 そうは言われても、明らかに高位貴族と分かっている二人からの呼び出しを断るのは容易ではない。


 渋る様子を見せる主人に、当然、インスもそれを理解しているので、責任はすべて自分が取るからと、重ねて伝える。



「……っ!? ……しかし、それではあなたが……」


「大丈夫ですよ。慣れていますので……」



 それでは、インスが不当に責められるのではないか? と案じるように言葉を詰まらせた主人に、インスは何でもない様子でふわりと微笑む。



「………っ………!!??」



 ますます驚いたように目を見開き、息を飲んだ主人は、なぜか目元を若干潤ませて深々と頭を下げた。



「……かしこまりました……では、こちらへ……」



 漸く承諾した主人は、改めて二人をさらに奥の、別の場所へと案内するように歩き出す。



((……なぜ、涙目……??))



 案内するために背を向けた主人がそっと目元を拭うような仕草を見せるのを、インスもステールも内心で首を傾げながら、その後に続いて歩きだす。



 まさか、主人の中で、インスが常々、ジャンヌたちに不当に責められている、という誤解が確定したとは思いもせずに……



 いや、ある意味、誤解ではなく、確かに不当な扱いを受けているともいえるのだが……



 宿の主人に案内されるがまま、宿泊客が訪れることのない、宿側の来客との商談などに使われる裏手の部屋でインスたちは警備隊との面会を行うことになった。

第7話をお読みいただきありがとうございます。


アインをクロードに託し、警備隊との面会へ向かうインスとステール。


仕事に向かうセージの姿を見かけ、ジャンヌたちの余計なちょっかいを危惧したインスは、宿の主人へ先回りして釘を刺します。


理不尽な呼び出しには応じる必要はない、自分が全責任を取ると告げるインスですが、その言葉を聞いた主人は胸を打たれて涙目に……?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「単なる手回しWW」「更に深まる誤解WWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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