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皇宮呪師は護りたい!⑪聖皇国列伝秘聞~盤上《たびじ》で踏割《おど》る薄氷の檻枷《えにし》~  作者: norito&mikoto
第7章 暴走皇女の我儘を

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第4話・今後の予定を確認し~日頃と変わらぬ爆弾を~

第7章 暴走皇女の我儘を



      第4話・今後の予定を確認し~日頃と変わらぬ爆弾を~



 不承不承ではあってもジャンヌが了承したことで、セージに対して突撃することだけは阻止できた。



 しかし……



「申し訳ありませんが、このあと少し、人と会う予定がありますので、すぐに出発は無理です」


「……何……?」



 では出発はいつにするか? という話になったところでインスが予定を伝え、ファンが思いっきり眉間に皺を寄せる。



「それは大丈夫! セージたちの様子を確認する時間も必要だしね!! 早くても明日か、あともう数日は先になるから!」



 が、それに関してファンが何かを言うより先に、何としてもセージたちの情報が欲しいらしいジャンヌが満面の笑顔で言い出す。



「「「「「「……………………」」」」」」



 とりあえず、突撃だけはしないように気を付けるしかなさそうだ、ということはよくわかった。



 あれだけ、これ以上首を突っ込むな、と言っているのに、遠目からでもなんらか確認するまで数日は粘るつもりらしい。



 しかも……



「じゃあ、今日くらい、ちょっと街の散策がしたいわ!」



 それなら……と、ぽんと胸の前で両手を合わせたジャンヌが勢い込んで言い出す。



「「「「「…………………」」」」」



 そんな気はしていたが、予想にたがわぬ反応に沈黙する一同とは違い、立場上、返事をしないわけにはいかないファンが眉間を揉む。



 一応口先では止めているが、止めきるつもりはなさそうだというのがよく分かるやり取りに、インスはスッと目を細めた。



「……そうやって、甘やかすから、一切お変わりになられないのでは……?」


「……黙れ……」



 冷ややかな笑顔で言ってやれば、極寒の睨みが返ってくる。



 けれどインスからすれば、何だかんだジャンヌの我儘を許しているのは周囲なのだ。


 どれだけ睨みつけられようと、自分に落ち度は感じない。



(……そう。皇都でお忍びの手伝いを命じられて手伝っていたことも、そもそも、皇孫皇女であらせられるというのにお(・)忍(・)び(・)などということが許されていたことも、すべて周(・)囲(・)が(・)許していただけです……)



 だからこちらが責められる謂れなど一切ないと言い切れた。



「ところで、インスとステールは昨日、どこに行っていたの?」


「……少々、調べたいことがありまして……旅(・)の(・)方(・)にご協力いただいたものですから、お話を伺いに……」



 二人のやり取りを一切気にしないジャンヌが、ふと思いついた様子で問いかけてくるのに、インスはほんの僅か、半拍分ほど置いて何でもない風に答える。



 ヒュッとほんの一瞬ステールが息を飲んだが、気にしない。


 どうせジャンヌは気づかないし、リオンも気づかなかったようなのでどうでもいい。



(……流石に、騎士団長を務めているだけはあって、フロークス爵子は気づいたようですね……まあ、だからと言って、ここで指摘して妙な興味を引くことは避けたいでしょう……)



 ファンの表情の微かな変化からそれを察するが、インスからは何も言わない。


 ただ、当たり障りなく返すだけ。



 ファンとしても、ジャンヌのいらぬ好奇心を刺激して暴走されては堪ったものではないのだろう。


 あえてこの場で聞くことは避けたようだった。



 代わりに、どこかのタイミングで聞かれる可能性は高いが、それはその時に考えればいい。



(……多少誤魔化したところで、どうせ気にもしません……フロークス爵子(このかた)が気にしておられるのは、皇女殿下のことだけでしょうからね……)



 その、気にかけている皇女のこと、の視点が大幅にずれていることには一体いつ気が付くのか……わざわざ指摘する義理もないので言及しないが、これでよく騎士団長が務まっているものだな、とふと思う。



(……身分だけでは騎士団長になどなれないはず……確か、武術的な実力はもとより、統率能力や作戦立案といった知的な能力、果ては人間性なども審査対象だったはず……皇女殿下が絡むとポンコツになるのか、それとも何か、考えでもあるのでしょうか……?)



 騎士団長の選出基準、というより、騎士団の昇格基準を思い起こして、インスは内心で首を傾げる。



 もし、ファンがすべて計算づくでジャンヌの我儘を許しているのだとしたら、一体どんな理由があってのことなのか……



(……私とでは、価値観が違い過ぎるせいでしょうかね……あまり、想像が付きません……)



 それでも、もしかして、と思う理由はあるが……



(……もし、そうなのだとしたら……)



 しかし、その考えがもし正解なのだとしたら、この先が不安などというものではない。



 できれば予想が外れてくれていればいいけれど……と考えながらもジャンヌをあしらっていれば、やっぱり今日は散策に行きたいと言い出す。



 どこまでファンが押しとどめられるかは分からないが、少なくとも一人でふらりと出かけさせることはないだろう。



「では、失礼しますね」



 言い合いを続ける二人に、一応一声かけて、インスはアインの手を引いて部屋を出た。

第4話をお読みいただきありがとうございます。


突撃を阻止した安堵も束の間、今度は街の散策を希望し始めるジャンヌ。


相変わらず甘やかし続けるファンに冷ややかな視線を向けつつ、昨夜の外出について尋ねられたインスは、当たり障りのない返答でその場をやり過ごします。


ジャンヌの暴走を許すファンの不可解な意図にインスが疑問を抱く中、言い合いを続ける二人を残して静かに部屋を後にし……?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「ジャンヌは我儘の自覚なしWW」「ファンは甘やかしている自覚ありWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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