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皇宮呪師は護りたい!⑪聖皇国列伝秘聞~盤上《たびじ》で踏割《おど》る薄氷の檻枷《えにし》~  作者: norito&mikoto
第7章 暴走皇女の我儘を

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第1話・口裏合わせと真実の~覚悟を決めて訪問す~

第7章 暴走皇女の我儘を



       第1話・口裏合わせと真実の~覚悟を決めて訪問す~



 朝食を終えて、いったん部屋に戻り、少し休憩を取る。



「……流石に、そろそろ伺わないとまずいですかね……」



 そっと溜め息を吐いたインスは無意識にか胃の辺りを押さえていて、まだあまり体調が良いとは言えない様子。



「……お前は大丈夫なのか……?」



 ギュッと顔を顰めてステールが確認すれば、クロードとアインも心配そうにインスを見た。



「……少しのお茶くらいなら口にできそうですよ……」



 軽く肩を竦めたインスが苦笑して言えば、ステールはますます渋い顔をして、むっつりと黙り込む。



「……ジャンヌには、言わない……?」


「そうですね……下手にお伝えして、妙な正義感を出して暴走されても困ります……」



 クロードが一応とばかりに確認すれば、インスは真剣な顔になって頷く。



 その返答にクロードの表情は動いたようには見えない。


 だが実際には、ほんの僅か、気のせいかとも思えるほど微かに、一瞬だけ眉を顰めていた。



 ジャンヌが正義感で暴走するようなことがあったのだと確信する。



「できれば、リオンさんにも黙っておいてください……知らなければうっかり口を滑らせることもないでしょう……」


「ファン卿には報告しろよ」



 クロードが気付いたことに気づかないまま、視線を合わせたインスが重ねて言えば、ステールは流石にこれだけは、とばかりに口を挟んだ。



「……………………もし、お聞きになって来られたら、考えましょう」


「お前なぁ……」



 途端にスンとしたインスが視線を逸らす。


 感情を消した、淡々とした声でしぶしぶ告げれば、呆れ返った様子でステールは脱力した。



「……結局、何があった……?」



 クロードの檸檬色の瞳が真っ直ぐにインスを、そしてステールを見る。



「「…………………」」



 聞かれた途端にインスもステールも口を噤み、アインはますます心配そうに二人を見比べた。



 そのアインも、実際のところ何があったのかは知らない。


 ただ、怪我をしたようだ、ということは分かっているので、余程の事が起きたのだろう、と予測していた。



 同じように、早朝宿に戻って来た時の二人の様子から、大体の事情はクロードも察している。


 血の匂いこそさせてはいなかったが、二人とも殺気立っていて、間違いなく襲撃を受けた直後。


 特に、インスは顔色も悪く、足元も覚束ない様子で一緒に居たはずのステールに何をしていたのかと、思わず責めるような視線を投げたくらい。



 だからこそ、インスがジャンヌの暴走を懸念するのも理解できていた。



 溜め息を一つ。



「……調査をお願いした方との待ち合わせの場所で、ちょっとしたトラブルに巻き込まれただけです……」


「「「…………………」」」



 にこりと笑って告げたインスに、三人ともが何とも言えない顔で押し黙る。


 明らかに、それだけではないのは確かだったが、どうやら詳しく話す気はないらしい。



 それを、クロードもアインも察する。



(……インス様、お話し、したくないみたい……)


(……ちょっとじゃないな……)



 へにょりと眉を下げたアインがそっとインスの服を掴み、クロードは若干責めるような眼差しでステールを見る。



「……大丈夫ですよ……もし、次にどこかでお会いしたら、しっかりとお(・)礼(・)をしておきますから……」


「………っ………!?」



 遠慮がちに服を引っ張るアインを抱き寄せたインスが、それはそれは素晴らしい笑顔で言い放てば、一気に顔色を悪くしたステールはガバリとインスから顔を背け、視線を逸らす。



「「…………………」」



 ステールが喉の奥で悲鳴を飲み込んだような気がしたのは……


 果たして気のせいだったのか……



「……行く……?」



 一度、小さく息を吐いたクロードが促せば、ほんの僅かに嫌そうな顔をしたインスもそっと息を吐いて立ち上がった。



「……あまり遅くなって、気づいたらセージさんをまた呼び出していた、などということになっても困りますか……」



 溜め息混じりに呟いたインスが促して、四人はそろってジャンヌの部屋へと向かうことにする。



「あ! みんな、おはよう!」



 朝食の後、部屋に戻っていたらしいジャンヌが、訪問して来た四人を迎えて満面の笑顔を浮かべて言うのを……



「「「「「「………………」」」」」」



 四人は何とも言えない表情で沈黙して受け止めた。

第1話をお読みいただきありがとうございます。


朝食を終え、昨夜起きた出来事をどこまで共有すべきか話し合うインスたち。


まだ体調が戻りきらないインスをクロードやステール、アインが気遣う中、これ以上の混乱や暴走を避けるための口裏合わせが進められます。


底知れない笑みを浮かべるインスに戦慄するステールと、何も知らずに笑顔で出迎えるジャンヌとの凄まじい温度差にもぜひご注目ください。


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「ほぼ何も言わないインスWW」「ジャンヌの笑顔が眩しいWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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