↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇宮呪師は護りたい!⑪聖皇国列伝秘聞~盤上《たびじ》で踏割《おど》る薄氷の檻枷《えにし》~  作者: norito&mikoto
第2章 要衝都市の光と影

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/28

第8話・護衛官は激怒して~見習い呪師は躊躇わない~

第2章 要衝都市の光と影



       第8話・護衛官は激怒して~見習い呪師は躊躇わない~



 買い出しを終えて、インスとアインを待たせている場所へと戻るステールは、二人の姿が見えないことに眉を顰めた。



「……ったく……。動くな、と言ったのに……!」



 口の中で文句を付けつつ足を速める。



(……ん……?)



 足早に進むうちに、違和感に気づいた。



 インスたちを待たせていた、そのすぐ近く。


 建物と建物の間の路地に、何やら騒がしい気配がある。



 いや、騒がしい、などという生易しい気配ではなく、殺気に近い何か、と言うべきか……



「……っ……!? 何をしているっ!!」



 さらに足を速め、ざっと周囲を見てインスたちの姿がないことを確認したステールは、嫌な予感を確信に変えて路地裏を覗き込む。



 そこで、十人近い男たちによって、泥まみれの雪路に押さえ込まれているインスとアインを目にし、一気に頭に血が上った。



 怒声と同時に丸太のように太い腕を振りぬき、道を塞ぐ二人を壁に叩きつける。


 即座に今度は足技で、インスを押さえ込む男たちのうちの三人を蹴り飛ばして地面に叩きつけた。



「「「「「………な………っ!!??」」」」」



 残る男たちが驚きの声を上げた時には、インスの腕を押さえ込んでいた二人が襟首を掴まれ、宙に投げ出される。



「……っ!? アインっ!!」


「へ……? ぅわ……っ!!??」



 路地裏から表通りに。


 突然飛んできた男たちを目にして、ステールに少し遅れて戻ってきたクロードが路地裏を覗き込む。


 そして、アインの小さな体を地面に押さえつけている男の姿に、無表情のまま猛然と突っ込み、がしっと男の頭を掴んだ。



「ぃでででででででっっ!!!!????」



 唖然としていた男の頭を、万力で締めるようにして押さえれば、悲鳴を上げた男はアインから手を離し、振り払おうと暴れる。



 クロードは無言で男の頭を掴んだままポイっと、地面に投げだし、ぐへっ! と息を詰まらせた男は両手で頭を抱えてのたうちまわった。



「……クロード……」


「……無事か……?」



 漸く手を離されたアインが目に涙を溜めて震える吐息を零せば、そっと抱き起したクロードはその身体のあちこちを確かめて怪我の有無を問う。



「僕は、大丈夫です。……それより……!」



 ふるっと、一度首を横に振ったアインは、ハッとしてインスの方を見た。



「ぅ……っ。けほ……っ。ごほっ。……まったく……酷い目にあいました……」



 首元を押さえて咳き込みながら身を起こしたインスも、既に助け出されたようで、周囲にはステールに倒された男たちが呻いているだけ。



「っ! ステール様っ!! インス様の背中側から手を回して、胃を圧迫して下さいっ!!」


「……えっ!?」


「分かったっ!!」



 それを目にしたアインの、悲鳴じみた声にインスは目を丸くし、即座に頷いたステールは言われた通りにインスを抱え込む。



「ちょっ!? ま……っ! ぐぇ……っ!!」



 慌ててインスは止めようとするが、その前にグッと胃を圧迫されて嘔吐く。



「……? アイン……?」


「インス様っ!! 吐いて下さいっ!!」


「ま……っ! あい、んく……っ!!」



 いきなりどうしたのかと、戸惑ったクロードが声をかけるが、アインは転がるようにしてインスに駆け寄ると、抵抗するインスに抱き着く。



「……どうなってるんだ……?」



 クロードとステールから少し遅れて戻ってきたリオンが、路地裏の様子に目を丸くして絶句した。



「「……………」」


「吐いて下さいっ! 早く……っ!!」


「よしっ! やるぞっ!」


「ちょ……っ。……ぅぐ……っ!!」



 何とも言えない表情で沈黙するリオンとクロードの前で、アインはインスの口に手袋を外した手を突っ込み、タイミングを合わせてステールは胃を圧迫し、二人がかりで処置されてインスがとうとう胃の中のものを吐き出す。



「……あ~。とりあえず、警備兵、呼んでくるわ……」


「……ん……頼む……」



 何とも言えないカオスな状況に、リオンはポリポリと頬を掻く。


 一言言い置いたリオンにクロードが頷いて、それを聞いてから踵を返した。



「……で、何で吐かせたんだ……?」



 一方、目に涙を浮かべて噎せるインスを押さえたまま、今頃になってステールが理由を問う。



「……インスさま、何か、変なものを飲まされてて……」



 ぐすっと、涙をぬぐいながら答えたアインがきょろきょろと辺りを見回す。



 殆どステールによって制圧された男たちが呻く地面に、茶色い小瓶を見つけてそれを拾い上げた。

第8話をお読みいただきありがとうございます。


二人の姿が見えないことに嫌な予感を抱き、激怒とともに路地裏へと突入したステールとクロード。


怒り狂う大男たちの圧倒的な物理無双によって、不埒な男たちは一瞬にして叩き伏せられます。


しかし、無事に救出されたのも束の間、アインの悲鳴じみた叫びによって、現場は予想外の「カオスな救護戦」へと変貌することに。


躊躇うことなくインスの口に手を突っ込むアインと、言われるがまま全力で胃を圧迫するステール。


必死の抵抗も虚しく、容赦ない連携プレイで吐き出させられるインスの運命は――?


遅れてやってきて静かに絶句するリオンをよそに、アインが拾い上げた「茶色い小瓶」がもたらす真実とは!?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「流石の護衛官WW」「アインが案外容赦ないWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。