素敵な昼食
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これからも本作を宜しくお願い致します。
作戦会議の翌朝、目覚めたあたし達は着替えた後に皆で朝食を摂り、その最中に再確認した予定に添って行動を開始した。
準備を整えたあたし達は小屋の外に移動し、カミラは口笛を吹いてヴィルヴェルヴィントを呼び、馬具を装着した後に軽やかな身のこなしで鞍上に跨がった後にあたしに声をかけてきた。
「それじゃあ行ってくるぞ、裕香、帰るまで数日かかるから私が戻るまではスコルと一緒に自由に家を使ってくれ」
「うん、分かった、ありがう、それと、いってらっしゃい、カミラ」
あたしが言葉を返すとカミラは穏やかな笑顔を浮かべて頷き、それからスコルからサリッサを受け取るともう一度あたしに笑いかけてくれた後に軽やかな手綱捌きでヴィルヴェルヴィントを駆け出させた。
「それでは、参りましょう、裕香さん」
「分かりました、マリーカさん、宜しくお願いします」
あたしが遠ざかるカミラを見送っているとマリーカが穏やかな口調で話し掛け、それを受けたあたしは頷きながら答えた後にスコルに向けて口を開いた。
「宜しくね、スコル」
「うん、任せといて、裕香」
あたしが声をかけるとスコルは嬉しそうに尻尾を振りながら応じ、あたしはもう一度頷いた後にマリーカに促されて歩き始めた。
出版したマリーカはウルムに向かうと思っていたあたしの予想とは裏腹に鬱蒼と立ち並ぶ木々の奥へと向かっていき、あたしは戸惑いを覚えながらもスコルと共にその後に続いた。
あたし達は何度か小休止を挟みつつ森の奥へと進んで行き、三時間程経過した所でマリーカは手近な所にあった大木の根元に腰を降ろしながらあたしとスコルに声をかけて来た。
「裕香さん、スコルさんこの辺で食事にしましょう」
「そうですね」
「さんせい」
マリーカの提案を受けたあたしとスコルは相槌を打ちながら近くの木の根元に腰を降ろし、それからあたし達は朝食の後に用意したお弁当(ベーコンとチーズのサンドイッチと干し葡萄に林檎)を広げて食べ始めた。
「うん、美味しい」
あたしは空腹に染み入るサンドイッチの味に相好を崩しながら呟き、それを聞いたスコルは満面に笑みを浮かべながら声をかけてきた。
「良かった、このサンドイッチ、あたしが作ったんだよ、一杯食べてね、裕香」
「そうなんだ、ありがとね、スコル」
あたしはスコルの言葉に笑顔と共に応じながらサンドイッチを平らげ、その後に新しいサンドイッチを手に取りつつ穏やかに微笑みながらあたし達の様子を見ているマリーカに話しかけた。
「ウルムじゃ無くて、こんな森の奥に騎乗砲兵隊の心当たりがあるんですか、マリーカさん?」
あたしの言葉を受けたマリーカはゆっくりと頷き、それからサンドイッチを手にしたまま口を開いた。
「ええ、この森の奥に私の知り合いの傭兵隊長が率いる部隊の拠点がありますの」
マリーカは穏やかな笑みを浮かべながらそう言い、それを受けたあたしは脳裏に浮かぶ「キュイラシェ」の設定の中にあったある兵種の名を口にしていた。
「マリーカさんの言う傭兵隊って魔砲兵、なんですか?」
「……流石ですわね裕香さん、その通りですわ」
あたしの問いかけを受けたマリーカは感心した様に頷きながら言葉を返し、それを受けたあたしは頷きながらマリーカを見詰めた。
魔砲兵と言うのは「キュイラシェ」の世界に存在している独特の兵種で、魔力を利用して魔砲と呼ばれる大砲を発射する部隊の事、火薬の代わりに魔力を使用して発射する魔砲は通常の大砲に比べて軽くて移動の負担が少ない上に、火薬を使用しない為火薬が誘爆する危険性や重い火薬を運ぶ必要が無いと言うあたしが編成を目指している機動集団にベストマッチした兵種となっている。
一般砲兵に比べて遥かに有効な魔砲兵だけど、魔砲は一応火薬を使用した砲撃も可能だけど強度が低くて火薬の使用量を控えねばならない為に火薬使用時は射程・威力が大幅に低下してしまい、魔砲に魔力を充填する人員が死傷若しくは疲弊してしまうとその能力が激減してしまうと言う弱点もあったりする、更に魔砲に魔力を充填するには高い魔力が必要な為、要員の育成が難しく一般砲兵に比べて数を揃える事が難しい上に維持費も嵩むと言う無視し得ない難点も併せ持っている。
その為魔砲兵部隊はエリート部隊として強国が小数運用している他には元々魔力の高い種族によって編成された傭兵隊(勿論こちらの数は更に小数)しか存在していない為、幻の兵種と言っても過言では無い兵種だったりする。
「そんな部隊が加わってくれるなら、願ったりかなったりです」
あたしは魔砲兵の概要を胸中で確認しながら呟き、それを聞いたマリーカは笑顔で頷きながら言葉を続けた。
「その隊長とは何度か一緒に戦った経験がありますの、とってもいい方ですので裕香さんにも快く協力して下さると思いますわ」
「そうですか、楽しみです」
(……魔力が高く森を活動拠点とする種族、そしてマリーカさんの知り合い、その魔砲兵隊長ってもしかしたら……)
マリーカの言葉を受けたあたしは脳裏に一人のURキャラの姿を思い浮かべながら相槌を打った後にサンドイッチにかぶりつき、その様子を目にしたマリーカも穏やかな笑みを浮かべて頷いた後にサンドイッチを口に運んだ。
一方、スコルはあたしとマリーカが会話している間にあっという間にサンドイッチを食べ終えてしまい、それに気付いたあたしはベーコンのサンドイッチを手に取ってスコルに差し出しながら口を開いた。
「はい、スコル、これも食べていいよ」
「えっいいの!?でも、それは裕香のだし」
あたしが声をかけるとスコルは弾んだ声をあげたけど直ぐに顔色を曇らせながら続け、その呟きを受けたあたしはゆっくりと頭を振りながら言葉を続けた。
「あたしは大丈夫だよ、だから遠慮しないで、スコル」
「……分かった、ありがとね、裕香」
あたしの言葉を受けたスコルはそう言うと嬉しそうに尻尾を振りながらあたしが差し出したサンドイッチにかじりつき、あたしは間近に迫ったスコルから仄かに漂う甘い薫りに少し頭をクラクラさせながら嬉しそうにサンドイッチを頬張るスコルを見詰めた。
「フフフ、スコルさん本当に裕香さんの事を信頼しきっているんですわね」
あたしがサンドイッチを頬張るスコルを見詰めていると唐突にマリーカに声があたしの鼓膜を揺さぶり、あたしが思わず視線を向けるといつの間にかあたしの傍らにまで移動して来ていたマリーカの穏やかな笑顔があたしの視界を捉えてしまった。
「裕香さん、お召し上がり頂けますか?」
マリーカの穏やかな笑顔を間近に見たあたしが頬に熱を帯びるのを感じながら身体を硬直させていると、マリーカは穏やかな中に仄かな艶を含めた声であたしに語りかけながらあたしの口元にチーズのサンドイッチを近付け、あたしは小さくコクンッと頷きながらマリーカが差し出してきたサンドイッチにかじりついた。
「いいなあ……ねえ、裕香、あたしにももっと食べさせてえ」
あたしがマリーカにサンドイッチを食べさせて貰っているとサンドイッチを食べ終えたスコルがあたしの指先に唇を触れさせた後に甘えた様な口調であたしに囁きかけ、あたしはその甘い響きと指先に残るスコルの唇の感触に軍服に包まれた身体が火照るのを感じながら頷いて新しいベーコンのサンドイッチをスコルの前に差し出した。
あたしがサンドイッチを差し出すとスコルは嬉しそうに尻尾を振りながらサンドイッチにかじりつき、あたしはマリーカにサンドイッチを食べさせて貰いながら横目でそれを確認しつつ残った手でチーズサンドイッチを手に取った。
「……ックン……マリーカさんにも……食べさせて……あげますね」
「フフフ、ありがとうございます、裕香さん、喜んで頂きますわ」
あたしが口の中にあったサンドイッチの欠片を咀嚼した後にそう言いながらマリーカの顔の前にサンドイッチを差し出すと、マリーカは艶を含んだ笑みを浮かべて応じながらあたしが差し出したサンドイッチを食べ始め、あたしは頬を火照らせながらあたしにサンドイッチを食べさせて貰っているマリーカとスコルの姿を見詰めた。
サンドイッチにかじりついているマリーカとスコルから漂う仄かに甘い薫りはあたしの頭をクラクラにさせ、あたしは自分の頬が更に火照るのを感じながらマリーカが手にしているサンドイッチの残りにかじりついた。
そうして食べさせ合っていると残っていたサンドイッチは瞬く間に無くなってしまい、それを確認したあたし達は笑い合った後に果物を食べさせ合い始めた。
マリーカとスコルはあたしを見詰めながら干し葡萄や林檎を食べさせてくれて、あたしは二人の視線と漂う二人の甘い薫りに頬を火照らせながら二人が食べさせてくれた干し葡萄や林檎を味わい、そして二人を見詰め返しながら二人に干し葡萄や林檎を食べさせ返していた。
新たな出逢いを予感しつつ傭兵隊の所へと向かうあたし達はその途中で足を休め、憩いの時を過ごした、あたしが過ごした憩いの時、それは麗しき傭兵とセクシーで可愛らしい狼さんとの素敵な昼食……
主人公紹介
名前・宝積寺裕香
年齢・24
身長及びスリーサイズ・168・90(F)59・88
一人称・あたし
髪・黒髪ロング(通常はポニテ)
瞳・黒
趣味・歴史(戦史)読書・アニメ・ゲーム
学歴・大卒
職業・キャバ嬢
概略
都内の一般的なキャバクラ「スワロウテイル」にてキャバ嬢をしていた。
性格は基本的にのんびりとしているが意外に頑固な面も持っている。
大学時代に趣味の歴史試料収集の為の軍資金確保にバイトでキャバ嬢を始め、水が合ったらしく卒業後もキャバ嬢を続けていた。
歴史と可愛い女の子が大好きだった為歴史の流れに倣ったストーリー展開と女の子キャラが豊富な携帯ゲーム「キュイラシェ」がお気に入りとなり、今回の事態に遭遇してしまう。
歴史でも特に戦史を好んでおり更にかなりのボナパティスト(ナポレオン信奉者)である。
転位させられてしまった異世界ではデッキを構成していた凛々しき乙女達の協力と趣味として培った戦史関連の知識で戦っていく事になる。
異世界転位に従い、身体能力は一般的な士官程度にはなっているがあくまで一般的なレベルである。




