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慈愛の聖女  作者: クー
第3章 第三回公式イベント~本戦編~
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師弟恋話


絶好調の私達は続けて一つのパーティーを破り、次の戦いに向けて準備を始めます


「一つ思ったのだけど…いいかしら?」


「どうしたんや?」


「それはね、今まで戦ってきたパーティーが全部フルメンバー揃ってた事が気になるのよ」


「あっ…確かにそうです!」


「言われてみたら変やな…初心者プレイヤーならパーティーリーダーと一緒の転送場所になるハズやけど、そうじゃないプレイヤーはランダムに転送されるからなぁ……」


「私達が最初に戦ったパーティーは、新人が2人の所と、新人1人の所で、今倒したパーティーも新人1人しかいなかったから流石に運が良いで済ませられる話じゃないでしょ」


「確かにな…ランダムに転送されるプレイヤーが2、3人が合流するのにこんな短時間で出来るとは思えん。

フィルちゃんが言ってるように、運が良くて近くに転送されたからとしても、流石に合流が早すぎるしな……」


「もしかして、物凄く強運な方達だったのでしょうか?」


「いや、そうやあらへん。」


「そうね…作為的なものを感じるわね」


「恐らく、ベテランプレイヤー達も纏まって転送される裏技みたいなもんが見つかったんやろ…

だから序盤の予選では疎らなパーティーやったんが、終盤の本戦じゃ早々にフルメンバー揃ってるって言う理由にもなるしな」


「ランダム転送なんて、私達には関係のない事だったから実験すらしなかったけど、そうでないパーティーは色々試行錯誤してるのね……」


「でもそれは反則にはならないのでしょうか?」


「うーん難しいやろうな…あの運営がこの大会中に思い付くようなやり方を予想してなかったとは思えんから、運営が最初からある程度の抜け道を作ったかもしれん」


「運営がわざわざ抜け道を作るメリットが分からないわ……」


「このゲームでは結構あるで…ちょっとした小技とかそう言うのを敢えて残すことでプレイヤーに試行錯誤させるんや。

実際に前の大会でも似たような事もあったしな……」


「そうなんですね…ちなみに前の大会ではどんな抜け道があったのですか?」


「前の大会はモンスターハントで森の中に入って、わざわざモンスターを倒さなアカンかったけど、森の中にある木を燃やすとモンスターが寄ってくる裏技があったから、わざわざ森の中で探す必要もなかったんや」


「それ…大会の内容が変わるような気がするのだけど……」


「確かにな。ただ、この木を燃やすやり方は問題が二つあってな、一つ目はこの木めっちゃよう燃えるから、森の中で火を燃やすとあっちゅう間に全焼するねん……

二つ目がこの木を燃やすと大量のモンスターが寄ってくるから強くないと逆に狩られる問題もあったなぁ……」


「でしたら今回の裏技も何かデメリットがあるのでしょうか?」


「裏技を知らんから正直なんとも言えんが、何かデメリットがあってもおかしくないな……」


「なんにせよ、これから先はフルメンバーが揃ってる事を想定して動かないとね」 


「せやな…今の順位はどんなもんや?」


「えっと…私達が250ptで一位です!」


「よしっ!…それで二位はどこや?」


「ビトレイアルと言うパーティーが二位で50ptです」


「200pt差かいな…これだけ差があったら無理に探しにいかんで、ここで待ち受けてる方が良さそうやな」


「そうね…ここだと不意打ちはほぼない事だし、動くにしても次の全体スキャンを待ってからでも遅くないわね。」


「250ptやと俺達がやられん限り勝ち抜け出来るんちゃう?」


「いえ…私達が3パーティーのほとんど退場させたとは言え、まだ4パーティーの状況が不明です…ここに強いパーティーがいると負ける可能性があります」


「上手いこと潰しあってくれたら楽やねんけど……」



















「なあなあフェリシアちゃん…」


「師匠…なんでしょうか?」


次のスキャンまでの間にちょっと気になってた事をフェリシアちゃんに聞いてみた。


「あ、あのさ…フィルちゃんってさ…もしかしてシュラインの事を……」


「師匠…"しーっ"ですよ!」


「お、おう…」


マジで可愛えなこの子……

仕草一つ一つがあざといねんけど、演技じゃなくて素でやってくるから破壊力が抜群やねん。

正直俺は大人の女性が好みやけど、この子を見てるとそれが揺らぎそうで怖い……

あっヤベ…こんなこと考えたらまたユキナさんに睨まれるし、シュラインに詰め寄られるわ……


「フィルちゃんはバレてないと思っているので、内緒にしといて下さいね!」


「あ、ああ……」


改めて考えるとこのパーティーの女性達のレベルはマジで高いよな……

フェリシアちゃんは言わずもがな、ユキナさんは俺の好みドストライクやし、フィルちゃんもクールビューティーな感じでめっちゃモテそう。

しかも、フェリシアちゃんとフィルちゃんは今から高校生やから、もっと美しくなるやろうし、ホンマ末恐ろしいわ……


フェリシアちゃん達は高校生やけど、ユキナさんは何歳ぐらいなんやろ?

見た目は俺よりも若いから20歳ぐらいやとは思うけど、あの色気がな……

アカン、アカン…女性の年齢に触れるのはNGやで……


「まあフィルちゃんも、あれだけ可愛ければ上手くいくやろ」


「そ、それが…お兄様はかなりの鈍感でフィルちゃんの事を完全に妹としてしか見てないのです……」


「そ、それは……」


あんな綺麗な子に慕われても、昔からやと中々恋愛に発展しいひんもんなんやな……

ほんまドラマみたいやで……


そう言えば、フィルちゃんは想い人がいるみたいやけど、フェリシアちゃんやユキナさんはどうなんやろう?…

プライベートな情報を聞くなんてマナー違反もいいところやけど、このチャンスを逃すなんて勿体ないから思いきって聞いてみるか!



「あ、あのさ…フェリシアちゃんやユキナさんは、そ、その好きな人とかおらへんの?」


カメラに音声が拾われへんように注意を払って、聞いてみると、質問を理解したフェリシアちゃんは少し頬を赤く染めながら口を開いた……


「え、えっと…私達がお慕いしてる方ですか…?」


「そうや」


「な、なぜ…師匠は私達の想い人を知りたいのでしょうか?」


「えっ?…」


ヤバい…そんな返しがくるとは思ってなかった……

いや…普通に考えたら分かるもんやけど、気持ちが先行して完全に頭から抜けてたで。

な、なんて答えよう…答え次第では今後の俺の立場がヤバい気がする……



「い、いや…そ、そのフィルちゃんの想い人の話題やったから、フェリシアちゃんとかもそう言った男がいるんかな?って気になっただけや!

プライベートな話やし、答えたくないなら全然答えんでもええで!」


どうやこの言い訳…答えてくれへん可能性も高いけど、ローリスクローリターンの安牌な返しやで。


「……そうですね…私はそ、そのお慕いしてる男性はいません。ユキナもそう言った話は聞かないので恐らくいないかと思います……」



ほっ…ちょっと安心したで……

フェリシアちゃんもユキナさんもあの美貌やから、言い寄ってくる男なんて山のようにいるやろうに、まだ好きな男がいないのは安心やで……

んっ?……ユキナさんはともかく、なんでフェリシアちゃんに好きな男がいないと知って安心したんや俺?

もしかして…俺、フェリシアちゃんの事を……?

いや、ないないて…純粋に師匠として弟子の色恋沙汰が気になっただけやろ……


「そう言う師匠は好きな女性はいらっしゃらないのですか?」


「へっ?……」


マジか…まさかの質問返しやと!?……

ど、ど、どうする!?…俺の好きな女性はフィルちゃんが知ってるから、そこから漏れてる場合は、いないって言ったら嘘つきの烙印が押される……

逆にいるって言ったら、フェリシアちゃんの事や…深掘りしてきそうで怖い……


い、いや…フィルちゃんにはバレてもうてるねんから、フェリシアちゃんも最悪仲間にしたらええんちゃうか?

よし、返答が決まったで!……



「せ、せやな……俺は…好きな女性がおるで」


「や、やっぱり……」


やっぱり?って事はフィルちゃんからはバレてないけど、自力である程度分かってたって所か……


「そ、そのどんな女性なのですか?」


やっぱ深掘りしてくるよな……



「俺の好きな女性はな、そ、その大人ぽくて、思った事はビシッと言って、でもたまに冗談を言ったりして、後はいつもクールな感じやけど笑顔になった時は滅茶苦茶可愛い子かな……」


うわっ…俺、滅茶苦茶恥ずかしい事を言っとるなぁ……

正直穴があったらすぐに入りたい気分や……


「は、はわわ……」


……なんで言った俺よりもフェリシアちゃんの方が照れてるねん……

この様子じゃ、フェリシアちゃんとユキナさんの好みのタイプは聞かれへんな……

てか、本戦二回戦のかなりプレッシャーのかかる場面やなのに俺らは何やっとんねん……

こんなんじゃ勝てるもんも勝てへん


「ごめんフェリシアちゃん…俺が先に振った話題やけど、そろそろ全体スキャンの時間やから気合いいれるで」


「は、はい……」


俺達は赤くなった顔を元に戻そうと躍起になりながら、全体スキャンの結果を待つのだった……





がっつり戦いを入れる筈が……

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