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慈愛の聖女  作者: クー
第3章 第三回公式イベント~本戦編~
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敗北からの発芽


試合開始のブザーが鳴り、専用のフィールドに転送され本戦二回戦目が始まります。

優勝残り2試合…先程は敗北しましたが、次こそは必ず勝って応援してくれてる皆さんに笑顔で応えたいと思います!


「今回のフィールドも複合みたいやな……

とりあえずアーサー達がいないかだけ見とくで……」


「そうね…警戒しすぎるのもどうかと思うけど、あの男達と戦うとなると、それ相応の準備が必要だもの……」


「ざっと見たところ、今回は別のブロックのようです」


「それは、ありがたいな…さすがに連戦はしんどい……」


アーサーさん達と連戦だと中々大変ですからね…戦いたい気持ちもありますが、正直ありがたいです。



「いつも通り、周りを確認しますね…『空間把握』……今回は近くに誰もいません」


「やっぱ予選三回戦と同じで8パーティーしかおらんから、エンカウントも少ないみたいやな……」


「それで、私達はこのまま岩石地帯で戦うの?」


「せやな…岩石地帯は高所からの魔法が面倒やから移動した方が良さそうやし……」


「そうですね…私達の中に純粋な魔法アタッカーがいませんからメリットもないですものね……」


「おっ…フェリシアちゃんも大分ゲームに詳しくなってきたな」


「えへへ、フィルちゃんのお陰です!」


「シアはほとんど何も知らなかったけど、教えたら一回で理解するから説明が楽なのよね」


「そんなことありませんよ…フィルちゃんの説明が上手なだけです」


「そ、そうかしら……」


「フィルちゃんは面倒見ええからなぁ…」


「パンダさん…あなたもそうでしょ?」


「まあ…否定はせんけど…」


フィルちゃんも師匠も教えるのが上手ですし、こちらが質問してもすぐに答えてくれるので、良い先生みたいです。

フィルちゃんは学校の先生とか向いてそうです。


そう言えば、師匠は今何のお仕事をされてるのでしょうか?…いつか聞いてみましょう!



「パンダモンさん、フィル様…お嬢様の為にいつもありがとうございます。教育係を取られて悔しい想いもありますが……」


「ポロッと本音が出とるで……ユキナさんは相変わらずやな……」


「コホンッ!…それで、ここから近いのは平原か砂漠ですが、どちらに向かいますか?」


「……誤魔化したな…せやな…平原の方が俺達に有利な気がするな…皆はどう思う?」


「私も平原が良いわね。砂漠だと踏み込みが出来ないもの」


「私はどちらでも良いので、皆様に合わせます」


「私もフィルちゃんと同じく、踏み込みの問題で平原の方が良いです。」


「じゃあ、このまま平原に向かうで」




平原に辿り着くと、既に2つのパーティーが戦いを始めていました。


「ねぇ…これどうするの?」


「今はお互い必死やからこっちに気付いてないけど、すぐに気付きよるから、その前に横から乱入するで!」


「乱戦か…あまり好みではないけれど仕方ないわね」


「乱戦は被弾が増えやすいから、フェリシアちゃんが鍵やで…」


「分かりました!…今の私にはこの子がいるので大丈夫です!」


「試合開始ギリギリやったけど、間に合って良かったな!」


「はい!」













それは、試合開始直前の事でした……


「はぁ、はぁ、…ここにフェリシアさん居るかな!?」


「いますが…どうしたのですか?サラさん……」


「良かった~間に合った。」


「もしかしてアマノさんに頼んでいたものが出来たのでしょうか?」


「その通りよ!」


「本当ですか!?」


大会開始の一週間程前にアマノさんに頼んでいた杖が、遂に完成したようで、アマノさんの孫にあたるサラさんが、わざわざ私を探して届けにきてくれたようです。


「これがお爺ちゃんから頼まれてた杖よ」


サラさんから手渡された杖は、前に作ってもらった薙刀の黒雪とは正反対に柄が真っ白で、杖先には綺麗な赤い石がついています。


「綺麗…」


「そうよね!…私は刃物こそ美しいって思ってたけど、この杖はそんなこと関係ないぐらい綺麗なのよ……」


「こんな素晴らしいものを作って頂いてお礼をしたいのですが、お爺様はどちらにいらっしゃるのでしょうか?」


「あー…足が遅いから置いてきちゃったのよ……」


「えっ!?……」


「だってそろそろ試合始まりそうだったし、先の試合で苦戦してたから、あなたがこの子を欲しいと思ったのよ!」


「そうだったんですね…ありがとうございます!

もう次の試合が始まっちゃうので、お爺様に直接お礼は出来ませんが、この子で大活躍しますので見といて下さい!」


「頑張ってね!…ああそれと、銘を入れたいからこの子の名付けをお願い出来る?

時間がなくて大変だと思うけど、この子を完成させるのは銘が必要なの……」


「分かりました。この子を見た時にビビッときましたので、もう銘は決まっています。

この子の銘は……」








このような経緯があり、私の装備が先程の試合までで使っていたシルバースタッフから変更しています。


「それで、その杖の銘は決めたんか?」


「はい決めています。この子の銘は"白蘭(びゃくらん)"です!」


「白蘭か…良い名前やな!」


「ありがとうございます!…さて、白蘭の初陣の時間です!」


「よっしゃやるで!」


そこからは師匠とフィルちゃんが戦っている2パーティーの中に突っ込み、私が回復などのサポートを行い、それに気付いた2つのパーティーが私へと攻撃を行ってきますが、ユキナの守りと私自身が好調で全て回避します


「く、くそっ!…なんで当たらないんだよ!」


「なんで、俺達の攻撃を避けならがらサポート出来るんだ?」


「あの子達強すぎる…ひとまず共闘しようぜ!」


「OK…あれは野放しには出来ない」


なんだか先程から変です……2パーティーから猛攻を受けてる筈なのに脅威に感じません……

食卓の騎士さん達を相手にほとんどサポート出来なかったので、今回はいつもより周りを見るように意識していたのもありますが、今までよりも桁違いに状況が把握出来てしまいます。

そう…味方や敵だけじゃなく周辺の景色でさえも手に取るように分かるので、次の相手の行動や仲間の動き等が全部把握出来て、まるで未来でも見ているかのようです。


『リフレクション』


このリフレクションで相手の方が体勢を崩れたので、師匠が追撃を入れるはずです。

でも、師匠の背中を魔法で狙っている方がいるので、オリオンベールで防ぎながら、ちょうど今、私を庇ってくれているユキナを回復しつつ、3人に囲まれているフィルちゃんのサポートの為、魔法を放ちます。


『オリオンベール』『クイックヒール』『セイントランス』


これで守りは大丈夫そうですね…では次は攻撃のサポートですね。

読み通り、体勢が崩れた方に師匠が追撃を仕掛けるタイミングで、使い所が難しかったこの魔法でサポートします


『リーインフォース』


「うぉっ!?…なぜか一撃で倒せたで……あっ!…リーインフォースか…」


次はセイントランスで崩れた囲いから脱出したフィルちゃんのサポートをします。


『ハイキュア』『フィジカルギフト』『エラストカーテン』『リジェネレーション』


まずはハイキュアでHPを回復し、フィジカルギフトでATKとDEFを上昇、エラストカーテンで被ダメージを減少させ、リジェネレーションで継続的なHPを回復させます。

これでフィルちゃんの方は問題ないでしょう。


あっ…こちらへ魔法を放とうとしてる方がいますね…それに連動して私に斬りかかってくる方がきましたので、避けるのは難しそうですね…

ですが、ユキナが恐らくカバーシフトで私を庇ってくれる筈です。


「お嬢様危ない!…『カバーシフト』!」


これで私はエンドレストとリフレクションを発動させずに済んだので、素早くユキナを回復し、先程ユキナが牽制していた方がこちらの隙を窺っているので、魔法で足止めを行います。


「ユキナありがとうございます。『ハイヒール』、『ヒーリングオール』、『セイクリッドランス』!」


「なっ!?…なんで俺の動きが分かったんだ…先まで向こう見てただろ!」


「嘘でしょ!?…私の魔法を受けて、うちのアタッカーが追撃するハズだったのに、被弾と同時にHPを回復するなんて……」


この足止めで師匠がこちらに戻ってくる時間が稼げました。

師匠とフィルちゃんが2人ずつ倒してくれたので、後は私達と同数しか残っていません。


「ちっ!…もう向こうを倒したのか……」


「こっちには勝利の女神がついてるからなぁ!」


「なんだよそれ!」


師匠が先程までユキナと対峙してた方と戦い、そのユキナは私を庇うため魔法職の女性と前衛の男性の2名を相手にし、フィルちゃんが3人に囲まれてた内2人を退場させ、残り1人を追い詰めています。


さて…どこから崩しましょうか……

このまま行っても恐らく勝てるとは思いますが、勝率を上げる為、改めて戦況を把握します。


師匠の相手はパーティーリーダーのようなので、倒すのに時間がかかりそうです…

ユキナの方は魔法職の女性がベテランプレイヤーで、前衛の方は新人みたいなので、新人の方を上手いこと誘導し、射線を切ることで魔法職の女性の攻撃を封じてます。

フィルちゃんの相手はベテランの方のようですが、残りHPが3割を切っているのでそろそろ倒せそうです。


私は戦況を瞬時に把握し、サポートする場所を決めました。


「『エンドレスト』『リフレクション』…フィルちゃん今です!」


オープンテレパスの効果が切れてしまい、肉声で話してしまいましたが、私の意図を素早く読み取ったフィルちゃんが、相手の方へトドメをさします


「シアありがとう!…これで終わりよ!……宵月!!」


「くそっぉ……」


私はフィルちゃんへ次にやって欲しい事を伝えようとすると、先にフィルちゃんがアイコンタクトで今からやることを伝えてきました。


流石フィルちゃんです…私のやって欲しい事を完全にを分かっています。


「きゃっ!…あなたどこから……」


そう…フィルちゃんにはユキナを狙っている魔法職の女性を背後から攻撃して欲しかったのです。

それをフィルちゃんは私の予想よりも早く実行し、相手の方を倒してしまいました。


「フィル様ありがとうございます!…これでこっちに集中出来ます。『ファランクス』!」


「ぎゃ!…」


フィルちゃんの奇襲でベテランの魔法職の女性が落ちた事で動揺した新人の男性をユキナがファランクスで弾き飛ばし、フィルちゃんがトドメをさします。


「これで残り1人ね…中々強そうだけど、このメンバーには勝てないわね」


そこからは4対1と言うこともあり、一方的な展開で決着がつきました。


「ふぅ…お疲れ」


「2パーティーを相手にしたのに圧勝だったわね」


「そうですね。やはりお嬢様の力が大きいです」


「そんなことありません!…皆さんが頑張ってくれたお陰です!」


「確かにアーサー達とやった時よりも俺達は強くなったけど、先のフェリシアちゃんはちょっとヤバいなぁ……」


「そうね…まるで未来でも見てるような絶妙なサポートだったわね」


「お嬢様…何か掴まれたのですか?」


「そうですね…今までよりもサポートしようと周りを見たら、皆さんと相手の動きが分かったような気がしました…フィルちゃんが言ったようにまるで未来が見えたみたいな感覚です」


「……ヤバいな…まだ覚醒するんか…」


「シアは一つ上のステージに入ったみたいね…私も負けないように頑張らないと……」


「流石お嬢様です」


「いえ、もちろん白蘭のお陰もありますよ!…この子がいると、今まで私が出来なかった事を実現してくれます」


「やっぱあの爺さんの傑作はハンパないで…それで白蘭のスペックはどんなんやったっけ?」


「今はこんな感じです」


【白蘭】(INT+102)(名声値1)

Skill:治癒の祈り


「スキルの効果が確かヤバいんやな…?」


「そうですね…治癒の祈りは回復系のスキルのクールタイムの半減とMP消費の半減です。」


「そりゃヤバいな…今回はMP消費半減がかなり役にたったみたいやな」


「はい!…リーインフォースのMPが100消費してしまいますので、MPの節約はかなりありがたいです。

それにこの子はINTも高いので、回復量も沢山増えて回復回数が抑える事が出来るのも魅力です」


「ええなぁ…俺もアマノの爺さんに武器作って欲しいわ……」


「一緒にお爺様に頼みましょう!」


「フェリシアちゃんがいたら作ってくれそうやで!」




今回の戦いで自身の成長を実感できました。

これなら食卓の騎士の方達とも渡り合えるかもしれません。

お爺様…この子を生み出してくれてありがとうございます!



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