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慈愛の聖女  作者: クー
第3章 第三回公式イベント~本戦編~
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フェリシア&ユキナVSキール弟


「この試合を降りたら、"プレジール"ってカフェに向かって頂戴。」


私は試合の中継をしているカメラを意識して、彼女達…リベットさんとカデナさんの耳元で囁く。


「ひゃ!…わ、分かったわ!」

「わぁ!…わ、分かりました…」


何をそんなにビックリしているのかしら…?


(近くで見るとあの子物凄く可愛いわね!)

(睫毛長い!目パッチリ!顔小さい!…同じ人間とは思えないよ……)

(そうね…あの子があの男達に乱暴にされないように守らないと!)

(リベットちゃん…守って貰う側だったのに、逆になってるよ……)

(だってしょうがないでしょ!…あんな可愛い子が酷い目に遭うなんて世界の損失よ!)

(ちょっと分かる気がします……)


「えっと……これからの流れは大丈夫かしら?」


「え、ええ!…大丈夫よ」

「ひ、ひゃい!…大丈夫です」


「……最後にもう一度確認ね。この試合が終わったら…」


「ちょ、ちょっと待って!…」


「何か不都合でもあったかしら?」


「そうじゃなくて、何でこんなに近いのよ?」


「だってあのカメラに音声が拾われているのでしょ?

近付いて話さないと、あの男達に作戦がバレるかもしれないじゃない」


「そ、そうだけど…ちょっと近すぎる気が……」

「そ、そうです…ドキドキしちゃいます……」


「ドキドキ…? そうね、人にはそれぞれパーソナルスペースがあるものね…私が無神経すぎたわ……」


「い、いや、あなたが悪い訳ではないのよ……私達が今までこんな綺麗な子と近付いた事がなくて、免疫がないだけよ!」


「そ、そうです!…今まで見たことないぐらい可愛い子なので緊張しちゃって……」


「……ありがとう。確かに私の容姿は他人と比べて優れているとは思うけど、そこまでではないでしょ?

多分アレね…吊り橋効果ってヤツじゃないかしら?」


「絶対それだけじゃない気がするけど……」

「平常時でも見惚れちゃうと思いますが……」


「もう!言いすぎよ…私なんかより、シアの方がよっぽど可愛いわよ…同じパーティーにいたあの銀髪の子ね」


「確かにあの子もかなり可愛いかったけど、あなたも負けてないような……」

「あの子は天使であなたは女神様って感じです……」


「そこまで言われると恥ずかしいわね……

コホン!…時間もあまりなさそうだから、この後の流れを纏めるわね。

あなた達はこのまますぐに降参して元の場所に転送されて、アインベルグにあるプレジールってカフェに向かって頂戴。

今の残り時間で考えると30分後には私達もそこに転送されるから、そこで落ち合いましょう。

次の試合まで15分しかないから、あまり悠長には話してられないけど、今後の方針をそこで決めるわね。

これが今からの流れよ。」


「分かったけど…あなたの中ではこの試合を勝ち抜くことが前提なのね……」


「もちろんよ。今の所あの男のパーティー以外に負けるつもりはないわね」


「あの男?」


「アーサーとか言ういけ好かない男よ……」


「アーサーってNo1プレイヤーじゃ……

あの人以外負ける気がしないって凄いわね……」


「カッコいいです……」


「流れが分かったら早く移動した方が良いかもしれないわよ……」


「なんで?」


「あの男達の退場が近いからよ」


「えっ?…そんなにあっさり勝っちゃうの?」


「シアもパンダさんも、多分ユキナさんも怒り心頭だから、瞬殺しそうでちょっと心配なのよ……

私の分残ってるのかしら……?」


「……あなた達ってやっぱり凄いのね……」

「素敵です……」


「だから、早く退場した方が良いかもね…

なるべく時間をかけて倒すつもりだけど、怒りで手加減が出来るか怪しいから、早く逃げて欲しいのよ……」


「分かったわ!…すぐに降参してそっちに向かうわ!本当にありがとう。」

「ありがとうございます。私達を救ってくれて……」


「お礼は全部終わってからね。

あなた達を救うって言った私の言葉に偽りがないか、

私達の勇姿を見てより信じてくれると嬉しいわね」


「もうすでに信じてるわよ…でもあの男達がやられる様を見るのは爽快そうね」

「確かに楽しみです!」


「ふふ…あなた達、強くなったわね」


「時間もないしそろそろ行くわね」

「この後の試合も絶対見ますから頑張って下さい!」


「ええ」


「ありがとうございました。」

「本当にありがとう。」



さて、あの男達が退場するまでに、無事にプレジールに着いたら良いのだけど……

今私に出来るのはこのぐらいね……


さあこの怒りをあの男達にぶつけないとね!

待ってなさい!

























「僕の相手は可愛い子二人か~やったね!」


私達の相手は弟さんの方です…

この方はいつもニコニコとしていますが、目が笑っていないように感じます……

まるで子供が残酷な事を無邪気に行っていそうな…そんな感じです。


(ユキナ…相手は軽戦士のようなので、素早い攻撃に気を付けて下さいね)


(承知致しました。あんなクズをお嬢様には近付けません)


ユキナもかなり怒っているようですね…いつもよりも辛辣です。

まあ、私もとても怒っているので止める気はありませんが……


「ねぇねぇ、君達って髪の色一緒だけど、姉妹だったりするの~?」


(お嬢様、アレと言葉を交わしても得がありません……

なので基本的に無視して下さい)


(分かりました)


「無視ですか~?折角僕が話しているのに…ムカつくなぁ……」


「……」


「どっちから壊しちゃおうかな~?」


弟さんは私とユキナのどっちを狙うか考える素振りを見せていますが、目線がチラチラ森の中へ向けているので、恐らくあの女性の方達の援護を待っているのでしょう……


「う~ん…お姉さんの方を壊して妹ちゃんに絶望してもらうのも良いけど、やっぱりお姉さんの足を切断してから、妹ちゃんを(なぶ)るのが一番かな~

怒りながらも、何も出来ない絶望の表情が堪らない……

それに段々絶望より懇願に変わるのも傑作なんだよねぇ~

妹の代わりに私を~みたいな展開は最高にきちゃう~」


(戯れ言だと分かっていますが、本当に不快ですね……)


(……ユキナ挑発です…抑えて下さい)


(お嬢様…いつになく冷静ですね?)


(冷静さを欠くと良くない事は、罪禍の古城遺跡で良く学びましたし、予選を得て感情のコントロールを意識していますので……)


(お、お嬢様……立派に成長なされて…それだけで私はとても嬉しいです……)


(私だって成長しているんですから!)


ユキナに褒められて少し誇らしげな気分になっていたところ、目端で炎の槍が迫ってくるを捉えます


「ユキナ危ない!『オリオンベール』」


「ちぇ~不意打ち失敗してやがるの…あの女達は使えないから処分だね~」


「ッ……」


(お嬢様抑えて下さい!)


(ふぅ……大丈夫です。私は冷静ですよ)

(師匠が少しピンチなのでそちらに集中します…ユキナは

弟さんの注意をひいて下さい。)


『ヒール』『エラストカーテン』


「?…どこにスキルを撃っているの~?」

「まあ、良いや…もう我慢出来ないから、妹ちゃんから壊しちゃうね~『クイックムーヴ』」


「させません!『カバーシフト』!」

「ユキナありがとうございます!『リジェネレーション』!」


「君タンクだったの……鬱陶しいなぁ…『タブルクイック』!」

「これで僕のスピードが爆上がりだよ~『チエインスラッシュ』!、『タブルバイト』!」


「『スイープハリィ』…そして、『ベゼルカウンター』!」


「うわぁ!……完全に防ぐんだ……やるねぇ~」


(流石ユキナですね。弟さんの技は手数が凄く多かったのに無傷です…)

(師匠の方も調子が出てきたみたいなので私も攻めますね。)


「ならこれならどう?『トリプルクイック』!」

「いっくよ~!『フラッシュペネトレイト』!」『パリィ』

「えっ!?……」


「隙ありです…『セイクリッドランス』!」


「ぐっ……!」


「こちらも行きます!『リベンジエッジ』!」


「なっ!…くそっ!…『ソニックムーヴ』!」


(逃がしてしまいましたね……)


(いえ、まだ射程範囲です!)


『セイクリッドランス』『セイントランス』


「!?…移動先が読まれた!…なら、『マッハリープ』!」


2発目のセイントランスは師匠へのアシストでしたが、上手く隠せましたね……

それにしても弟さん消えちゃいましたね……


(完全に射程圏外です…それにしてもどこに行ったのでしょうか…?)


(兄の方にも行ってなさそうですね……)


暫く弟さんの行方を探していると、空間の揺らぎが近付いてきたので、クールタイムを終えた魔法をそちらに向けて放ちます。


『セイントランス』


「な、なんで僕の居場所が…!?」


透明化はスケルトンアサシンで体験済みですよ!

動揺している今がチャンスです!


「ユキナ!」


オープンテレパスの効果時間が来てしまった為、大声で呼び掛けます。


「無様に転がってなさい…『シールドバッシュ』!」


流石ユキナです。

名前を読んだだけで私の意図を汲み取ってくれました!


「『エンドレスト』そして、『セイクリッドランス』!」


「ちっ!…舐めるな!『リフレクション』!…ははっ…弾き返してやっ…」『リフレクション』「ぐぇ!……」


リフレクションでセイクリッドランスが反射されたので、思わずこちらもリフレクションを使いましたが、

上手く反射してくれて良かったです。


「隙だらけです。『リベンジエッジ』!」


「くっそ!……吹っ飛べ!『サイクロン』!」


弟さんがスキルを発動すると大きな竜巻が発生します……

これはオリオンベールで防げるのでしょうか…?

とりあえず試してみましょう!


『オリオンベール』


発動しましたが、効果がないみたいですね……

さてどうしましょうか…?


「ここは私が何とかします…『マジックブレイク』!……

ハッ!」


ユキナが何やらスキル名を叫ぶと鉄扇に光が集まります……

そして、鉄扇を竜巻に向けて振り下ろすと、竜巻が消えてしまいました。


「なっ!?…」


「これで策は尽きましたか?」


「舐めんなよ!『ステルスドライブ』!」


「また姿を消すスキルですか…芸のないことです……」


「うるさい!…えっ!?……ガッァ!……」


「折角姿を消してたのに、声を出して場所を知らせるなんて…バカなんですか?」


「……お前は絶対、殺す!殺す!殺す!殺すッ!!!!」


「図星を突かれて逆ギレするのですか……?

ハァ…今時小学生でもキチンとしてますよ……」


「黙れ!黙れ!黙れッー!『ピアーズドアサシン』!」


「させません!『リフレクション』!」


「がっ!……お前も邪魔するのかぁぁー!」


「邪魔もなにも…こちらは始めからチームで戦っていますよ」


「うるさい!黙れ!『ベノムペネトレイト』!」


「お嬢様に暴言を吐きながら剣を向けるなんて…万死に値しますね。『カバーシフト』、『パリィ』」


「ちっぃぃ!……『フェイタルストライク』!」


「無駄です…『ファランクス』!」


「なっ!……」


「さて、そろそろトドメと参りましょうか……」


「そうですね。」


ダウンした弟さんへ私達がトドメを刺そうとした瞬間、森の中から制止の声が聞こえました。


「ユキナさん、シア、ストップよ!!」


「フィル様なぜ止めるのでしょうか?」

「そうですよ!」


「事情があるのよ…

シア…オープンテレパスお願い出来るかしら?」


「先程クールタイムが終わったので大丈夫です!『オープンテレパス』」


(ありがとう…シア)


(構いませんが…制止した理由を教えてくれませんか……?)


(ええ構わないわ…ただ、あの男の動きを先に封じても良いかしら?)


(では、私が…)


「あがっ!……」


(……容赦なく足を切断したわね…)


(ユキナ…無表情で切り落とすのが凄く怖いですね……)



ユキナが容赦なく弟さんの行動を封じた為、フィルちゃんから事情を聞きます……











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