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慈愛の聖女  作者: クー
第3章 第三回公式イベント~本戦編~
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絶対に許さない!…


今回は少し不愉快に感じられるお話です。

そう言った方はあまり見ない方がいいかもしれません。

戦闘描写も皆無です。


私は森の中に潜伏していた女性二人を発見し、対峙しているのだけど……

最初は魔法を警戒していたけど、何故か私に一切攻撃をしてこないので疑問を解消すべく口を開く。


『『ファイアランス』』


「ねぇ…なんで先からあなた達は魔法を私じゃなくて、シア達の方に撃つの?」


「「それが命令だからです」」


「……質問を変えるわね。どうしてあなた達はあの男の言うことを聞いているの?」


「「……私達があの方達の奴隷だからです」」


「……じゃあ次の質問ね。どうしてあなた達は奴隷になったの?」


「「ッ…………」」


「あら、(だんま)りなのね……

どうせ何か弱みでも握られてるとかでしょ?」


「あなたには分かりませんよ……」

「そうです。あなたはあの方達の恐ろしさを知りません……」


「……あの男達の事を過剰に恐れてるのね。

安心して…私達がコテンパンにするから」


「そんな事をしても無駄です……」

「あの方達が仮にここで負けたとしても、大会が終わった後で、ずっとあなた達を付け狙うはずです……」


「粘着してくる連中なのね…でも、関係ないわよ。

付け狙われてもその度にボコボコにすると、その内諦めるでしょ?」


「やはり何も分かっていませんね……」

「あの方達が諦めるなんてあり得ません。」


「なんなの…そんなにアイツらが怖いの?

確かにステータスでは負けてるかもしれないけど、見た感じ、戦っても負ける要素がないわよ」


「あなた達がどれだけ強くても関係ありません。」

「あの方達はいつ如何なる時でも、あなた達を狙い屈服するまで追い込むでしょう」


「……そこまで言うのだったら何か証拠でもあるの?」


「ありますよ」


「えっ?……」


「あの方達の恐ろしさを分かって貰う為に、少し昔話をしてあげる」

「私達は大体1ヶ月前にゲームを始めて、楽しくプレイしていたの……

それで始めてから1週間が経った頃、PKの連中に襲われたわ……」


「それがあの男達ね……」


「違うわよ…PKに襲われたけど、その時に"正義の剣華"って言うクランが助けに来てくれて、そのPK達を全部倒しちゃったの……

そして、その姿に憧れて私達も正義の剣華に入団したのよ。」

「正義の剣華はクラン名の通り、悪を許さず悪者には正義の鉄槌を下す女性だけで構成されたクランでいわゆる正義のヒーロー…女性だからヒロインか……つまりそんなのをやってたわ……」


「へぇ…良いクランじゃない」


「そう…私達は酔っていたのよ…自分達ならどんな悪人でも成敗出来ると……」

「私達は傲ってたのよ…そしてそんな私達に鉄槌が下ったのでしょうね……

悪夢のあの日…正義の剣華がバラバラになる日がやってきたわ。」


「…一体何があったのよ……?」


「その日は悪名高いキール兄弟の目撃情報が入ったの…

私達正義の剣華は、あのキール兄弟を改心させたら更に上のステージに上がれると思い、情報を基にあの方達の居場所へ向かったのよ……

最初は話し合いで解決しようとしてたけど、あの方達が私達の仲間の一人をキルしたことにより、全面対決が始まったわ。

私達はその時14人のクランメンバーがいたから、犠牲を出しながらも何とか倒す事に成功したのよ」


「凄いじゃない!…でも、PKKが成功したのに悪夢って言うからには、その後に問題があったのね?」


「その通りよ。そこからが悪夢の始まりだった……

キール兄弟を倒した日を境に徐々にクランメンバーの集まりが悪くなっていったの。

最初はリアルが忙しいのかな?って思ってたので、特に疑問に思わず過ごしていたわ……

でも、クランメンバーが半数を切った辺りで、何かがおかしいと皆思い始めたのよ……

そこで、クランリーダーが異変に対して動いたのよ。」


「リーダーが自ら動いたのね…本当に良いクランね」


「でもね…その日以降、私達はクランリーダーの姿を一度も見ていないわ……」


「えっ?」


「そして、リーダーが消えた後も、どんどんクランメンバーがいなくなっていったわ……」

「そんなある日、私と仲が良かったクランメンバーからメッセージが入ったの。

その中にはこの事件の真相が書かれてたわね……」


「……」


「話の流れで分かる通り、私達のクランのメンバーはキール兄弟によって凄惨な目にあわされて、恐怖のあまりログインが出来なくなっていたの。」


「それを運営に報告しなかったの?」


「しようとしたわよ!!!

でもね、通報しようとした時に私達もキール兄弟に捕まってしまったわ。」

「ねぇあなた…私達があの兄弟に捕まった時、最初に何をされたか分かるかしら?」


「……いたぶるようにキルされた…?」


「いいえ。そんな甘くないわ……

あの方達が私達に最初にしたのは、心を折ることだったの」


「心を折る…そんなに簡単な事ではないと思うのだけど……」


「そんなことはないわ。心が折れるなんてすぐよ……

絶望…ただこれだけで心は折れるわ。」


「それこそ難しいと思うけど……」


「あの方達は私達に沢山のスクショを見せてきたわ……

そこに何が写ってたと思う?」


「はっ!…まさか……?」


「そう。キール兄弟のオモチャにされたクランメンバーの姿よ!

あられもない姿で目が死んでいるクランリーダー、顔を泣き腫らしながら土下座している副リーダー、足蹴にされながら絶望した表情を浮かべるクランメンバー、全身拘束され拷問を受ける仲の良かったクランメンバー……

そんなスクショを山ほど見せられて、耳元で次はお前らだって囁かれたら絶望するに決まっているでしょ!」


「許せないわね……」


「そうよ!許せないわ!

でもね、アイツらは私達のリアルの情報を握っていて、通報しようものなら徹底的に潰してくるのよ!」


「そんなの普通に犯罪でしょ!」


「犯罪よ!でも、アイツらはそれを普通に実行するの!

私達一番絶望したのは何か分かる?…現実世界のクランリーダーが複数の男達に弄ばれていたスクショよ!」


「クランリーダーは責任感が強い人でね、ゲームを引退した後、最後の力を振り絞ってアイツらの悪行を告発したの……でも、それがアイツらに見つかってあんな目に……うっ……」

「グスッ……」


「辛いのに話を聞かせてくれてありがとうね。

あなた達の勇気は無駄にはしないわ!」


「あなたに何が出きるって言うのよ!」


「あなた達を救うことが出来るわ!」


「そんなの不可能よ!」


「不可能なんかじゃないわ!」


「そうやってまた私達を絶望させるのよ!」

「ねぇ知ってる?……人間って希望を抱いた時に絶望すると落差でおかしくなるのよ...…」


「なら、あなた達はこのままでいいの?」


「いいわけないじゃない!

でも無理なの…この地獄からは死ぬまで抜けられないの……」

「うっ……」


「なら私があなた達を守るわ!

このゲーム内でも、現実世界でもね!…だからあなた達も殻に籠るのではなくて、助けてって声をあげて欲しいの!」

「その勇気さえ持ってくれたら、私は全ての力を持ってあの男達を叩き潰すわ!」


「そんなこと出来るはずが……」

 

「出来るわ!」


「だって現実世界の私達を知らないのに守れるはずがないじゃない!」


「そうね。だからもっとあなた達の事を教えて」


「何を言ってるの?本気で現実世界の私達を救うつもり?」


「本気よ。確かにあなた達に先に話させるのも礼儀に反するわね……じゃあ私の事を先に話すわね」


「えっ?」


「私の現実世界の名前は九…」「ち、ちょっと待って!」


「カメラ動いているのよ!…現実世界の情報を言うなんてあり得ないわ!」


「確かにそうね…ならメッセージを送るからフレンド登録お願い」


「あなた…本気なの?」


「本気に決まってるでしょ!…

ほら申請送ったから承認押して」


「あなたおかしいわよ!…普通は初めて会った人にそこまでしないわ!」

「そうよ!何を企んでいるの?」


「なら、私が普通じゃないだけよ。

私は私の倫理や誇りの為にあなた達を救いたいだけ……

ようはあなた達の為と言うより、私のエゴね……」


「嘘でしょ?…そんなエゴがあるなんて……」


「だからあなた達は安心して私に救われなさい!」


「ッ……」

「グスッ……」


「最後にもう一度問うわね…私は、あなた達をあの男達から解放させたいと願っているわ!……

それで、あなた達は解放されたいと思っているの?」


「「……が、解放ざれだいです!!……」」


「辛いのによく言ってくれたわ!…私は全力であなた達を守ると誓うわ!」


「「ッ……あ、ありがどう……」」


「どういたしまして!」


これであの子達を救うのに全力を出せそうね!

あの男達…絶対に許さないわよ!…叩き潰してあげるから、首を洗って待ってなさい!







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