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慈愛の聖女  作者: クー
第2章 第三回公式イベント~予選編~
39/67

予選一回目は不完全燃焼です


「フェリシアちゃん『空間把握』のスキルよろしく」


急に草原に転送された事で、固まってた私は師匠の言葉を受け、慌ててスキルを発動します。


「は、はい。『空間把握』!」


空間把握はサーチを強化したスキルで、周囲の情報を知ることが出来ます。


「近くに3人います! 1人は北西、もう2人は南です!」


「OK 北西の方はまだパーティーと合流出来てないから、先に叩くで!」


「はい!」


「作戦通り、俺が前衛でのアタッカー、ユキナさんがタンクで基本的にフェリシアちゃんの守り、フィルちゃんは前衛か後衛を臨機応変に、フェリシアちゃんは後衛でサポートよろしく!」


「分かりました!」

「お嬢様は私が守ります!」

「カバーは任せて!」


「よっしゃチーム『お嬢様と共に』始動や!

……ホンマにこのチーム名で良かったんか……?」


師匠の仰る通り、謎のチーム名ですよね……

これは、イベント始まる直前に猫さんが最後に言い残した言葉が原因です……




イベント開始4分前……

『あ、そうそう言い忘れてたにゃ』

『入賞した時に区別がつかにゃいから、パーティー名を決めるにゃ。

決めにゃいと、パーティーリーダーの名前がパーティー名として登録されるにゃ。』


「おいおい、開始直前でえらいもん放りこんできたな……

バーティー名やと…どないする?」


「「……」」

「私に案があります。」


「マジで!? どんなんや?」


「ズバリ!『お嬢様ラブ』です!」


「「「……」」」


「完璧すぎて声も出ないようですね。これで登録しますね」


「ちょっ! この沈黙はあまりのパーティー名にビックリしてただけや!」


「何が不満なんでしょうか?」


「不満しかないわ!」

「ユキナさすがにそれは……」

「ユキナさん…普段は完璧なのに、シアの事になると暴走するのよね……」


「そうですか……」


あっ…ユキナがしゅんとしちゃいました……


「い、いや、良く考えるとそう悪いパーティー名じゃない気も……」

「そ、そうですね。ちょっと奇抜ですが、先進的と言いますか……」


「あなた達……」


フォローする私と師匠に対して、フィルちゃんの視線が冷ややかです……

仕方ないじゃないですか……しおらしいユキナが可哀想なので……


「ユキナさん。流石にお嬢様ラブは恥ずかしいわね……

何か違う案はないかしら?」


「では、『お嬢様と下僕』はどうでしょう?」


「……ある意味先より酷いわね……」


「ヤバいぞそろそろ時間や! 

このままじゃチーム『パンダモン』になるで!」


「もうそれで良いんじゃないかしら……」


「俺が嫌やわ! 何かないか?」


「下僕ではなくお供とかにすれば良いのでは?」


「それや! チーム『お嬢様とお供』や!」


「それだと私達脇役ね……」


「じゃあ、『お嬢様と共に』でどうや!」


「師匠。もう時間がありません!」


「もうこれでいくで!」


こうして私達のチーム名は『お嬢様と共に』に決まってしまいました……これで良いのでしょうか……










「決まってしまったものは仕方ないでしょ

細かいことは気にせずに行くわよ!」


あまり締まらないまま、このイベントで初めての戦いの幕が上がるのでした……



「敵は杖を持ってるから恐らく魔法職かヒーラーや。

距離詰めて一気に倒すで!」


そう言うと師匠は1人で歩いてた男性プレイヤーへ突撃します。


「くっ……フルパーティー相手か……」

「くそっ! パーティー揃う前にやられてたまるか!

『サンダーランス』!」


師匠へ向かって、雷の槍が襲いかかります。


「させません! 『リフレクション』!」


「ぐぁ!……くそっ!リフレクションか」


「ナイスフォロー フェリシアちゃん!

くらえ!『ソウルキャリバー』!」


師匠のソウルキャリバーが直撃し、相手の方のHPが0になりました。


「一撃かよ……くっ!リタイア早すぎ……」


そう言い残して、男性プレイヤーが粒子に変わります。


「よっしゃ! 勝ったで!」


「はい!」

「25ポイント……これで私達がトップね!」


「よし!ガンガンいくでー

フェリシアちゃん『空間把握』また頼む」


「分かりました!」

「先程の南の2人が3人に増えてます! 後は…東に4人です!」


「南と東のパーティーの距離はどないや?」


「まだちょっと離れてますが、数分でエンカウントしそうです。」


「よし、まず南をさっさと倒して、その次は東や

最悪乱戦の可能性も視野にいれながら行くで。」


「複数人相手だとイレギュラーの可能性があるわよ。

撤退の方角ぐらいは決めといた方が良さそうね」


「確かにな。冷静な意見助かるわ。

そうやな……撤退の場合は北にするで」


「はい!」

「分かったわ」

「かしこまりました」


「多分大丈夫やと思うけどな! よし!行くでー」


南へ歩を進めると、男性プレイヤー3人を見つけます。

1人だけが初心者マークを付けて、後の2人は装備が強そうです。


「おっ! 敵がおったぞ!」

「フルパーティーか……でも初心者マーク3人か…」

「おお!? 向こうの女の子達めちゃくちゃ可愛いぞ!」


「俺が正面のヤツを速攻でやるから、フィルちゃんは右のヤツ頼む。

ユキナさんとフェリシアちゃんは左のヤツの牽制よろしく!」


「私が左を担当するから、シア達は右をお願い」


「ん? 何か理由があるんか?」


「左は杖を持ってるから後衛職でしょ

それなら素早く倒せそうだからよ」


「OKじゃあそれでよろしく!」


「それに、左の男 私達を見る目が凄くヤラシイわ…速やかに駆除しないとね」


「お、おう……」











「俺の相手はお前か……可愛い女の子とやりたかったんだけど……」


「うちの女性陣はおっかないぞ。俺で良かったと思うで!」


「テメェがパーティーリーダーだろ? ホラ吹くなよ」


「そう思っとけや……」

「行くで! 『ソウルキャリバー』!」


「チッ! そんな攻撃受けるかよ!『フルガード』!」


ちっ!…コイツフルガード持っとるんか……

だがな、俺にはコレがあるんやで!


「ハッ!『シールドブレイク』!」


「コイツ!…DEFアップ系を崩すスキル持ちか!」


「その通りや!『ヒートエッジ』!」


「くっ!…ダメージが多い……」


「まだまだ行くで-『アサルトステップ』!」


俺はアサルトステップで敵を翻弄しながら斬りつける

相手もちょくちょく反撃してくるが、敵じゃないな


「くそっ…『ハイスラッシュ』!」


「ふんっ!…そんなダメージ意味ないで『アブソーブエッジ』!」


「ぐっ……そのスキルはズルいぞ! 俺のHPとMP奪いやがって…しかも奪う量が多すぎる」



「俺のパッシブスキルのお陰やで!

ついでにこれも食らっとけ、『リベンジスラッシュ』!」


「チッ!…ここでリタイアかよ……」


フルガード覚えてたし、DEFとHPが高くて時間かかると思ったけど、あんまり大したこと無かったな……

それとも、昨日スキルショッブで獲得した『アンステイブル』が強すぎたかもな。

アンステイブルはHPやMPが増減すればするほど、ATKが上がるし、HPやMPを増減させるスキル自体の威力を高める効果があるからな。


「こっちは片付いたし、手伝いでも行くか!」


そう思って、フィルちゃんとユキナさんの方を見ると、

どっちも戦闘終わってるやん……


「ホンマにうちの女性陣は頼もしいな」




















「うひょー♪ 君が俺の相手してくれるのん?」


「そうね。すぐに倒してあげるわ」


「いいね、いいねー 俺、君みたいな気の強い女の子超好み♡」


「私はあなたの事、全く興味ないわね」


「……その自信満々なツラが泣き顔になると思うと、あー興奮する」

「安心して、すぐにキルはしないから。

ちょっとずつ痛めつけてじっくり倒すから♡」


「そう。私はあなたの顔なんか見たくもないから、すぐに倒してあげるわね」


「ちっ!…生意気すぎなんだよ。初心者なのにイキるんじゃねーぞ。」

「マジで泣かすからな。

はぁ……このゲームはリアルだけど、攻撃で服が破けないのがダメなんだよな。破けるならじっくり鑑賞するのに……」


はぁ……気持ち悪い目で見てきたから、直接始末したいと志願したけど、ちょっと早まったかしら……

想像以上に気持ち悪いわね……


でも、コレをユキナさんの前に出さなくて良かったかも…キルだけじゃ済まなさそうだし……

まあ、いいわ。さっさと片付けましょう


「本当に気持ち悪いわね。さっさとやりましょ」


「すぐに泣かしてやるよ!『ファイアランス』!」


何の工夫も無く、真正面から魔法を撃ってくるのね……

舐めてるのかしら……

ファイアランスを軽く避けると、なぜか相手が驚いた表情で見てくる。


「なんで、避けれるんだ!」


「えっ?……逆に真っ正面からの攻撃が避けられないとでも思ったのかしら?」


「うるさい! 『ファイアストーム』!」

「これなら避けられないだろ!」


あの男の魔法で、私の周囲に炎の渦が発生しようとするけど、これも普通に避けれれそうね……ちょっと腹が立つから正面から破ろうかしら……


私は『エレメンタルエッジ』のスキルを刀に付与し、発生しようとする炎の渦に向かって、周囲一帯を両断する技を出す。


明月(めいげつ)!!」


「は?……魔法を斬っただと……」


「あら、知らなかった? 武器にスキルを乗せると、魔法も斬れるのよ」


「もちろん知ってる!だが、あれはタイミングがシビアすぎるのと威力が必要なはず……

お、お前はその両方をクリアしたのか!?」


「そこまで難しくないわよ。

そろそろ貴方も斬るわね」


「ひ、ひぃ! 『ファイアバレット』、『フレイムピラー』、『フレアカッター』、『ファイアボール』」


炎の弾丸が襲ってくるファイアバレットは散雪(ちりゆき)で全て叩き落とし、炎の柱が出てくるフレイムピラーは躱し、炎の半月状な刃は瞬月(しゅんげつ)で両断。

刀を一度納め、最後のファイアボールを躱し、間合いに入る。


宵月(よいづき)!!」


「はへ?……」


宵月は突進の勢いを全て刀に集約して放つ抜刀術。

結果は見ての通り、一撃であの男の首を飛ばし倒すことが出来た。


「ば、バカな……」


あの男が何か言ってるような気がするけど、私の興味はもうそこにはないので、無視します。


「さて、戦況はどうなってるかしら……」




















私達の相手は初心者マークが表示された男の子ですが、先程から全く動きません。


「…………」


「お嬢様…隙だらけなので、倒してしまっても良いでしょうか?」


「う、うーん…勝負なので良いのではないでしょうか……」


「では、やっちゃいますね。」


「う、うわ!?……急に何するんや!」


「倒しきれませんでしたか……」


「ひ、卑怯やぞ!」


「敵を前に突っ立ってる方が悪いのでは?」


「う、うるさい! 可愛いすぎて攻撃出来ないやん。ズルいぞ!」


「……では、そのまま退場してください。」


「はがっ!……」


えっーと……戦闘と呼ぶにはかなり一方的でしたが、勝利です!

あれ?……私何もしてません……



「そっちも終わったようやな」


「大したこと無かったわね」


「私は何もしてません……」


「えっ!? そんなに弱かったんか?」


「それが……」「お嬢様危ない!」


私が話そうとすると、氷の槍が飛んできたのですが、ユキナが叩き落としてしまいました。


「ユキナありがとうございます。」


「ちっ、防がれたか」


「東にいた奴らがもう来たか……」


「おい、相手めちゃくちゃ可愛いぞ」

「やば……あんなの攻撃できんぞ……」

「う、美しい……」


パーティーリーダーの方だけが闘志を漲らせてますが、他の初心者マークの3人はあまりやる気が無さそうです……


「お前らうるさい! 相手も初心者マーク3人でこっちと同じ条件だ。倒せるぞ!」


「リーダー女の子には優しくしないと……」

「そうだそうだ!」


「うるさい!」


「だからリーダーはもて…ガハッ!……」


えっ!?…一番左にいた方の頭が吹き飛んだのですが……


「鬱陶しいから思わず撃っちゃったわ…」


「「「え~~っ!」」」


「いや敵が目の前にいるのに、悠長に話してる方がおかしいやろ」


師匠はそう言うと、2人目を一瞬で倒してしまいました。


「くそっ!…早く体勢を立て直すぞ!」


「それは無理ね。花踏(はなふみ)!」


「!?…いつの間にこんなに近く……」


瞬月(しゅんげつ)!」


フィルちゃんが一瞬で間合いを詰める花踏で肉薄し、

相手のパーティーリーダーを瞬月で斬り伏せます。


「リーダー!?」


「貴方も終わりよ。瞬月(しゅんげつ)!」


「はへっ?……」


フィルちゃん1人で3人も倒しちゃいました。

また、私何もやってません……


「フィルちゃんヤバいな……」

「流石フィルちゃんです! でも、また私何もしてません……」

「フィル様お見事です」


「先から歯応えがないわね……強い相手はいないのかしら?」


「まだ、予選一回目やから、運悪すぎない限りこんなもんやろ」


「そう……じゃあ早く終わらせるわよ」


そこからのフィルちゃんは怒涛の勢いで敵を倒していき、最終的なスコアは425ポイントと断トツの成績で予選一回目を勝ち抜ける事が出来ました。






















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