イチャイチャとアップデート
静華の衝撃的な一言で、あの場がお開きになり、
私は桃花ちゃんの部屋へ移動しました。
なお、静華はお母様がお・は・な・しをするそうなのでこの場にはいません……
「静華さんの香織ラブには困ったものね……
少し聞くのが怖いけど、正直、貴方は静華さんの事をどう思っているのかしら?」
「もちろん静華の事は大好きですが、その…恋愛的な意味では違うと思います。
それに、あれは静華の冗談だと思いますよ」
「いや、あれは結構本気の目をしてたわよ……」
「仮に静華が本気でも、私はそもそも恋というものがよく分からないのでお断りすると思います。」
「そうだったわね。香織はまだまだお子様なのを忘れてたわ」
「むっー! 桃花ちゃんだっていつまでもお兄様に告白しないくせに!」
「なっ……香織も言うようになったわね。生意気な香織にはお仕置きね!」
「きゃっ!……桃花ちゃんそこはダメです……」
「ここがいいのね……えい!」
「ひゃん!」
「もう! こうなったらこっちも反撃です!」
「あっ! 香織くすぐったいわ……」
「まだまだいきますよ~」
「んっ……そこはダメ…」
「あなた達、先から騒がしいけど何をやっているの?」
私と桃花ちゃんがじゃれ合ってると、英里おば様が扉から顔を出します。
「あら? 随分仲が良いのね。
そっか、そっか、香織ちゃんの本命は桃花だったのね!
今日はお赤飯炊かないと」
盛大な誤解をしたまま、英里おば様は去っていきます
「ご、誤解です!」
「お母様!あれは違うの!」
私と桃花ちゃんは誤解を解くために、全力で後を追いかけるのでした……
何とか英里おば様に追い付き、30分ほど説明をきちんとしたことで、何とか誤解は解けましたが、
誤解を解いてる間、静華が私の事を疑いの目でじっと見つめており、浮気を言い訳するダメ男の気分でした……
その後、お昼ご飯を一緒に食べて、再び桃花ちゃんの部屋へ戻ります。
先ほどの事もあり、今回は静華も一緒にいます……
「先は酷い目に遭いましたね……」
「そうね…はしゃぎすぎてしまったわね……」
「あっ、そう言えばギリシャのお土産渡してなかったわよね。ちょっと待ってて」
この桃花ちゃんの一言で、私と静華に緊張が走ります……
「お待たせ……香織にはコレね!」
「桃花ちゃんこれは…?」
「魚の鱗取りよ」
それは見たら分かります……
そうじゃなくて、なんでギリシャに行ったお土産が鱗取りなんですかー
「香織はお料理するでしょ? これで魚料理も安心かと思って選んだわ」
……桃花ちゃんは貰う人の気持ちをよく考えて選んでくれるので、わざと変なお土産にしてる訳ではないのです。
なので文句なんて口が裂けても言えません……
「あ、ありがとうございます。大切に使うね桃花ちゃん」
私の笑顔引きつってないでしょうか……
「じゃあ次は静華さんね」
「は、はい……」
あの静華が動揺しています……
「静華さんにはコレね!」
桃花ちゃんが静華に渡したのは、どこからどう見ても、
呪いの人形のキーホルダーです……
「き、キーホルダーですか……も、桃花様なぜこれをお選びに?」
「静華さんが最近、自動車の教習所に通ってるって聞いたから、免許取った後、車の鍵に付けるキーホルダーが必要と思ったのよ」
「さ、左様でございますか。
ありがとうございます、桃花様」
「それと、司さんの分もあるのだけど、どこか時間が取れる所ってないかしら?」
「最近忙しそうなので、ちょっと……
ちなみにお兄様へのお土産は何でしょうか?」
「これよ」
桃花ちゃんが自信満々に持ってきたのは、なんとペナントでした……
ペナントにはパルテノン神殿の絵が描かれていて、
確かにお兄様は遺跡や神殿などが好きですが、流石にコレはどうなんでしょう……?
「そ、その……お兄様は忙しそうなので、私からお渡ししましょうか?」
「そう?…では香織お願いね」
流石のお兄様でも、ポーカーフェイスが崩れてしまう可能性がある為、私からお渡しした方が良さそうです……
「あと、茜からも奏多君宛に、
コレを預かってるから渡しといて貰えるかしら?」
「わ、分かりました……」
桃花ちゃんからお願いされて受け取ったのは、
静華が貰った呪いの人形のキーホルダーの色違いでした……
「英里ちゃん。そろそろお暇するわね。
またお茶しましょ♪」
「そうね。ゆっくりお話し出来て楽しかったわ」
「お、お土産もありがとう……」
「どういたしまして」
「桃花ちゃん。今日は誘って頂いてありがとうございます。そ、それとお土産もありがとうございます。」
「どういたしまして。そろそろゲームのアップデートも終わる頃だし、また14時に集合で良いわね?」
「はい! 楽しみです!」
帰りの車の中、お母様がお話を振ってきます。
「香織。そ、その…桃花ちゃんからのお土産はどうだったの……?」
「え、えっと…私は鱗取りでした……」
「鱗取り!? ま、まあエーゲ海も有名だし、実用的なもので良かったわね…?」
「はい!……でも私は良かったのですが、静華が……」
「私はキーホルダーでした」
「あら……まだ良い方じゃない?」
「奥様。実物はこれです……」
「何この呪われてそうなキーホルダー……」
「ちなみに、茜ちゃんからかな君へのお土産も、それの色違いです……」
「……奏多、泣かないかしら?」
「その時は私が慰めます!」
私のかな君への愛は軽く流され、お母様はお兄様のお土産についても触れてきます。
「それで、司のはどうだったの?」
「パルテノン神殿が描かれたペナントです……」
「そ、それは、司でも持て余しそうね……」
「そう言えば、お母様は英里おば様から何を頂いたのでしょうか?」
「フスタネラよ……」
「ギリシャの民族衣装でしたよね?」
「ええ、そうよ」
「家の中でしたら、着れそうですね」
「残念ながら、これ男性用なのよ……」
「……」
「九条家の女はなんでこんなにお土産のセンスがないのかしら……
透さんはまともなのに……」
「お母様…でも皆さん貰う人の事をしっかり考えて選んでくれてますよ……」
「そうなのよ……だから指摘が出来ないのよね……」
「分かります……」
九条家の女性は基本的に何でも出来ますが、お土産のセンスだけが壊滅的です……
やはり完璧な人間はいないって事ですね……
家に帰宅すると、VRヘッドギアの電源を入れ、ユーディストオンラインへログインします。
「シア、早かったわね」
「フィルちゃんお待たせしましたか?」
「アップデートの内容を確認してたから大丈夫よ」
「シアも確認してみたら」
フィルちゃんに促されアップデートの内容を確認します。
ユーディストオンラインをプレイする皆様へ
プレイヤーの皆様。ご利用頂きありがとうございます。
ユーディストオンライン運営事務局です。
本日6時より実施していましたシステムメンテナンスが終了いたしました。
本システムメンテナンス作業では、下記のアップデートを実施しております。
●新たなエリアの開拓 ▼詳細はこちら
●新たなスキルの追加 ▼詳細はこちら
●新たなロールの追加
●ステータスにおけるダメージ量の調整 ▼詳細はこちら
●スキル名のテキスト変更
●各種バランス調整
●ハーフアニバーサリーイベントの実施 ▼詳細はこちら
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「私たちに関係ありそうなのは、ハーフアニバーサリーイベント関連ね」
「特に一番の目玉、第三回公式イベント にはもちろん参加するわよね?」
「えっと……第三回公式イベント。
4人のパーティーを作り、1ブロック8組~12組のパーティーで戦う、バトルロイヤル方式。
1人倒すことで10ポイント入り、制限時間内にポイントの高かったパーティーが勝利ですか……」
「ステータスが低いと足を引っ張りそうなので、初心者の私達には少し早いかもですね……」
「そうとも言えないわよシア。最後まで読んでみなさい」
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なおイベント期間中、このゲームを開始して1ヵ月以内のプレイヤーには、名前の横に初心者マークが表示されます。
この初心者マークを持つプレイヤーは様々な特殊ルールを採用しています。
・初心者マークがついたプレイヤーを倒した場合、獲得出来るのは5ポイントとする。
・初心者マークがついたプレイヤーがいるパーティーは、獲得ポイントが1人につき50%アップする。
・初心者マークがついたプレイヤーは、パーティーリーダーと同様のステータスを1つ得られる。
※時間は10分間 1試合3回まで 併用不可
・初心者マークがついたプレイヤーは1度HPを全損しても1度だけ復活することが出来る。ただし復活場所はランダム。
・初心者マークがついたプレイヤーはパーティーリーダーにはなれない。
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「どう? 私達でも十分に活躍出来そうじゃない?」
「はい。これならいけそうです!」
「でもどうしてこんなに初心者のプレイヤーが有利なのでしょうか?」
「最近、販売本数を大幅に増やしたっ てニュースでやってたからじゃない?」
「そう言えば、前に師匠も今は初心者が沢山いるって仰っていました。」
「それでこのイベントもちろん参加するわよね?」
「でも、これ4人パーティーですよね……
私とフィルちゃん、ユキナとユーピョンさんと師匠だと1人参加出来ません……」
「そうね……私達がここで言ってても仕方ないので、皆が来てから決めましょうか」
「そうですね……」
「今日の予定はパーティー決めと、マーガレットさんの所で防具を受け取り、あの変態の所で武器受け取るので良かったかしら?」
「はい! でも皆さん来られるまで時間もありますし、3人でどこか行きませんか?」
「そうね……昨日シアが迷子になった大蛇の森に行きましょうか?」
「もうフィルちゃん昨日の事は思い出さないで……
私も大蛇の森で大丈夫ですが、ユキナはそれでも良いですか?」
「お嬢様の行きたい所に、私はついていきます」
「では、大蛇の森へ行きましょう!」




