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20XXの人間失格者  作者: 来栖総一郎
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まだ読むか?

あたまがぐらぐらする。

がひっくりかえるようだ。

「ヴォェ!…ハア…ハッ。」

ぼくいまトイレでもどしていた。

あまりにもゆがんだ大介だいすけにいちゃんの子供こどもころこころのありさまに、そして洋介ようすけにいちゃんが用水路ようすいろとされてけた事実じじつに、それが大介だいすけにいちゃんの仕業しわざだったことに、そのこころつくった伯父おじさんの非道ひどさに、気分きぶんわるくなってしまって、トイレにんだんだ。


「おまえ本当ほんとう大丈夫だいじょうぶか?かおさおだぞ。」

そう親父おやじいてくる。


大丈夫だいじょうぶだよ。まだまだこれくらい平気へいきさ。」

ぼく平然へいぜんよそおっているが、内心ないしんまだまだこころ整理せいりがつかない。


「ところでとおさん、洋介ようすけにいちゃんが用水路ようすいろちたってはなし本当ほんとうなの?ぼくまれるまえはなしだけど。」

ぼく大介だいすけにいちゃんが中学生ちゅうがくせいになったあたりでまれたから真偽しんぎがわからなかった。


用水路ようすいろ事実じじつはあった。」

ぼくおどろいた。

親父おやじつづける。


「ただ、当時とうじ大介だいすけがそんなことをするとはおもえなかった。だけどにいさんが大介だいすけ暴行ぼうこうしてとんでもない状態じょうたいだったな。じいちゃんがめるまで。」

親父おやじはこめかみにゆびてて、当時とうじおもしているようだった。


「だが手帳てちょうかぎり、当時とうじはわからなかったが、故意こい洋介ようすけ用水路ようすいろとしたのは事実じじつだったようだ。」

親父おやじ残念ざんねんそうなかおをしていた。


大介だいすけ洋介ようすけすくってやりたかったけど、あのけられないにいさんがこわくてなあ。」

どれだけ伯父おじさんは気性きしょうはげしいひとだったのだろう。

親父おやじがこれだけのことうのだから相当そうとうなものだったのだろう。

当時とうじ想像そうぞうできないが、もうくなっているが、やさしかった伯父おじさんがこわくなってきた。


「でも伯父おじさんやさしかったよ?伯母おばさんも。想像そうぞう出来できないよ。」

伯父おじさんも伯母おばさんもやさしかった。

あたまでてくれた。

やさしい言葉ことばもたくさんけてくれた。


「そうなんだよ。ねえさんもにいさんも普段ふだんはとてもやさしいひとだったんだよ。ただ、大介だいすけ兄弟きょうだいには、客観的きゃっかんてきてすごいつめたかったんだ。教育きょういくだから、とってな。」

教育きょういく言葉ことばあたえない、暴力ぼうりょくだまらせること教育きょういく…?


「そんな教育きょういくなんてあるものか!あ…」

ついぼくあつくなってこえしてしまった。


「そうだよなあ。」

親父おやじ残念ざんねんそうな、なにかを失敗しっぱいしてしまったようなかおをしていた。


「まだむか?無理むりっていかなくてもいいんだぞ。」

親父おやじ心配しんぱいそうにぼくかおている。


むよ。ってく。」

ぼくふたたび、くろ手帳てちょう日記にっきた。


「ん?」

数冊すうさつコゲているものがある。

何故なぜだろう?


「ねえとおさん、大介だいすけにいちゃん家族かぞく火事かじったことがあるの?」

「は?いや、うーん、記憶きおくには火事かじいなあ。」

じゃあ何故なぜ数冊すうさつが少しコゲているのだろう。


なにがあったのだろうか。




続けます。次回「日記1」

2017.7.10

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