表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20XXの人間失格者  作者: 来栖総一郎
34/78

手帳3-1

中学生ちゅうがくせいになった。

地獄じごくのような小学校しょうがっこうわり、げるように引越ひっこししをえて中学ちゅうがく入学にゅうがくした。


小学校しょうがっこう卒業式そつぎょうしきも、中学校ちゅうがっこう入学式にゅうがくしきも、わたし両親りょうしんてくれなかった。


わたしたいして本当ほんとう興味きょうみいのだなとおもった。


またあたらしい場所ばしょで、だが今回こんかいくさっためのような場所ばしょからげたのだ。


今度こんどこときる。

そんな予感よかんがしていた。


だがそれはあまかんがえだったことに、わたしいまでもあたまいたい。

本当ほんとうわたし地獄じごくはこれから、もっと苛烈かれつになってったのだった。


新居しんきょ近所きんじょでも有名ゆうめいなお屋敷やしきだった。


道路どうろはさんでかいがわにはおてらがあり、墓地ぼちがあった。


わたしへんもの体質たいしつあいまって、毎日まいにちおびえて生活せいかつすることになった。


毎日まいにちだれないのに階段かいだんのぼおとがしたり、ひと気配けはいかんじてかえると、くろい「モヤ」のようなものがあって、それがうごめいていたり、トイレのふたけるとかおがあったりと、わたしこころいえけずれれていった。


そんななかわたし中学校ちゅうがっこうかよことになったのだ。


「あのお屋敷やしきんでるやつだよ」などと陰口かげぐちたたかれていたのをわたしこえていた。

みみだけはみょうかったのだ。

いまでもそれがいかわるいかは、からないのだが。


学校がっこうなにかとわたしはなしかけてくれるやつた。

してわたしに、いまからかんがえるとみんなめるように、心配しんぱいして世話せわいてくれていたのだとおもう。


「おまえかなりクラスでいてるぞ。もっとみんな馴染なじむように、言葉ことばとか態度たいど使つかったほうがいい。」

当時とうじわたし他人たにんとの距離きょりからなかった。

もっとこの言葉ことばたいして、真剣しんけんって、上手じょうずうそのつきかたかんがえていたら、のち人生じんせいわったのかもしれないとおもうと、後悔こうかいしかない。


当時とうじうそつきと泥棒どろぼう大嫌だいきらいで、まわりがすべてそういう人間にんげんえていたので、わたしおもったこと言葉ことばにしてしまい、うそつきとばれないために、正直しょうじきものであろうとしたことは、仕方しかたなかったとえば、わけになってしまうだろうか。



ざつ説明せつめいするならば、「社会しゃかいてきうそをつくことが、わたしはたまらなくいやだった。」ということだ。



中学ちゅうがくがってからのはじめての夏休なつやすみ。


「おまえ絶対ぜったいくるまあたらしくなったことうなよ。」

祖父母そふぼいえかう途中とちゅうちちが、わたしたち兄弟きょうだいった。


当時とうじなんことからなかったが、ちち三年毎さんねんごと新車しんしゃえていて、そのローンが家計かけい圧迫あっぱくしていて、わたしたち兄弟きょうだい貧乏びんぼうくるしいおもいをしていたことを、ちち祖父母そふぼ親戚しんせきさとられたくかったようだ。


わたしはそれがたりまえだとおもっていたが、「うそつきのちちいやがること」をしてみたくなった。

しかし、ちちからの攻撃こうげきけるのもいやなので、べつ方法ほうほういやがらせをすることにした。


わたし祖母そぼに、「ちちはなすこときんじられたこと」をはなした。


「おとうさんにわれたんだけど、新車しんしゃだってことかくせってわれたんだ。」

祖母そぼおどろいていた。


かった。ばあちゃんにまかせておけ。」

祖母そぼかしこひとだった。


祖父母そふぼ親戚しんせきたちは、まったらないフリをしていた。

だが、したおとうとが、いたくて仕方しかたなかったのだろう。


「このクソガキが!」

新車しんしゃはなしちちまえ祖父母そふぼはなしをして、したおとうと公開こうかいリンチがはじまった。


親戚しんせきじゅうだれけられなかった。


わたしは「バカが。われたことまもらないからだ。」などと、自分じぶんことたなげて、最低さいていことおもいながら、その公開こうかいリンチを見ていた。


のち祖母そぼっていたが、「あそこでってはいったら、二度にどとおまえ兄弟きょうだいえなくなるとおもって、められなかった。いまでもまないとおもってる。」と祖母そぼいてびていたのをおぼえている。


このころとき昭和しょうわわり、平成へいせいとなっていた。

2017.7.27 木曜日 平成29年

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ