他人を不快にさせる言葉遣い
教室で座っていた。
図工の時間が終わり、休み時間だった。
「おいお前、靴の裏をみせろ。」
不意に声をかけてきたクラスメイト。
今まで話をしたことも無かった奴だった。
靴を見せると急に髪の毛を掴まれて、何度も何度も殴られた。
私は悲鳴を上げながら泣いた。
教室で他の子からも悲鳴が上がり、教室は恐慌状態になった。
教員が割って入るも、彼はまだ怒りが収まらず「殺してやる」と叫んでいた。
教員がいる目の前での、クラスメイトの彼が凶行に至ったのは理由があった。
彼が描いた絵には、踏まれて大きく足跡がついていた。
その足跡が私の靴と同一だったのだ。
だが靴は量産品で、多くの生徒が履いているもので、私が彼の絵を踏みに行く理由も無いし、何より彼の近くに行った事はない。
教員は私と凶行に及んだ彼とで職員室で話し合った。
「こいつが一番怪しいと思った。変だし。」
私は彼の絵を踏む理由が無い事、近寄っていない事を主張した。
「一々気持ち悪いんだよ!おまえの話し方が!だから怪しいんだよ!」
私は驚いた。
話し方が変だと疑われるものなのだと。
私は自分の話し方が変だと初めて自覚した。
周りを良く観察して言葉の使い方をマネるように、そうやって周りの男の子が話すように、話し方をマネする様になったのはこの頃からだ。
だが、話す内容にまで成人するまで気が回らなかったのは、我ながら残念だと思う。
その日の夕方
私を殴った彼は教員と一緒に、私の家まで来て謝りに来た。
「子供のやることだから。お前も許してやりなさい」
母がそう言った。
私は許してあげると伝えると彼は笑顔で去って行った。
後日の学校
「昨日の事は許してあげるから、友達にならないか。」
そう言う私に対して彼は信じられない言葉を返した。
「先生と親がうるさいから謝っただけだ。調子に乗るな。気持ち悪いんだよ。死ね」
そう言うと彼はツバを私に掛けて逃げるようにトイレに入って行った。
私は泣いていた。
あいつが謝りに来た時、玄関の花瓶で頭をカチ割ってやれば良かったと、今でも後悔している。
その後悔もまた、私が普通ではない考え方をする最悪で最低な人間なのだと、私を責めるのだ。
「私の話し方が気持ち悪い。」
これも同時に私を責める。
今でも責める。
私の何がそんなに気持ちが悪いのか分からない。