手帳1-8
私は自分の顔の傷が嫌いだ。
顔にある醜い傷。
私は自分の顔が嫌いだ。
特に右目下から額まで伸びる裂けたような傷跡。
お世辞にもカッコイイ傷とは思えない、この醜い顔の傷が私は嫌いだ。
物心ついた頃にはこの傷は顔に既にあった。
他の子たちとは違う、自分の顔にある大きく醜い傷。
私は醜い。
これが私の顔かと思うと、毎日鏡の前でうんざりするのだ。
祖母に聞いた話しだが、まだ私が立って歩けない、だが動き回れる時に、分解清掃中のストーブの部品が並べられている場所に、私が顔面から突っ込んだ時に出来た傷らしい。
「お前の顔の傷かい?あれは大介の母さんが悪いんだあ。」
「お前動き回れるようになっているんに、目を離した隙にお前が怪我をしてしまったんだ。」
「ひどく腫れ上がって、病院に連れて行ったんよ。」
「お前の母さんにばあちゃんは怒ってなあ。もちろんじいちゃんも怒ったよ。」
「だけどアレは、「勝手に大介が怪我をしたのが悪い。」て言い張ってなあ。」
「母さんは何の反省もしとらんかったわ。ごめんなあ。私も居たのに一生残る傷が出来てしもうた。」
祖母は何度も同じ話をする。
直接会っても、電話で話しをしても。
この顔の傷は、私が悪いものなのか、母が放置したために傷をつけた母が悪いのか、私には分からない。
私は鏡を見る度に、何とも言えない、自分の醜さと、傷の責任の所在が分からない事で、とても残念な気持ちになるのだ。
手帳1終了です。
2017.7.19 水曜日




