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第14話 特訓開始! なぜかネズミも仲間になりました

翌朝。

森の中。

「今日から特訓よ!」

キャサリンの声が響いた。

ハル、リリア、ミルフィーユ、そしてクロが並んでいる。

その横には――

「チュー!」

昨日の変なネズミもいた。

ハルが首を傾げる。

「……なんでいるの?」

「当然です!」

ネズミが胸を張る。

「私も特訓します!」

「どうして?」

「キャサリン様のためです!」

「…………」

キャサリンが頭を抱える。

「あなた、なんで私にそこまで執着してるの?」

「スゴイ粘着質だわ…」

「私の魂が、キャサリン様についてこいと言っているのです!」

「魂に聞かないでちょうだい」

ネズミはキャサリンの前で直立する。

「キャサリン様!」

「何?」

「命令を!」

「……じゃあ、そこに座ってなさい」

「承知しました!」

ピシッ!

ネズミはその場に正座した。

「……」

ハルがミルフィーユを見る。

「これ、仲間なの?」

「たぶん」

「たぶんって……」

クロがネズミを見る。

「グル……」

どうやらクロも困っている。

キャサリンがため息をつく。

「まあいいわ。あなたも特訓に参加しなさい」

「ありがとうございます! キャサリン様!」

「ただし――」

キャサリンが剣を構える。

「私の指示には絶対に従うこと」

「はい!」

「無茶はしない」

「はい!」

「勝手に私を追いかけない」

「……」

「返事は?」

「……はい」

ネズミは少し残念そうだった。

「では始めるわよ!」

まずはハル。

「香剣の基本!」

ハルが剣を構える。

風が吹く。

草の香り。

木の香り。

土の香り。

そして――

「……魔物!」

ハルが振り向く。

森の奥から魔物が飛び出してきた。

「来た!」

ハルが構える。

しかし、その瞬間。

「キャサリン様!」

ネズミが飛び出した。

「危ない!」

「え?」

ネズミが魔物に突っ込む。

「チューーーーー!」

ドカッ!

魔物が吹き飛んだ。

「…………」

全員が固まった。

「え?」

ハルが目を丸くする。

ミルフィーユも口を開ける。

リリアまで驚いている。

キャサリンだけが腕を組む。

「……なるほど」

「キャサリン様に危害を加える者は、私が許しません!」

ネズミが胸を張る。

「お前、強いじゃん!」

ハルが叫ぶ。

「当然です!」

「じゃあ、どうして昨日から変なことばかりしてたの?」

「キャサリン様を見つめることに全力を使っていました」

「何それ!?」

キャサリンが頭を抱える。

「あなた、本当に何なのよ……」

「ただのネズミです!」

「そこは分かってるわよ!」

特訓は続いた。

ハルは香剣。

リリアは魔法。

ミルフィーユは発明品。

クロは身体能力。

そしてネズミは――

「キャサリン様!」

「何?」

「見てください!」

ネズミが木の枝を持つ。

「キャサリン様のために作りました!」

「何これ?」

「キャサリン様専用の玉座です!」

「いらないわ!」

「では私が運びます!」

「もっといらない!」

「キャサリン様の荷物も私が!」

「自分の荷物くらい持ちなさい!」

「はい!」

「……本当に服従してるわね」

ハルが苦笑する。

そのとき、リリアが小さく呟いた。

「……ちょっと羨ましいです」

「え?」

「私も……あんなふうに強くなれたら……」

キャサリンが振り返る。

「リリア」

「はい」

「あなたも強くなれるわ」

「……本当ですか?」

「ええ」

キャサリンが微笑む。

「ただし、まずは自分の魔力を怖がらないこと」

リリアは胸元のペンダントを握った。

「……はい!」

その瞬間――

ペンダントが淡く光る。

ハルの鼻に、また香りが届いた。

「……花の香り」

妖精が飛んでくる。

「本当です!」

「少しだけど……前より強い」

キャサリンは真剣な顔になる。

「この特訓、無駄ではなさそうね」

その横で。

「キャサリン様!」

「何?」

「私も強くなりました!」

「……そう」

「褒めてください!」

「よくやったわ」

「…………!」

ネズミは感動のあまり涙を流した。

「キャサリン様に褒められた……!」

ハルが呟く。

「……完全に忠犬ならぬ忠ネズミだ」

ミルフィーユが頷く。

「でもネズミだよ」

「そこはどうでもいい!」

クロが、

「グル……」

と呆れたように鳴いた。

こうして――

ハルたちの旅の仲間に、

キャサリンを妄信する謎のネズミ

が正式に加わった。

ただし本人は――

「私は仲間ではありません!」

と宣言した。

「では何なの?」

キャサリンが聞く。

ネズミは胸を張った。

「キャサリン様の従者です!」

「……仲間でいいわよ」

「はい!」

こうして本人の知らぬ間に、仲間が一匹増えた。

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