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ぼーいずどんとだい  作者: ゲロブス
第十三章 2人の蛾男
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最強と最弱

『ただいま現場よりお送りしています!!ご覧ください!現在、街には多くの変異者が跋扈しています!まるで世界の終わりを思わせるような光景です!せっかくなので、あちらの変異者にインタビューを試みたいと思います!すいません、貴方なかなか良い感じの変異っぷりですね〜!ひとつ感想を聞かせてもらってもいいでしょうか?あっちょっと…!やめっぎゃあああああ!!』

『…はい、松村リポーターありがとうございました〜。それでは続いてのニュースです。人気バンド、SDGズのメンバーである〇〇氏が、違法な薬物を使用して、愛人の男性と性行為を行った疑いで…』




一方、その頃…。

今にも振り出しそうな、陰鬱な曇り空の下、殺風景なビルの屋上で、2人の男が相まみえていた。

白髪混じりの髪をした、ロングコートを着た初老の男は、小さく拍手しながら、蛾男に言った。

「流石だな。噂通り…いや、噂以上の実力だ。あの蝶男を葬っただけのことはある。最凶最悪の変異者の名は伊達ではないということか」

「アンタは…!」

張り詰めた空気の中、蛾男は一呼吸開けると、続けて言った。

「………いや誰?この流れで全く知らないオッサン出てくることある?えっ、もしかしてアンタがボス?」

「ああ、如何にも。この騒動を引き起こしたのは私さ」

「…まあいいか、つまりお宅を倒しゃ万事解決ってワケね。そんで俺は汚名を返上し、一躍ヒーローってこったな!」

意気揚々と近付いて来る蛾男に、初老の男はゆっくりと右手の手の平を向けた。

「それは結構だが…いいのかな?私が受けたダメージは下僕にも共有される。私を殺せば…今、地上に溢れている変異者達も、一人残らず死ぬことになるぞ?」

「へぇ〜、そりゃ万々歳じゃねーか♪めでたしめでたしだな」

「…そうかな?彼らは私の力によって操られているだけだ。私がその気になれば、人間に戻す事も出来る。君は何の罪もない彼らの未来を奪えるのか?」

「………あぁ?!」

蛾男は目に見えて動揺し始めた。

「そして…どうやら来たようだな」

彼がそう言うや否や、ビルをよじ登って、複数の変異者が屋上に姿を現した。いずれも、まだ幼い子供のようだった。思わずたじろぐ蛾男に、初老の男は不敵な笑みを浮かべ、呟いた。

「さぁ…どうする?ヒーロー」

「えっ、どーしよ…?」

雪崩を打ったように、変異者達が蛾男へと攻撃を開始した。

それらを華麗に回避しながら、蛾男は彼らに呼びかけた。

「わ〜!!止めろオメーら!当たったら痛えだろーが!!」

「…どうした?遠慮することはない。彼らを倒せばいいだろう、これまで君がやって来たようにな」

初老の男は蛾男の様子をあざ笑いながら、挑発するように言った。

「ンなこと出来っかよ!絵的にヤベーだろ!!」

「これは傑作だな、最強の君が…戦う力を持たない、最弱の私に手も足も出ないとは」

「おいガキ共!正気に戻れ!俺はお前らを殺したくは…!」

言葉の途中で、変異者の拳が彼の後頭部にヒットした。

「あっ、気が変わりそう…」






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