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ぼーいずどんとだい  作者: ゲロブス
第十三章 2人の蛾男
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オギャー!

「う…生まれるゥ〜〜!!」

街が大混乱に陥っている最中、とある総合病院の分娩室で、1人の女性が分娩台の上で、滝のような汗をかきながら、しかめ面で叫んだ。

その傍らでは、夫と思われる地味な男が、彼女の様子を固唾を呑んで見守っていた。

そう、今まさに、新たな命がこの世に生まれ落ちようとしていた。

助産師の1人が、女性に優しげに声をかけた。

「はい深呼吸してくださいね〜、ひっひっふー。ひっひっふー」

突然、女性がカッと目を見開くと、その助産師の腕を鷲掴みにして、大声を上げた。

「生まれ…ギャアアアアア!!」

その直後、女性の腹をエイリアンのように突き破って、小さな羽とツノを持つ、紫の体色をした、まるで悪魔のような姿の赤ん坊が、血しぶきとともに、威勢よく飛び出して来た。

医師達は腰を抜かして、野太い悲鳴を上げた。

「ギャアアアアア!!」

「オギャアアアアア!!」

赤ん坊は高らかに産声を上げると、父親の顔めがけて飛び掛っていった。

全くもって、元気な男の子だった。



「ウヒョ〜!気持ちィ〜〜!!」

「アァン♥私もォ〜〜♥」

ケンイチとエミコの2人は、カーテンを閉め切った部屋で、朝もはよから情熱的に絡み合っていた。

部屋の隅にある、点けっぱなしのテレビでは、アナウンサーが何やら真剣な表情で、緊急速報を伝えていたが、2人の耳にはこれっぽっちも入っていなかった。

「ほれほれ〜!ここがええのんか〜!?」

ケンイチは下からエミコを威勢良く突き上げながら、彼女の尻をパァン!と引っぱたいて、軽薄な口調で言った。

「あっあっ♥ダメェ♥もうおかしくなるゥ〜〜〜!!」

「ヒッヒッヒッ!!おかしくなっちまえよぉ〜〜!!」

「キシャアアアアアア!!」

雄叫びを上げると、エミコは突如として、サメのような頭部を持つ、異形の怪物へと変異を遂げた。

「ごわああああ!!ホントにおかしくなったァ!?あっ、でもコレはコレで…」

エミコはケンイチにまたがったまま、彼の喉笛に喰らいつくと、そのまま獰猛に喰い破った。

首から血を大量に噴き出しながら、薄れ行く意識の中、ケンイチは白目を剥いて呟いた。

「キ…キモチィ〜〜………!」




〇〇駅近くにあるセンター街の、ビル内に位置する、人気の猫カフェで、2人の若い男女が、様々な種類の猫達と戯れていた。

茶髪の女は、足元にすがり寄ってきた一匹の猫を、両手で愛おしげに抱きかかえながら、彼氏である雰囲気イケメン風の男に言った。

「キャ〜!この子超カワイ〜!もう食べちゃいたい♥」

「ハハハ、そうだね可愛いね〜(あ〜あ、早く帰ってパコりてぇ)」

「………いただきま〜す!」

突然、女の口がバリバリと裂けると、その大きな口で、猫の上半身をいともたやすく噛みちぎった。

店内はたちまち騒然となった。

「わ〜〜!!マジに食べたよコイツ〜〜!!」

「ええええええ!?」

「きゃああああ!!」

変異の連鎖は、次々と広がっているようだった。



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