表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼーいずどんとだい  作者: ゲロブス
第十二章 ある平凡な長い一日!!!
77/81

観覧車

「ご来園の皆様にお知らせしまーす!当園には出口も閉園時間も存在しませーん!死ぬまで楽しんでいってね〜!あっ!だけど、どォ〜しても外に出たいって場合は、1つだけ方法があるよ!それは誰か1人を生贄に捧げること!よーするにぶっ殺せってことだね〜!ほんじゃバイバ〜イ!ハハッ★」

どこかの有名な黒ネズミを彷彿とさせる、ハイテンションな口調で説明を終えると、アナウンスはブツッ、という音とともに途絶えた。

直後、流の隣で、縁がボソリと呟いた。

「なるほど…そういうルールってワケか」

その言葉に、流は彼から咄嗟に距離を取った。

「おいおい、そんな警戒するなよ。俺がそんなことをするような奴に見えるってのか?」

そう言って、彼は胡散臭い笑みを浮かべた。

「むしろそうにしか見えませんが」

縁はすぐそばのコーヒーカップに寄りかかると、腕を組みながら状況の整理を始めた。

「確か外に出るには生贄が必要とか言ってたな…。単に俺達を争わせようとするための嘘かもしれないが…。とりあえず周囲を探索してからでも遅くはないだろう。脱出への糸口が見つかるかもしれないしな。そうと決まれば、さっそく…」




「おぉ〜高ェ〜!」

観覧車の頂上で、窓から地上を俯瞰しながら、縁は興奮気味に呟いた。

流は向かいの座席で、その様子を死んだ目で眺めている。

「こんな事してる場合じゃないと思うんですがね…」

「だから、さっき説明しただろ?今ごろ、俺の作品達が周囲をくまなく探索してる。俺達はのんびりしてりゃいいんだよ。スケッチブック毎こっちに来れたのが、不幸中の幸いだったな。それに…なかなか興味深い場所じゃないか、いいインスピレーションになりそうだ。由香里にも見せてやりたいね」

流が窓の外を覗くと、園内を一望することが出来た。

園は周囲を小さい柵でぐるりと囲われているようだった。柵の向こうには、どこまでも続く濃霧が広がっていた。

「…柵の外に出るのはオススメしないぞ」

流の心を見透かしていたかのように、縁が呟いた。

「すでに作品達をいくつか向かわせたが、全て殺されちまった。恐ろしく強い何かがいるみたいだな、外に出れば命はないだろう」

それから少しの沈黙が続いた。遠い昔、母と弟の3人で観覧車に乗った時のことを、流がぼんやりと思い出していると、ふいに縁が口を開いた。

その横顔は、どこか遠くを見ているようにも見えた。

「一応、言っておくが、もしも出口がどこにもなかった場合は…遠慮することはない、俺を殺して君だけでも脱出したまえ。分かったな?」

「何…?どうしてそん…」

「──とか言わないからね?絶対」

縁はいきなり態度を一変させた。

「……………」

「何だよ、その白い目。言う訳ないだろ、そんな都合のいいセリフ。君なんかの為に俺が犠牲になるなんて真っ平ごめんだからな、マジで。妙な期待はしないでくれよ?」

「……………」

「だから何だよ、その目は。あっ、何目ェそらしてんだよ。言いたいことがあるならハッキリと…」

観覧車が一周した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ