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ぼーいずどんとだい  作者: ゲロブス
第十二章 ある平凡な長い一日!!!
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夢の国にようこそ!

「…おい、起きろ。おい」

「うぅ〜ん、流さん…?」

由香里は自身を呼ぶ声に、ゆっくりと重い瞼を開けた。

すると、そこに立っていたのは、流ではなく、ボサボサに伸びた髪と髭を生やした、薄汚れた身なりの浮浪者然とした中年男だった。

男は歯抜けの口でニヤリと笑いながら、彼女に言った。

「姉ちゃん、ずっとうなされてたけど大丈夫かぁ?こんな所で寝てっと変なヤツに襲われ…」

「ぎゃああああああ!!」

「ぐばああああああ!!」

由香里は強烈な右ストレートで男をノックアウトすると、辺りをキョロキョロと見渡した。

どうやら、学校から最寄りの公園のベンチの上で、ひとり眠りこけていたようだ。

「え…?何で何で何で…!?」

由香里はキツネにつままれたような顔で、目をぱちくりとさせた。




その頃、水野流は騒ぎに乗じて学校をしれっとバックれた後、吉見縁とともに街の大通りを歩いていた。

ふと、視界の隅に自動販売機が目にとまった彼は、おもむろに財布を取り出した。

すると、彼の隣で縁が呟いた。

「悪いな、アイスティーで頼むよ」

「は?奢るとかひと言も言ってませんけど」

流が冷たく言い放つと、縁はしつこく食い下がって来た。

「なんだよ、ケチな奴だな…!せっかく俺が勃起もののカッコよさで危機を救ってやったというのに…!」

「…そもそもアンタ前に僕のこと殺そうとしたでしょ。プラマイゼロってヤツじゃないのか?」

「ん?何の話だ?」

「………」

流は一瞬、ぶん殴ってやろうと思ったが、こらえてコーヒーとアイスティーを購入した。

「ありがとよ」

縁はそれを受け取ると、白目を剥きながらズズズッ!と音を立て一気に飲み干した。

「…そんなことより、さっきの奴は何者だ?」

「こっちが知りたいくらいですよ。転校して来てからずっと妙な奴らに命を狙われてるんです。そいつ等の1人でしょう」

「ふぅん、そりゃ大変だな。ところで…」

縁は空き缶を、販売機横のリサイクルボックスに投げ入れると、続けて言った。

「…後ろの彼もそうなのかな?」

「彼?」

流がさりげなく後ろをチラ見すると、フードを目深に被った全身黒ずくめの男が、こちらに向かって来るのが見えた。

「おいおい、気づかなかったのか?学校を出てから、ずっと尾けて来てるぜ?今のところ敵だという証拠はないが、どうする?」

「そうだな、それじゃ…」

流はコーヒーを飲み終えると、缶を手から離し、男のもとへと猛スピードで殴りかかった。

背後でカラン、と缶が地面に落ちる音がした。




「ここは…?」

気がつくと流は、見知らぬ空間に立っていた。

直ぐ側には、遊具のコーヒーカップが設置されている。

遠くにはジェットコースターのレールのようなものが見えた。

どうやら遊園地のような場所らしい。

辺り一面、静まり返っており、薄っすらと霧がかっていた。

どこか不気味且つ、幽玄な雰囲気を醸し出していた。

「遊園地…?」

流が困惑していると、背後で彼を呼ぶ声がした。

「…おっと、また会ったな」

振り返ると、縁の姿がそこにあった。

「どうやら俺達二人共、敵の術中にハマっちまったらしいな。この場所は現実か、それとも…」

「何だって…!?」

「まあ落ち着け。こんな時に大切なのは①落ち着くこと②焦らないこと③冷静になること、だ…!」

「全部同じだと思いますが」

突然、どこからかピンポンパンポン、というアナウンス音のようなものが、大音量でノイズ混じりに聞こえてきた。縁は驚いて飛び上がった。

「ぎゃああああ!!」

「落ち着けよ」

すると続けて、男の甲高い声が園内に響き渡った。

『ご来園の皆様にお知らせしまーす★ハハッ』

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