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ぼーいずどんとだい  作者: ゲロブス
第十一章 兄弟
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天からの贈り物

流と量の2人による熾烈な空中戦は、尚も続いていた。

夜の摩天楼の間を縫いながら、量は流の後ろを猛スピードで追跡しつつ、言った。

「ちょこまかとすばしっこい野郎だぜ…。いいだろう、最終兵器その②を出してやる…!」

「…一体いくつ最終兵器があるんだ?」

量の背中にあるハッチが開くと、そこから3発のミサイルが放たれた。ホーミング機能があるのか、ミサイルは流目掛けて、勢いよく突っ込んで行った。

「くらえ!デス・クリムゾン・ジェノサイド・デス・インフェルノ・ミサイルゥ!!」

まるで金魚のフンの如く、執拗に追尾してくるミサイルに、流は鱗粉を振り撒いた。2発は空中で溶解させることに成功したが、残りの1発は彼の背中に命中した。

流は撃墜された戦闘機のように、墜落していくと、ビルの屋上に叩きつけられた。

「うぐっ…!」

ダメージが深かったのか、たちまち彼の変身が解除された。

マズイな、身動きが取れない…。クソッ、アレだけはやりたくなかったが…仕方ないか。

量は彼を見下ろしながら、勝ち誇った笑みを浮かべた。

「ハッハッハッ!どうだ流!俺のデス・クリムゾン………え〜と………ミサイルの威力は!ん?」

量は流の頭部から、鬼のツノのようなものが生えて来るのを見た。

彼の脳裏に、母の命を奪った変異者、雷男の姿が想起された。

「オイオイオイ…!まさかそりゃあ…!?」

「…悪いな、そのまさかで」

流は量に、ゆっくりと右手の指を向けた。

夜の街に、耳をつんざくような雷鳴が鳴り響いた。




「あっ!流れ星!」

とあるアパートのベランダで、1人の寝間着姿の若い女が、夜空を眺めながらそう呟いた。

女はそれから、ハッとした表情を浮かべると、両手の指を組みながら星に祈った。

「どうか私好みのイケメンが空から落ちてきますように…♥」

その瞬間、彼女の背後で派手な音とともに、天井を突き破って謎の怪人が部屋に落下して来た。

女はぶったまげて、悲鳴を上げながら振り返った。

「ぎゃあああ!!何何何ッ!?」

女が泡食っていると、今度はベランダに蛾を思わせる姿の怪人が、颯爽と舞い降りて来た。

「邪魔するよ」

「ひいぃっ!何なの!?何なのアンタら!?」




流は錯乱気味にわめき声を上げる女に、鬱陶しそうに言った。

「…悪いけどしばらく出ていってくれるかな?」

「は、は、はい〜!だから殺さないでぇ〜!!」

流は女が外に飛び出して行くのを確認すると、煙を出しながら横たわる量の方へ、歩み寄った。

「潮時か…」

敗北を悟った量は、流に気付かれぬように、左手首のガントレットのボタンを押した。

流は量のそばで立ち止まると、そのままトドメを刺すかと思いきや、変身を解いて彼に手を差し伸べた。

「…どういうつもりだ?」

「何って…仲直りの握手ってヤツさ。もう決着はついただろ?」

「何考えてやがる」

「子供の時に兄弟喧嘩した時は、君の方からこうして来ただろ?だから今度は僕の方かな…と思ってね」

「バカか、お前」

「…あの日、僕が誕生日プレゼント欲しさにあの店に立ち寄らなかったら…別の未来もあったのかもな。すまない」

量は幼い頃の記憶を、朧気ながら思い出した。

「…ありゃ、お前のせいじゃねぇだろ」

少しの沈黙のあと、流は言った。

「今…バイトで稼いだ金でアパートを借りて一人暮らししてるんだ。そこに来るか?聞きたいことも山程あるしな。もちろん生活費は折半してもらうがね」

「…まぁ、悪かねぇかもな」

そう答えると、量は流の右手を握り返そうとした。

「…なんてなぁ」

量は突然、流に掌を向けると、威力を最小限にして衝撃波を放ち、彼を屋外に吹っ飛ばした。

「うおッ!?」

「じゃーな、兄貴」

その直後、小規模の爆発が部屋を包み込んだ。量が押していたのは最終兵器その③である、自爆装置のボタンだった。

流は地面に着地すると、モクモクと黒煙を上げる部屋を見上げながら、呟いた。

「バカ野郎…」




どうでもいいと思うが、その頃由香里は──!?

「あれ…?私何でこんな所に倒れて…?ヒッ!兄さんから通知100件以上来てる…!」








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