25話
「FランクからCランクに昇格したパーティがあるらしいぞ!」
「そんな事あり得るのかよ!?」
「よっぽどやばい奴がパーティに紛れ込んでいたのか…」
「ドロップ偽装とかじゃねえの?」
「オレも入れてくれねえかな」
冒険者ギルド内はルス達の話題で持ちきりになった。
様々な人間からの視線を感じる。
クラメの拡散力の凄まじさをルスは感じていた。
「昇格ということで皆様のバッジをお預かりしますね!」
クラメは四人から個人バッジを受け取る。
ルスはパーティのバッジも差し出した。
全員のバッジが以前のより立派なものになって返ってくる。
そう思ったが、一つ足りないようだった。
「ラヴィ様の分だけ、今直ぐに準備することはできませんでした。少々お待ちください!」
パタパタとクラメは奥に行く。
「んじゃ、一旦ロビー行こ~?」
「ウチらあっちで待ってるね~」
バッジを受け取ったクロルとシロルはロビーへと向かう。
「ええ、分かったわ。ルスも休んでて。受け取ったら行くから」
「分かった」
ルスもバッジを持って二人のもとへ向かう。
「おお~!すご~!」
「Cランクとかマジやばいよね!」
シロルとクロルが感嘆の声をあげながらバッジを見ている。
「ほんとルス君ありがと~!」
「ルス君様様ってカンジ!一番働いてたもんね~!」
「何とかなってよかったよ」
ルスは二人の近くに座り、答える。
「ってか、ラヴィちゃんあんま働いて無くね?要る?」
「え?」
「あ~ね。ウチらとルス君は仕事してたけど、ラヴィちゃんはぶっちゃけ何してたの?って感じだよね」
ルスは思わず固まる。
ラヴィが過去にいたパーティと同じ状況に自分が出くわしている。
その言葉は唐突で、フランクで、まさに衝撃だった。
「ラヴィは後方支援が得意なんだ。ブタの討伐もワイバーンの時も、相手にデバフを与えることでパーティに貢献していたよ」
「へ~そうなんだ。アタシは分からなかったわ」
「ま~ルス君が言うならそうなのかな~?ってカンジ」
「そ~ね。あ、そういえばさ、この前……」
あっさりと別の話題へと移っていく。
(やはり見えにくい形での功績は評価されにくい。それどころか疑われることもある)
ルスは事実を上手く伝えていこうと思った。
ラヴィの実力を知っているからこそ、誤解されたままで終わるのは嫌だった。
彼女たちのを聞きながらも、その話題はルスの頭からなかなか離れずにいた。
ラヴィが帰って来た。
表情に陰りが見える。
「どうかした?」
「な、なんでもないわ」
ラヴィは隠すように明るく振る舞った。
「何かあったら話聞くからね?」
「大丈夫よ、ありがとう」
ラヴィは答える。
ルスは気になったが、それ以上何かを言うのはやめた。
その後、今日は解散となった。
夜、それぞれのベッドに横になる二人。
「おやすみ、ラヴィ」
「ええ、おやすみなさい」
肉体的・精神的疲労が溜まっていたのか、ルスは直ぐに眠りについた。
次の日目を覚ますと、ラヴィの姿は無かった。
次回更新:2/8 5:00以降




