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19話

フレトが自分に向かって走り出したのを見て、ラヴィも離れるように走った。


「ラヴィ!逃げろ!」


ルドミの剣を弾いて、ルスはフレトを追いかける。

(力が上がっている…?いや関係ねえ。依然力でねじ伏せられる)


ルドミは若干の違和感を、無理やり頭の端へ追いやった。


ルスの足はフレトより速かった。

しかし二人が並ぶよりも早く、フレトがラヴィに追いつきそうであった。


「ああああ!!」


わざと大きな声を出して、フレトへ大ジャンプするルス。


「…!」


振りかぶりながら自分の位置へ飛んでくるルスを見て、フレトは横に大きく飛び回避する。

ルスはフレトがいたはずの地面を抉った。


(躱してくれてよかった)


狙い通り、フレトが受け身をとって回避したのを見て、ルスは安心した。


ラヴィは十分に距離を取りルスの後方へ、ルドミとイラトは立ち上がるフレトのもとに集まり体勢を立て直す。

再び距離を取り直すような睨み合いになる。


「諦めの悪いやつだな。にしても…」


ルドミは離れているラヴィに目を向ける。


「相変わらず足手纏いしてるみたいで安心したぜ」


ルドミは笑う。


「本当に何もしねえ奴だった。オレらのパーティに居たときもな。何も出来ねえのに報酬をわずかでも与えていたオレは優しすぎた。どうかしていたぜホント。お前も考え直した方が良いぜ?お前のことを助けもしねえ、後ろの疫病神の事をなあ!」


「…」


ラヴィは何も言わなかった。


ルスは口を開く。


「僕にはわかるよ」


「あ?」


「ラヴィは優しいから何もしてないんだ。君らと戦いたいなんて思ってない」


「は?意味が分からねえな」


「ラヴィが本気を出したら…」


ルスが不敵に笑う。



「君らが負けちゃうからね」



「…て…んめえええええええええええええ!!!!!」


ルドミの怒りは頂点に達した。

彼の怒号は森に響き渡るようだった。


「僕らが勝ったら!君たちには!考えを改めてもらう!」


「上等だよ…てめえらが負けたらあああ!!!てめえは俺があああ!!!ぶっっっ殺す!!!!!」


ルドミは真っ直ぐルスに向かう。

それに続くようにイラトとフレトが両脇から走る。


「殺してやるよおおおおおお!!!!!」


全ての力を込め、ルドミが振りかぶる。


「おらあああっ!!!」


「ヒャッッッハー!!!」


他の二人も合わせるようにイラトは右から、フレトは左から斜めに切り込む。

ルスは集中力を高めていた。


そして




ガキンッ




ルスは三人の剣を斬った。



「は?」


「へ?」


「ヒャハ?」


刹那の出来事であった。



ザクッ


三人の剣先が地に刺さる。


ルスは一振りで、三人の剣を断ち斬った。


次回更新:2/3 5:00以降

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