14話
ルス達に絡んできた四人の男たちはニヤつきながら近づいてくる。
ルスは最初イラギかと思ったが、彼の姿は無かった。
カウンターの前に立っているルスとラヴィを囲むように男たちが集まる。
「信じられねえんだよなあ、オレは。明らかにオレらより格下のやつらがあの魔物を倒した?ありえない!どんな手を使ったんだ?盗んだのか?」
リーダーらしき男が尋ねる。
「自力で倒した。それだけだ」
ルスは簡潔に答えた。
「はぁ?ありえねえだろって言っただろうが!言えよ、正直によ」
「本当よ」
ラヴィも冷静に答える。
「チッ!生意気だなこいつら。なあ素直に言えよ。あんまり嘘ばっか言ってると…キレちまうかもなぁ?」
「ラヴィ!?」
四人のうち一人が剣を取り出し、ラヴィに近づける。
ルスはすぐさま反応したが、剣を持った男はルスからは手が届かない位置にいた。
「何してんだ!」
「おいおい怒るなって。お前らが嘘つきなのが悪いんだぜ?」
男は勝ち誇ったように笑いながら言う。
「…」
(もう少し警戒しておけばよかった。人を武器で脅す輩がいるとは…)
ルスは人間に武器を向ける人間を初めて目の当たりにしていた。
ラヴィは黙って男たちを睨みつける。
男たちはニタニタと笑いながら続けた。
「なあに、何もしねえよ。何もな。まあそれもお前たち次第だが」
「オレらは知りたいだけなんだ。別に痛い目にあわせたい訳j」
男たちは硬直する。
一瞬だった。
一瞬でルスは二人の男に刃を向けていた。
ラヴィに剣を向けた男は、首筋の槍を目の当たりにし身体を震わせている。
リーダー格の男は文字通り目の前にある剣先を見つめ、冷や汗をかいていた。
(分からなかった、いや、見えなかった…!!気づいたら武器が目の前に伸びていた!!)
男たちは全員同じ気持ちだった。
彼らの周りが静寂に包まれる。
「剣をしまい、ラヴィから離れろ。不審な動きがあれば、何があってもお前らを斬る」
ルスは静かに、しかし強く言った。
ルスの目を見た男は悟る。
(こいつは、本気だ。仮にオレらがこいつを殺したとしても、オレらは絶対に無事じゃいられねえ。初心者のくせに武器を二種類も持っている意味が分からねえが、確実にどちらかの武器で致命傷を負う)
ルスの殺気に男たちは完全に怖気づく。
「お、おい。武器しまえ」
「あ、ああ」
ラヴィの近くの武器は消え、男たちは3歩ほど下がった。
それを確認しルスも武器をしまう。
「次僕の仲間に武器を向けるようなことがあったら、その時は無事で済むと思うな」
ルスの言葉は凄みを帯びていた。
男たちはそそくさとギルドを出ていく。
「はぁ…」
ルスは大きく息を吐いた。
「ごめんなさい」
ラヴィは申し訳なさそうにルスに言う。
「ラヴィは本当に何も悪くないよ。もっと言えば君を守り切れなかった僕が悪いし、全面的に彼らが悪い。ラヴィは自分を責めないで?」
彼の言葉は尤もだと思いつつも、自分ももう少し何か出来たのではないか、という気持ちがラヴィにはあった。
でも、と何か言いたくなる気持ちをぐっと抑え、ラヴィは小さく頷く。
「仕方ないよあれは。急にやられたら、どうしようもないからさ。気にしないでおこう」
「…そうね。ごめんなさい。切り替えるわ」
ルスがラヴィを励ましているとパタパタと音がしてきた。
「お待たせしました!全て確認出来ましたので報酬をお渡しします」
クラメが奥から戻ってきた。
ラヴィの袋と共に銀貨を受け取る。
「改めて見ると多いわね。数十体倒しただけあるわ」
ラヴィが袋に報酬を詰めながら言う。
「本当ですよね。それと、先ほどは大きい声ですみませんでした。興奮してしまって」
クラメは照れたように言う。
「いえいえ」
「それでは改めて、お疲れさまでした!」
受付嬢の笑顔に見送られながら二人はギルドを出た。
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進みが良ければ今日の23時以降にあげます




