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まずは簡単で重要なところから確認しよう。


風の精霊に話の焦点を当てる。


まず確認したのはお嬢との関係である。


精霊としてはお嬢の事を気にしている気配はない。


だが、もしあの戦闘で敵意を抱いている場合

今後話がとてもこじれる可能性がある。


そして何より事実上ここでこうして匿って

しまっている以上私がやばい。


よってそれとなくお嬢へのリベンジの意思があるか

確認してみたところ。



「痛いことしちゃいけないんだよ!」



とのこと。


やっぱり根はいい子なのではなかろうか?


ただ、痛くなければというか、楽しければ良い。


といった思考が強いらしく、

街で再犯の可能性が高い。



「これ以上街で遊ぶと迷惑がかかるんだけど」


「よ?もうあそこで遊ばないよ?」



何ということだろうか。


実に理想的な回答が返ってきた。


確かお爺さんが『精霊は嘘をつかない』って

言っていたからこの言葉が出てきたの大きい。



「こっちの方が楽しそうだよ!!!」


「おうっふぅ」



何ということだろうか?


思わず心の声が口に出てしまった。


久しぶりの呼吸器系の扱いということもあるのだろうが

それを加味してもあまりある威力の一言で

私の息が荒くなり、心臓が激しく脈打ちだす。



「ほ、ほら!あの怖いお姉さんがいるから、

ここで遊ぶのは危ないぞ?」


「えー」


「ほら、約束だったその笛とか、

ほかのおもちゃもあげるから?ね?」


「やーだよ」


「お願いします。この通りです」



プライドを犠牲にちゃぶ台に頭をつける私。


そんな私に対して。



「ヤダッテイッテルンダヨ゛ーーー!」



あからさまな怒りのこもった返答と強風が

私に向けて帰ってくる。



こ、こえぇ・・・!



別に竜巻が現れたわけでもないが

一瞬現れたこの精霊の力の片りんに

恐慌状態に陥る私。



ど、どうすればいいんだ?


もう、YES以外の選択肢が・・・。



活路を見出すため必死に頭を回転させていると、

意外なところから助けが来る。



「・・・まぁまぁ」



そういって精霊を制する形で片手をちょっとあげて

会話の中に割って入るレガさん。



「・・・責任は私が持つから・・・ね?」



そういって風の精霊を手中に収める。


風の精霊は不機嫌そうな表情ではあるものの

渋々レガさんの手の中に納まり

バタバタと足をばたつかせている。


どうやらレガさんの言うことはある程度聞くらしい。



「そ、それなら・・・いや!いやいやいや!!!」



危うく納得しかけたが、間違ってはいけない。


そもそもレガさん自体もお嬢が知らない

この旅に同行していないメンツである。


スラ子にほだされてなし崩し的に

滞在を許してしまっているが、

その存在を知られた場合これまた私の命に関わる。



「スラ子!スラ子だってこのことがばれたら・・・」



そこまで言いかけてその言葉に何の説得力もないことに

気が付いてしまう。



『スラ子が精霊を連れ込んだんです』


『スラ子に黙っていて欲しいと言われたから』



そんな言い訳がお嬢に通じるはずもない、

ごくごく自然な流れで私が炭になる未来しか見えない。



「う、うおぉーーーーーー!」



気が付いていないだけでずっと前から詰んでいた

事にいまさら気が付き絶叫するしかない私。



「スライムさん!お願いだよ!」


「なー・・・っな!」



そんな私を差し置いてレガさんの頭の上によじ登り

私を見据えてくるスラ子。



「なぁ?」


「よ?」


「・・・おねがい?」



三者三様の頼み方。


ふふ、何だこの連携プレーは。


この場に私の味方はいないのか!?



ゆっくり目を閉じて天井を仰ぎ見る私。











三人の視線が突き刺さる中、

私の中で何かが吹っ切れた音がした。



「わかった!私も男だ。

こうなったら最後まで面倒を見ますとも!!!」



その返答にそれぞれ喜びを表現する三人。



「ただし、約束事を決めまーす!!!」



三人の注目を引き戻すために勢いよく

ちゃぶ台を叩く私であった。

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