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4-10


「な゛ー!な゛ー!」



そういって私を引っ張るスラ子。



わかってる。ちょっと待ってろよ。



スラ子の分のシャボン玉を用意しようと

シャボン玉の原液を地面において

井戸に水を汲みに行こうとしたその時。



「っな!っな!」



そういって地面に置いた

シャボン玉の原液を取り込むスラ子。



ちょ!!!


スラ子!それ食べ物じゃ!!!



突然の出来事に動転する私だったが。



「なーーー」



いつもより間延びした鳴き声をあげつつ

ゆっくりと空気を取り込むと自分の体から

巨大なシャボン玉を生成するスラ子。



「わぁ!凄いよ!凄いよ!!!」



そういってスラ子に鉄のわっかを浸す風の精霊。


すると先ほどよりも確実に大きなシャボン玉が

空中に現れる。



「っな!っな!」


「よよ!!!」



私の心配をよそにはしゃぎまわる二人。



え・・・あのスラ子?


体とか大丈夫なの?



「な!」



そういって鳴き声と共にシャボン玉が体から

生成されるスラ子。


なんともまぁ、ケミカルなバブルスライムに

なってしまったものである。


一応観察している限り、命に別状はなさそうだが

スラ子にもあの部屋の物は不用意に触らないように

後で言い聞かせねばなるまい。


そう留意してお互いにシャボン玉の大きさを

競い合う二人を見守る私。



すると。



「スライムさんに勝てないよ!」



そういってあたりを悔しそうに回り始める精霊。


どういうことかと二人のシャボン玉の作り方を見ると

二人のシャボン玉の作り方の違いが見えてくる。


スラ子は地面でゆっくりと空気を送り込むのに対して、

精霊は自分が浮く際に発生させている風が

シャボン玉作成に影響してシャボン玉が

一定の大きさを超えると割れてしまうのだ。



ふふ、本当に小さな子供のようだな。



私は精霊に近づくとハサミでその胴体を支える。



「よ?」



ほら、これで風を使わないで空気を送り込んでご覧。



「わかったよ!」



そういってゆっくりとシャボン玉を膨らませると、

スラ子のシャボン玉を凌駕する大きさのシャボン玉が

空中に浮かびあがる。



「わーーー!」「な!な!」



こうしてさらに遊びに熱の入る二人。


なんとも微笑ましい光景じゃないか。


こうしていれば街に被害を出す悪い精霊なんて

まったく思えないな。










・・・あれ?



ここにきて重大な事に気が付く私。



これって私が精霊を捕まえている事になるのか?



「つかまってるよ!」



あ!うん。そうなんだけどそうじゃなくてね?



精霊の応対をしながら現状を確認する。


私のハサミを浮き輪の様にして

足をぶらぶらさせながらシャボン玉を膨らませる精霊。


機嫌もいいみたいだし、

落ち着いて話し合えば和解できるのではないか?



まさかの棚ぼた状態に歓喜する私。



え?いや?まぁ狙ってなかったわけではないですけどね?


ふふ、お嬢の驚く顔が目に浮かぶ。



だが、ここにきて肝心のお嬢の行へがわからない。



んー、スラ子。


お嬢が出かけるときに行先の手がかりに

なりそうなこととか何か言ってなかったか?


「な?」



そういって不思議そうなしぐさで

ある方向を指し示すスラ子。



そこには空に向かっていくつもの火の玉が

打ち上げられていた。



あぁ、もうあれは確実にお嬢ですわ。

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