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4-9

「レガさん!レガさん!スラ子が・・・!」


「・・・遊びに行っちゃね」


「えぇ?じゃああそこが宿殻につながってるの」



私の質問にうなずくレガさん。



確かに私がここに来た時はあの辺りに

出現してきたような気がするが、

あんな感じになっていたのか。



一先ず消えたスラ子の行くへを確認するが、

未だに安心することは出来ない。


あの段ボールや中身はこの世界にないもので、

おもちゃと言えど、どんな事態に発展するか

わからない。


急いでスラ子の後を追う。







「っな!っな!」



波紋を抜けると見慣れたヤドカリのハサミと共に

スラ子の楽しそうな声が聞こえてくる。



ちょっとスラ子!?



宿殻から顔を出すとそこには

四本の触手で紙ヒコーキを折りつつ、

完成した紙ヒコーキを部屋の窓から次々と空へ放つ

システマチックなスラ子の姿があった。



わぁ・・・。



その圧倒的な光景に息をのんでしまう私であったが

ふと我にかえってスラ子を制止する。



ストップ!ストップだスラ子。


「な?・・・なな!!!」



気が付いたように紙ヒコーキを渡してくるスラ子。



私も遊びたいと思ったのかな?


ホントに優しく良い子なのだが、

今はそれどころではない。



ほら、こういう珍しいものは

人目につくと危ないんだぞ?


「な?」


そう、悪い人なんかに見つかると

私だけじゃなくてお嬢にも迷惑がかかるから

気を付けないとダメなんだぞ?


「なぁー・・・な!」


お、わかったか?


「な!」


よーし、よしよし。スラ子はいい子だ。


じゃあ一緒にお片付けしような?


「な!」



そういってあたりに散らばった紙ヒコーキを

せっせと回収し始める私たち。


あの短時間でよくもまぁこれだけ折ったものだと

感心しつつも室内に落ちたものはすぐに回収できた。


問題は外に飛んで行ってしまったものだ。


おそるおそる窓の外を確認すると、

ある程度日が昇っているのに人の姿が見えない。


やはり精霊の影響なのか街の人々は

家の中にこもっているようで街の外に人の姿はない。



セーフ。



冷や汗をぬぐいながら外へと飛びだすと

全速力であたりに散らばった紙ヒコーキを回収する。


しかしこれがなかなか骨の折れる作業で、

紙ヒコーキの性能と街の中を吹く風が

想像以上に紙ヒコーキを遠くまで飛ばしている。



これは全部回収するのは厳しいかも・・・。



私がそう思いかけたその時。



「わぁ、何これ!?すごいよ!!!」



すぐそばから例の声が聞こえる。



え?



振り返るとそこには風で紙ヒコーキを器用に

飛ばす風の精霊がいた。



「これヤドカリさんが作ったの?」



いや、私も作れるけどこれはスラ子が。



「よ?スラ子?」


「な!」


「よ?・・・あ!スライムさんなんだね」



あたりで紙ヒコーキを回収していたスラ子が

タイミングよく戻ってくる。



「いっぱいあるよ!」


「な!」



何やら波長が合うらしい二人。


遭遇と同時に打ち解けたらしく、

今はスラ子が集めた紙ヒコーキを

その場でくるくると飛ばして遊んでいる。



これは・・・使えるかもしれない。



スラ子と遊ぶ風の精霊を見て、

この状況を丸っと解決する妙案を思いつく。










人気のない街はずれ。


段ボールの中にあったおもちゃを取り出し、

準備をしていると。



「探してきたよー」



そういって数基の紙ヒコーキを風で運んでくる

風の精霊が私の下へとやってくる。



そう、圧倒的機動力を有する風の精霊を

飛ばしてしまった紙ヒコーキの回収にあてたわけだ。



この街に散らばった紙ヒコーキを全部集められたら

もっとすごいものを見せてあげるよ。


そう、言えば次の瞬間には風の精霊は

街中を飛び回っているのだから。



ふふ。我ながらなんて素晴らしいアイディア。



「全部見つけてきたよ!!!」



そういって嬉しそうに私に紙ヒコーキを見せる。



おぉ!凄いぞ!


全部見つけられるなんて君はすごいな!!!



「えへへ・・・だよ!」



嬉しそうにくるくる回る風の精霊。


正直これで全部かはわからないが

少なくとも私とスラ子が探すよりは確実だろう。



「よ!よ!もっとすごいものは!?」



そういって私の周りを飛び回る精霊。



っふっふっふ。じゃあ約束通り。



そういって地面に置かれた大きなお皿と

鉄製のわっかを見せる私。



「よ?」



こうやってお皿の中の液体にわっかをつけると。



そうやって私がわっかを振ると、

そこから巨大なシャボン玉が現れる。


そう、なんてことはないシャボン玉だ。


ただし、元の世界の知恵も混ざっています。


シャボン玉が割れにくくなる強化剤が入っているため

石鹸で出来るような小さなものではなく

恐らくこの世界最大規模のシャボン玉が

今この私の手の中で生成されている。



「よよ!?」


「な!!!」



その大きさに目を輝かせる二人。



はい。どーぞ。



私が鉄のわっかを差し出すと嬉々として

シャボン玉を作り始める風の精霊。


どうやらかなりお気に召したようだ。



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