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53/76

4-6

サブタイトルが間違っていたので修正しました。

内容に変わりはありません。

修正前:4-7

修正後:4-6


宿殻の中に踏み入って一歩目。


あたりの壁面は私がいつも背負っている際に

接触している部分だ。


とがった部分は存在せず、

なめらかながらもしっかりとした硬質の

表面が存在する。


そうしてさらに一歩。


宿殻の構造を考えれば宿殻内といえなくはない。


しかし、外側を確認して意識してその広さを

把握しようと努めると違和感を感じるスペースだ。


一体ここは宿殻のどのあたりに当たるのだろうか?


そもそもこんな形状、貝として成立するのか?


そういう種類の貝なのかもしれないし、

私が背負っているせいで形状が変化したのかもしれない。


いや、そもそも宿殻に木が生えている時点で

貝というより鉱物なのかもしれない。



この世界に来てからずっとセットだったせいか、

この宿殻について何も考えていなかったことを

思い知らされる。



よくもまぁこんな得体の知れないものを。



自分にあきれつつもさらに奥を確認するために、

ハサミを前方に構えて先に何かあるか確認しながら

踏み込むともうそこは宿殻の底だった。



あれ?探索終了?


二歩半で終わる探検って・・・。



ちゃんと底が存在したことに安心しつつも

この世界に来てから初めての冒険らしい冒険の終了に

若干落胆してしまう私。


一応ハサミで奥の壁面をなぞってみるが

そこには真っ平な平面があるだけで

それ以外に変わったものは存在しなかった。












あれ?



ここにきて状況の異常さに気が付く。



スラ子?



そういえば私が空を眺めてぼーっとしている間に

スラ子は宿殻の中に戻っていったはず。


そうであればここでスラ子に遭遇しなければならない。



慌てて周辺をハサミや触覚で確認するが、

小さな隙間やくぼみも存在しない。



ま、まさか。



今までスラ子だと思っていたもの。


いや、スライムだと思っていたもは、

スライムの幽霊だったのでは?


そんな考えが頭をよぎる。



それもそのはず、度重なるお嬢の攻撃。


全身が炎に包まれた事だって

片手じゃ数えきれないほどあった。


今までのお嬢とのやり取りを思い出しつつ

指を折れないハサミをワキワキさせながら

背筋に冷たいものを感じる。



もし、お嬢の炎でスラ子がすでに

蒸発して亡くなっていたら?



なくはない。


それだったらこの空間から

スラ子が出たり入ったりするのもうなずける。



なんてことだ。



私が導き出した結論に愕然としてしまう。



スラ子、ごめんよ!


私が不甲斐ないばっかりに。



私が後悔の念に打ち震えていると。



「な?」



どこからかスラ子の声がする。


だが、その姿はどこにもない。



やっぱり。やっぱりそうなのか!?


大丈夫だよ。スラ子。


私は一人でもちゃんとやっていける。


だから、だから安心して成仏してくれ!!!



「なぁ???」



間延びしたスラ子の返事が帰って来てから一瞬。


先ほどまで確認していた壁の中から

スラ子の触手が伸びて来て私の体を

壁の中へ引きずりこもうとする。



ひぃ!!!


堪忍してくれスラ子!


道連れは!道連れだけは堪忍して!!!



正体を知られた私を口封じするために

この中に取り込もうとしているのか?


っは!?


ということはお嬢を復讐を・・・!



「な!?な!な、な!!!」



その声は怒り狂ったかのごとく強さを増し。


私を引っ張る力が急激に強まった。



あぁ、も、無理・・・!



さすがに足場がうまく確保できていなかったため、

思うように踏ん張りがきかなかった私は、

増した力に抗うことも出来ず

壁の中へその体を沈めてしまう。



息を止めて瞼を閉じて必死に何かに掴まろうと

あたりを手探ろうとする私。



あれ?



地面・・・ある。


息も出来るし、瞼?



そっと顔に手を当てるとそれぞれ五本の指が付いた

右手と左手が人の顔の感触を伝えてくる。



え?



そっと瞼を開くと私は人の姿で草原の上に立っていた。


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