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4-2



お嬢とスラ子を見送った後、

一先ず馬を引きずるのに役立ちそうな

何かがないかあたりを物色する私。


何もない場合馬が回復するまで

看病する他無くなるのだが、

そうなったらお嬢に追いつけるのかが

怪しくなってくる。


一時の感情に流されて思わず助けてしまったが、

こうして一人冷静に考える時間が出来ると、

あまりいい選択だったとは言えない。




しばらくあたりを探し回るがやはり草原、

ツタやら木やら使えそうなものは見当たらない。



せめて川でもあれば水が汲めるのに・・・。



悔いつつも一度馬の下へ戻ると、

どうしたことだろうか、

先ほどまで泡を吹いていた馬が立ち上がって

あたりの草を食んでいる。



え!?さっきまで瀕死だったのに?



「ブルルゥー」



近づいてみてもしっかりと自分の足で立っている。



これは一体・・・。



元気になったことは喜ばしが、

原因を考えてふと下を見る。


するとスラ子が馬にかけていった葉っぱが

この短時間では考えられないほど枯れている。



まさかこれ・・・薬草なのか?



地面に落ちた枯れた葉を手に取ってみてみるが、

どうにも普通の木の葉っぱにしか見えない。


薬『草』なのに『葉』とは一体・・・。


答えのない疑問に思考を囚われつつも

スラ子の完璧なアシストに感動する私。



さすがスラ子、グッジョブ!



馬の復活を喜びつつ恐る恐る馬に乗ってみる。


正直、乗馬拒否されないかひやひやしていたが

振り落とされるということはなかった。


手綱をお嬢の見よう見まねで動かしてみると

私の予想していた通りの動きをしてくれる。



これなら・・・!



徐々に馬のスピードをあげて土むき出しの道を

進んでゆく私と馬。


はた目から見るととんでもない光景だろう苦笑しつつ

お嬢たちに早く合流したい気持ちでスピードが出る。



これがさっきまで倒れていた馬のスピードなのか?



完全回復どころかミネアの街にいた時より

元気になっている気がする。


無論それは馬もわかっているらしく、

『自分がどこまで早く走れるのか?』

そんなうずうずする気持ちが手綱越しに伝わってくる。



あ、あの!


私身長が足りなくてあまり前が見えないので

これ以上スピードは!



お嬢を真似てスピードを落とそうとするも

余り伝わっていないらしい。


そもそもお嬢は馬がへばるまで飛ばしていたせいで

急ブレーキらしき動作を私は認識していない。



不味い。くっそまずい。



私が振り落とされる程度なら問題はない。


正直その程度の衝撃なら、まだお嬢に蹴られた方が

危険度が高い。


私が心配しているのは不意に女性や子供がいた場合だ。


万が一にも私が暴走させたような馬で

怪我を負わせてしまうなんてことになったら

冗談では済まされない。



事故になる前に必死で馬をなだめようとしていると。



「あー!お馬さんだよ!!!」



どこからともなく子供の声が聞こえてきた。



不味い!!!


もうこのあたりには子供がいるのか!?



急いであたりを確認する私。


もう周辺はすっかり田畑になっており

遠目には大きな風車がいくつも見受けられる。



先ほど脳裏をよぎった最悪の事態が

現実味を帯びてくる。



「一緒に遊ぼうよ!」



先ほどと同じ子供の声がすぐ近くから聞こえる。



え?



目下爆走中の馬。


それを見かけた子供が出した声が聞こえただけなら

別に不思議なことはない。


ただし二度目に、

先ほどよりも間近で声が聞こえるなんてことは

物理的にありえない。


慌てて周辺を見直す私だったが、

子供らしき姿は見える範囲見当たらない。



一体何が!?



訳の分からな事態にパニックになりかけたその時。


凄まじい突風が前方から吹き荒れる。



うあ!



驚いて体勢を崩した馬の背から転げ落ちる私。


数度地面に体をぶつけつつも、

慣れた動作で受け身を取って立ち直ると馬の姿を探す。



馬!大丈夫か!?



今もなお強風で土煙があがる田畑の中央で

私の目に移りこんだのは先ほどまで暴走していた馬と、

それの馬を飲み込んで去ってゆくつむじ風の姿だった。


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