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3-20


元気なお嬢を見ることが出来て安心した私は、

お嬢の去り際の言葉を察してギルドに書置きを

残してから挨拶周りをしていた。



「よかったわ。ホントに良かったわ。

これも神の思し召しね」



十字架に祈りをささげるシスター。


そんな言葉を聞くとあのフルプレートは

本当に神様の類たっだのかもと想像してしまう。


そうして挨拶だけで済ますつもりであったが

昼食に誘われて一緒にお昼を取り、

そのまま子供たちと遊ぶと再会を約束しあい

教会を後にする。



おっと、そういえばあの像にも・・・。



ギルドから教会に来る途中にあった像にも

挨拶をしておこうとするが

確かにあったはずの場所には痕跡も見当たらない。



場所でも間違えたかな?


見慣れない土地で夜だったこともあるし

見つからないのも仕方がないかもしれない。


もう少し時間があれば散策がてら探してみてもいい。


だが、夕刻も近づいてきているため

早めに喫茶店には顔を出しておきたい。



駆け足で喫茶店へとたどり着くと、

休業中の札は取り外されて店内に人の気配がする。



おそるおそる喫茶店内に入ってみると、

リンダちゃんやゴリ子ちゃんは見当たらないが

体格のいいウェイトレスの恰好をしたウェイターが

私の対応をしてくれた。



「あらー。カニのお客さんなんて珍しいわね!」



さしずめ量産型リンダちゃんといったウェイターさん。


読めるかどうかは未知数だったが試しに



『リサお嬢の代わりにご挨拶に来ました。

カニ太郎と申します。』



私が黒板にそう文字を映し出すと

ウェイターが目を丸くして驚く。


どうやらしっかりと文字を読んで

理解してくれているらしい。



「まぁ!凄いカニさんね!!!

どうやってるのかしら!?」



息が、息がかかる!


しかも・・・あ!っちょ!


変なとこ見ないで!!!



小学校中学年ほどの大きさは私を

軽々と持ち上げて撫で繰りまわす。


やはりここの人たちはただものではないらしい。


総出でお嬢の支援に向かっていたのもうなずける。



全身全霊をもってウェイターの手中から脱出すると。



『この度はお嬢が大変お世話になりました。

お嬢は起き次第出発するかも知れないので

リンダちゃんには私を含めて感謝していたと

よろしくお伝えください』


「わかったわ。店長にはよろしく伝えておくわ。

それと・・・はい!お使いを頑張ったご褒美よ」



さすが量産型リンダちゃん。


クッキーを召喚する機能まで同じとは・・・。



色々と気になる物体を受け取り一礼をすると、

不思議な人たちが集う喫茶店を後にする。







日も暮れて冒険者ギルドに戻る私。


お嬢は未だに寝ているということだったので、

受付で食費を貰いギルド近くの酒場で夕食を済ませる。


お嬢は無事に仕事を終えて帰還。


私も今日は人並みの生活も送れて万々歳の一日だった。


このまま満たされた心のもちのまま今日という日を

終えてしまってもいいのだが、

まだ私には済ませていない最後の挨拶が残っている。







闇夜に紛れてギルド裏の従魔小屋までやってきた私。


窓から差し込んでくる月明りのみを頼りに

小屋の中を音を立てずに進んでゆく。


夜行性で起きている動物もいるが、

ほとんどの動物たちは静かに自分たちの場所で

眠りについている。


そんな室内を奥へ奥へと進むと、

ついに目的の場所へとたどり着く。



これはこれは・・・。



願ったりの状態に思わず口がにやけてしまう。


そう、ちゃんとお礼はしていかないとね?


私が習得した記述スキルを全力行使し、

奴の室内を鳥よけマークの巨大な目玉を中心に

ちょっとした模様替えをしておいた。


ふふ、これで心置きなく出発が出来る。













「ポォ゛ーーーーーーーーー!!!」



日の出とともに汚い鳩の断末魔が今日という日の

始まりを教えてくれる。


あぁ、今日も素晴らしい一日になりそうだ。



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