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「なな!」
呆然と立ち尽くす私に駆け寄ってくるスラ子。
どうしようスラ子・・・。
私をここまで運んできてくれたゴブリンさんが。
「な!?」
私の意図をくみ取るやいなや
炎の中へ飛び込んでゆくスラ子。
ちょ!スラ子!!!
ゴブリンさんに続いてスラ子まで・・・!
私のキャパシティを越えた異常事態に
テンパっているとテントの中からお嬢が出てくる。
「あら、あんた追いついてきたの?」
あら?
じゃ!ないですよ!!!
不思議そうな顔して何言ってるんですか!
ってかそれどころじゃない!
あーっれ!あれ!何なんですか!!!
私が指し示す方を見ると。
「しかし一番派手なやつに引っかかったわね」
そんなことをつぶやきながら杖で地面を叩くお嬢。
「そんな慌てなくても大丈夫よ。
警戒用の敷設魔法陣なんだから」
するとどうだろうか。
けたたましく轟いていた爆音と火柱が突然消えた。
おぉ。
本当だ・・・あぁ゛!?
火柱のあった場所にはこんがり焦げた
ゴブリンさんとスラ子が倒れいていた。
「すまなかったわね」
焚火を囲んで座る私たち。
意外にも素直に謝るお嬢に一安心の私。
正直焦げた肉の匂いを漂わせ、
気絶しているゴブリンさんを見つめるお嬢の目が
淀んでいたので証拠隠滅でもするのかと
気が気でなかった。
「大丈夫ゴブ。
いきなり近づいたゴブが悪かったゴブ」
スラ子が助けてくれたのだろうか、
負傷らしい負傷の見えないゴブリンさん。
死を覚悟するほどの恐怖だったろうに
自分の不注意の点を示す。
実にゴブリンが出来ている。
「そんなことないわ、
どうせこいつに急かされたんでしょ?」
なくはない。してなくはないが。
だからってあんなトラップ仕掛けますか?
『一般人が掛かったらどうするんですか?』
抗議のために黒板に質問を書いてお嬢に問う。
え?一般人は暗くなってから移動はしないし、
突然キャンプの範囲に突入してこない?
ぐぬぬ・・・。
でもですね?
『じゃあなんで私が来るかもしれない方向に
一番ヤバいやつを仕掛けたんですか?』
あ!あ!
目を逸らした!目を逸らした!!!
この場では一切私の主張は通らない。
もう私の方を見向きもしないお嬢は
杖で私を黙殺することに決めたらしい。
私も払いのけようと努力するが杖は
ハサミを華麗に回避し的確に私の眉間を攻め続ける。
そんな私の本日最大の戦闘状態を流しつつ
お嬢とゴブリンさんの会話は続く。
「お詫びと言っては何だけど、
私にできることがあれば力になるわ」
「良いゴブか!?」
目を輝かせるゴブリンさん。
「じゃあお言葉に甘えてゴブ。
町でゴブにも出来るお仕事を紹介してほしいゴブ」




