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2-6

太陽の位置と頭に叩き込んだ地図を目安に

お嬢の向かった先に全力で駆けだす私。



お嬢はこういったところがあるからな・・・。



しっかり者のイメージが強いお嬢だが、

どこかずれているところのあるお嬢。


それが天才肌故なのか天然なのかはわからない。


だが『お爺さん故の孫の可愛がりすぎ』と

一言に切り捨てられないほどには不安な節がある。



やはりこれは私がしっかりしないと!



と、意気込んでみたものの、

何分今困った事になっているのは私なので

もうなんだかちょっと泣きそうです。


まぁ、そんな泣き言を言っていてもしょうがない、

とにかく持てる全力をもって走る。



走る。


走る。


走る。



不思議なことに体が疲弊する感覚があまりない。


これはランナーズハイと言ったものなのか?


ヤドカリの体の仕組みはわからないが、

カニだってあんなに早く移動できるのだし、

魔法が存在する世界なのだからこれぐらいは

あり得るのかもしれない。


何よりこの緊急事態にはありがたい。


人だった頃でも出したことのないようなスピードで

どのくらい走ったのかなだらかな丘を登り切った。



町までの道のり的には山越えはなく平地が続くはず。


それならばこの丘の上からもしかすればお嬢たちが

見えるかもしれない。


いや、私がいない事に気が付いたお嬢が・・・!



淡い希望を夢見ようと想像を膨らませようとするが。



・・・あれ?おかしいな?


私の事を探してくれているお嬢の姿が浮かばない。



もう、いっそのことガッツポーズすら浮かんでくる。



くそ!頼む・・・!



登り切った丘の上から見える壮大な景色。


風が草原の上をかけてゆく姿に不意に心が

見とれてしまう。







いない・・・。


その光景を見渡すとともに気が付いてしまう。


この雄大な大自然の中において私が孤独である事に。


砕かれた希望の代わりに突き付けられた現実が

私を恐怖に陥れる。



嘘でしょ?


方向を間違ったのか?



周辺一帯が比較的平野であるために、

万が一違う方へ進んでいた可能性もある。


慌てて方位を確認しようと空を見上げると、

いつの間にか真上を過ぎた太陽が

日没に向けたスタートを始める。



このままはぐれたら・・・。



考えたくない想像が頭の中を駆け巡る。



急がなきゃ!!!



いつ泣いてもおかしくない精神状態で

再び推定目的地の方向へ駆け出す私。



頼む・・・!お願い!お嬢に合わせて!!!



何度目かの願掛け。


でもその効果も期待できそうにない。



あれからどれだけの時間が経ったのだろうか?



日が徐々に陰り。


あたりが薄暗くなってゆく。



不味い。お嬢探しも大事だが、このまま夜を越す

ことも想定して安全を確保できる場所を探さないと。



塔周辺は魔物は出現しないらしいが、動物は出る。


特にお嬢たちの生活範囲から出ればそこはもう

野生の動物たちのテリトリーだ。


だったら野犬やイノシシの類ぐらいなら

出てもおかしくない。




・・・そんな動物にすら勝てる気がしない。


スラ子は別格にしても自然界でたくましく生きる

そんなワイルドな方々に今の私が勝てるはずもない。



どこか、どこか安全な場所を。



探索対象をお嬢から安地に切り替え、

周辺を見渡していると。



(ガサガサ)



近くの草陰から物音がする。

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