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2-4

旅?・・・なるほど!


さっきの手紙はそういうことだったんですね!


北国の温泉から常夏の海まで多種多様な行楽地が

私の頭の中を駆け巡る。



こうしてはいられない!



ご飯をそのままにお爺さんの授業で使った

今私のいるこの国『グラインバルム王国』の

略地図を引っ張りだしてお嬢に見せる。



どこに行くんですか!?



まだ見ぬ世界に心躍らせる私。


そしてお嬢も機嫌がいいらしく、

私の広げた地図を見てくれるのだが。


一見しただけで首を横に振る。



え?まさか西に行くつもりですか?



この国の最も西に位置するこの塔。


お爺さんの話ではさらにその先は亜人たちや

精霊たちが暮らす未開の地となっているらしい。


お嬢の表情を確認しつつ地図上の現在地点の塔から

西にハサミを這わせていくと。



「馬鹿ね。反対よ。は・ん・た・い」



そういってお嬢は塔の地点から旅の経路を指で

なぞってゆく。


指し示された経路はほぼ東。


街道を沿ってその示す先は・・・。



王都!王都観光ですかお嬢!?



一瞬予想より上の展開にどきっとしたが、

お嬢の指はそこでは止まらずに

国の一番東までたどり着く。



えぇ。国横断するんですか?


若干観光旅行にしては規模が大きするぎる。


しかも明日出発となれば色々と準備もしなければ。


そう宿殻一つのこの身とは言え、

準備しなければならない事ならいくらでもある。


地域別の風習や危険場所の事前情報から、

名物、名所の取捨選択まで事欠かない。


しかもヤドカリ状態での初めての遠出になるのだから

持っていける物も限られてくる。


あ!塔が留守になるんだから防犯対策や

お嬢達の知り合いへ

連絡も入れておかないといけないのでは!?


・・・やることが多すぎる。


明日なんて言わずにもっと準備期間設けませんか?



私の心配をよそにお嬢はさらに地図を取り出し。



「そんでここからこういって・・・ここが目的地よ」



そういって指し示された地図はまさかの大陸地図。


グラインバルム王国を出てさらに国をまたぎ、

東の最果てをお嬢の指が指し示す。



・・・はぁあ!?


なんてこった。国をまたぐなんて・・・。


パスポート的なものは大丈夫なのだろうか?


言葉や通貨が違ったりするのだろうか?


もしもの時のサバイバル知識を復習して

過酷な環境に耐えられるようベストコンディションに

する必要もあるのでは?



先ほどまでのウキウキした気分が一気に冷え、

どんなに準備しても途中で朽ち果てる

想像しかできなくなってくる。


お嬢の指し示した旅路を確認し

そんな湧き上がる不安に苛まれていると

お爺さんが部屋からどんよりと現れる。



「のう、リサや。出発はもうしばらく待たんか?

まだまだ手紙は届くじゃろうし。

何かと準備も必要じゃろ?」



ですよね!?お爺さんもそう思いますよね!?



見るからにお年を召したお爺さん。


魔法使いだからと言ってそんな次の日から

大陸横断出来るほどの体力があるとは思えない。



「準備は前からしてたから大丈夫です。

お爺様は安心して待っていてください」



・・・ほぉあ!?


え?え?お爺さんついてこないの?


保護者なしで未成年が大陸横断すんの!?


いやいやいや。いきなり大冒険しすぎでしょ?



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