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2-3

スラ子。朝からごめんなー。



「なー」



鳩が壊して行った窓を直すために集めた土を

スラ子の下へと持ってゆく。


何もスラ子と砂遊びをしているわけではない。




本来は非常時用に木材や釘のストックがあるのだが

生憎この前お爺さんが窓を壊した際に使用済みだ。


そう『直しておきなさいよ』なんてオーダーは

無茶ぶりにもほどがある。


普通のヤドカリならそう思って諦めるだろう。


ふふ、期待を裏切ってしまって申し訳ない。


私は人間なのだよ。


この難問に立ち向かう上で私の脳内に蓄積された

人類の英知を引っ張り出した結果。










スラ子先生!どうにかなりませんか!?



「な!」



竹を割ったような返事を返してくれるスラ子。


部屋の隅っこの私のご飯になる予定だった土に

駆け寄ると何やら粘液をかけ始め・・・。



「な!!!」



そういって渡してきたのは凝固した土だった。



そんな濡らした土で壁何て作れるわけ・・・。



そう思いつつもスラ子から差し出されたブロックを

手に取ってみると思いの外しっかりしている。


試しに思いっきりたたいてみたが壊れる様子もない。



おぉ。すごいなこれ。



「な!」



質量に不安を感じるが、材料が届くまでの間の

応急処置としては申し分ないだろう。




という事で今に至る。



私が何もしていない?


いやいや、スラ子の有用性を見出して

その力を引き出すのも人間の知恵です。



「偉いわねスラ子ちゃん」


「なっ!なっ!」



そう思いませんかお嬢?



「よしよーし」


「なーーー!」


っくっそ!



ひたむきにブロックを積み上げるすぐ近くで

お嬢に褒められつつ食事をとるスラ子。


私だって頑張っているのに。


やはりこの世界の評価基準は厳しいらしい。



さっさと仕事を終わらせるか・・・。



仕上げを済ませて遅めの朝食を取ろうとすると。



「そうそう二人とも。明日から旅に出るからね」



お嬢から突然の通達が下る。

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