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2-1

今日も朝日の気配を感じ自然と目を覚ます私。


暗くなれば寝て、明るくなれば起きるという、

とても生物的な生活を送っているためか

体内時計がかなり正確に機能している。


日課となった朝の水汲みに行こうとすると、

部屋の雨戸を外から何かが叩く音がする。



はて?鳥でも来ているのだろうか?



この世界にも鳥はいる。


今までにも塔の外で見かけたことはあるが

不思議とこの小屋周りでは見かけたことがない。


きっと何かしらの鳥よけの仕掛けがあるのだろう。


まぁ、なので鳥らしいものが執拗に雨戸を叩いている

という普段と違う状況に不安を覚える。




数秒、雨戸の様子を見るも相変わらず。


詳しい状況を把握するために雨戸まで近づくと

そっと隙間から外の様子を覗こうとすると。



「な!」



いつの間にか宿殻から出てきたスラ子が

雨戸のカギを開けてしまう。



っちょ、スラ子危ないでしょ!



スラ子の軽率な行動をたしなめるとともに

スラ子を持ち上げて雨戸から緊急退避する。


案の定、外からの衝撃を受け止めていたカギが

外されたことで先ほどから窓を叩いていた物体が

雨戸を押しのけて勢いよく室内へと飛び込んできた。



愛くるしい瞳にふっくらとした体、

それに対して小さくまとまったくちばしを持つそれは

まさしくもって鳩だった。


だが、はたしてこの鳥を鳩と呼んでいいのだろうか?

なんか私より大きくないか?


動物園でもなかなか見かけないような大きな鳥を

好奇心からまじまじ見つめていると。


室内を確認し終えた鳥が

自分の足に括りつけられた筒から巻物を取り出して

私に差し出してくる。



ん?私に受け取れと?



身振りで鳥に確認するとコクリとうなずく鳥。


恐る恐る鳥から巻物を受け取りると

巻物の様子を確認する私。


羊皮紙のロールは封蝋されておりまさしく手紙だろう

風体をしていた。


表面には描かれていた文字はお爺さんの語学の成果で

読めなくはなかったのだが、

人名や地名や数字の並びで私には結局わからない。


そんな手紙をまじまじと見つめていると

まだそこにいたのか鳥が翼をバサバサし始める。



え?何事?



こちらを見つめて徐々に気が荒くなっていく鳥。


とにかく私では対応しきれないと判断して

お爺さんを呼びに行こうとした次の瞬間。



「クルックーーー!」



背後から突然飛び蹴りを放つ鳩。


割と大き目な鳩から繰り出される衝撃に

私の体が壁へと打ち付けられる。



ちょっと大きいからって鳩の分際でなめた真似を。



態勢を立て直して文句を言おうとするが、

私の立ち上がりを阻止するかの如く

くちばしによる連撃を繰り出してくる鳩。



やばい、痛い、やばい!



小さくとも鋭く硬いくちばしの攻撃に

成長して強固になったはずの私の甲殻も

悲鳴を上げ始める。



「な!」



そんな劣勢にスラ子が身をていして入り込む。



「なな!」



私を押しのけると私の代わりに

鳩の攻撃を一身に受け捌ききるスラ子。


相も変わらず頼もしいが鳩もさることながら

攻撃の手を緩めることはない。



待ってろよスラ子。



既にマイグラウンドと化したこの室内。


器用に家具を上り鳩の背後の高所を取る私。



残念だったな鳩。


ここまでされちゃあ私もただじゃおかないさ。


私のテリトリーで狼藉を働いたことを悔いるがいい。



自分のハサミの挙動を確認すると家具の上から

無音で飛び降り鳩の首目がけてハサミを繰り出す。



ヒャッハー!今日の朝食は鳩スープじゃい!!!



私のハサミが手ごたえを感じたその時。

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