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「さて、名前も決まったところで
朝食にしようかのう」
お爺さんが朝食をお皿へ盛り付け、
お嬢が配膳を済ませると朝食が始まる。
美味しそうなベーコンの香りが漂う食卓の下で
私は昨日の砂場道具と対峙している。
またこの皿に砂が盛られるのか・・・。
辟易しつつもあの果物のおかげで
お腹は満たされている分ましだろう。
ありがとう。スライムさん改めスラ子。
そう、感謝の相手を探すのだが、
あたりにスラ子が見当たらない。
あれ?どこに行ったのだろう?
あたりを見渡すと食卓の上からスラ子の鳴き声が。
「な!な!」
「ふふ、スラ子ちゃんおいしい?」
まさかと思い食卓の上を見やるとそこには
お嬢からスプーンで食事を貰うスラ子の姿が。
お、おま!おま!!!
どこから突っ込んでいいのかわからず
漠然とした感情に打ち震える私。
そして気が付けばまたもや床を叩く始末。
「っさいわね!また床叩いて!
そこだけ色変わってきてるじゃない!」
私の声にならない思いがお嬢に届いたと
思いきや叱られる。
気づいてくださいお嬢。
この床の傷が私の心傷だということに・・・!!!
しかし叱られたのならやめるほかあるまい。
アピールの手段を失った私は
力なく床に付していると。
「ななっ!」
スラ子がテーブルの上からお皿を持って飛び降りる。
一瞬中身がこぼれ落ちるかと思ったが
見事に慣性を制して着地し、私の前に歩み寄る。
「な?」
そういって器用にスープをよそって私に
食べさせようとするスラ子。
後光が、後光が見える。
慈悲にあふれたこの行動、わかりますか後ろの二人?
これが人として持ち合わせていなくちゃいけない
「人情」ってやつですよ!
スラ子の行動に若干驚きつつも関心するかのお嬢。
「っふぉっふぉ。
リサはすごいスライムを見つけてきたの」
相変わらず孫に目のくらむお爺さん。
ってか第一発見者は私ですからね!?
伝える手段がない上に伝えたところで
どうということも無いと諦めて
スラ子からもらったスープをすする私であった。
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食後、お爺さんに呼ばれてお爺さんの書斎へ行く。
「な!な!」
スラ子もセットだ。
どうやら私の宿殻の上に載るのが気に入ったらしく
私の上で震えている。
「さて、リサの従魔となるうえでお主たちの力量を
確認しておこうかと思う。これは世にいう
『己を知り、相手を知れば百戦危うからず』
というものじゃ」
元いた世界でも聞いたフレーズに世界は違っても
大事なことは変わらないことを実感する私。
「というわけでじゃ、
まずは簡単なテストをしてもらおうかのう」
こうして始まったお爺さんの問答による
知能検査が始まる。
内容は一般的なIQテストの様なもので
出される問題に答えたり課題をこなしていると、
気づけば夜になっていた。
「っふぉっふぉっふぉ。
ついつい時間を忘れてしもうたわい」
そういうお爺さんは顎鬚を触りながら目を細める。
「会話の理解度も、論理思考も申し分ない。
ある程度人についての知識もある。
しかし、それ以外の知識に偏りがあるのう」
まぁ、この世界の人じゃないからね。
「この子の存在をどう見るべきか、
・・・あの媒介が何であったのかは
今一度調べなおす必要があるかものう」
何やら独り言をつぶやきながら考え込んでいると。
「お爺様、いつまでこもられているんですか?」
お嬢が扉を叩いて室内に入ってきた。
「おっと、すまんすまん。
ついつい夢中になってしまってのう」
お嬢が夕食の支度を済ませて私たちを呼びに来た。
「スラ子ちゃんに変なことしないでくださいよ?」
そうお爺さんに念を押すお嬢。
「わかっとる。それにカニ太郎にものう」
笑顔で私の頭を撫でてくれるお爺さんだった。




